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【自作してみよう】太陽光発電の蓄電システムを安く導入する方法

太陽光発電

太陽光発電に興味を持っている方の多くは、設置費用を気にされているのではないでしょうか。太陽光発電を屋根に設置するとなると、屋根の耐久性やパネル設置費用が高額になるのではないかという心配が出てくるのも当然です。

太陽光発電と合わせて蓄電システムを導入する方も増えています。蓄電システムがあることで電気を蓄えることや災害時に備えることが可能となるからです。

そこで今回は、蓄電システムを安く導入するポイントをご紹介します。初期費用を抑える方法として、ぜひ参考にしてみてください。

 

蓄電システムとは

蓄電システムとは、リチウムイオンなどの蓄電池を利用し電気代をお得にする方法のことです。例えば、燃料電池では必要な時に発電してその場で電気を使用しますが、蓄電システムがあることで電気を溜めることができます。

また、電気料金は電気の使用量が多くなる昼間に高く設定され、使用量が少ない夜間は安くなっています。この料金システムを活用し、お得な夜間電力を使って蓄電池に電気を溜めておき、昼間は溜めた電気を使用する方法です。例えば、昼間の電気が34円で、夜間電力が23円ならその差額11円得したことになります。近年では、電気自動車を家庭用蓄電池として使用することも可能になっています。

 

蓄電システムの役割

蓄電システムには様々なメリットがあります。どのような嬉しい点があるのか見ていきましょう。

 

停電時のトラブルに対応

蓄電池は電気を溜めておくことが可能のため、停電しても電気が使えて災害時に自立運転することができます。溜めておいた電気は生活に必要な家電を半日使える計算で、停電しても普段通りに生活して12時間は電気を使える計算です

また、蓄電池を活用する方法は、太陽光発電システムとの兼用が可能で、発電した電気を売ってもっとお得にすることもできます。

 

節電に効果的

夜間の電力を溜めて昼間に使うため、利用者本人のエネルギー節約意識が高まります。できるだけお得な夜間電力で使用量を済まそうという意識が発生すれば、昼間に使い過ぎていた電気の消費電力量の見直しにもつながるでしょう。

 

電気を蓄えて、必要な時に供給

もし昼間に蓄電した電気が不足すれば、電力会社から電気を買うことも可能です。電力会社と連携して電力を自動制御しているため、利用者は普段通り電気を使うことができます。そのため、昼間の蓄電量や発電電力が足りず、電気が使えなくなってしまうといった心配もありません。

 

蓄電システムを自作する注意点

蓄電システムは自作することはできますが、いくつかの注意点があります。自分で作ろうと検討中の方は以下のポイントを覚えておきましょう。

 

売電するには設備認定の申請が必要

蓄電池と太陽光発電機を設置し売電する場合は、設置認定の申請が必要です。太陽光発電で申請できる基準は、ダブル発電を含む10kW未満と、屋根貸しを含む10kW以上で異なります

10kW未満の場合は、性能を維持できるようメンテナンスが確保され、再生可能エネルギーの電気量を計量法に基づく特定計量器を用いていること、発電設備の内容が具体的に特定されていること、設置にかかった費用や運転にかかる費用の内訳を毎年1回提出すること、変換効率はシリコン単結晶・シリコン多結晶系では13.5以上、シリコン薄膜系は7.0以上、化合物系は8.0以上であること、JIS基準に準じたもの、余剰配線となっているもの、ダブル発電は逆潮防止装置があることです。

10kW以上の場合は、性能を維持できるようメンテナンスが確保され、再生可能エネルギーの電気量を計量法に基づく特定計量器を用いていること、発電設備の内容が具体的に特定されていること、設置にかかった費用や運転にかかる費用の内訳を毎年1回提出すること、変換効率はシリコン単結晶・シリコン多結晶系では13.5以上、シリコン薄膜系は7.0以上、化合物系は8.0以上であること、屋根貸しの場合は全量配線となっていること、設置場所が住宅の場合は住居者の承認を得ている必要があります

 

リーズナブルとはいえ少々高額

太陽光発電の自作キットは一般的に、太陽光パネルパワコン架台の3点セットになっています。キットを使えば誰でも簡単に太陽光発電が始められるようセットになっているものです。

しかし、売電するとなると、これだけの材料では足りません。ほかにも配電盤、連系柱、電気メーターが必要となるため、発電した電気を自宅で使う場合と比べて、割高になります。そのため、業者にすべてを依頼するときと比べてリーズナブルではあるのですが、売電するとなると費用を少し高く見積もっておく必要があるのです。

 

自作する場合に必要なもの

太陽光パネルと蓄電池を設置し、売電するためには以下のものを用意しましょう。

 

UPSを選ぶ

UPSとは無停電電源装置のことで、電気エネルギーを貯蓄し停電時に電源を供給する装置です。UPSは2種類あります。

常時商用給電方式は、停電時にバッテリーから切り替わり、その瞬間一瞬だけ停電するタイプです。常時インバータ給電方式は、ノイズが少なく停電時の切り替わりに停電することなく使えます

 

バッテリー

バッテリーは、ディープサイクルバッテリー、または自動車用のバッテリーがよく用いられています。ディープサイクルバッテリーは繰り返しの放電に強く、自動車用バッテリーは充電しながら使うことを得意としています

 

充電器

バッテリー容量に対応し、深夜電力の時間帯に充電できるものを選択します。電力は100Vで、出力電力がバッテリー電圧に適合し、タイムスイッチで電源が入る必要があります。

 

インバータ

インバータとは、直流を交流に変換するものです。ソーラーパネルで発電した電力や、バッテリーに蓄えた電力は直流のため、これを家電製品に使用できるよう交流に変換する必要があります。ソーラーパネル用のものは太陽光発電用パワーコンディショナと呼ばれています。

 

商用電源切替器

ソーラーパネルにより発電した電源供給が停止すると、商用電源に切り替えるための装置です。

 

プログラムタイマー

深夜電力の際に切り替えるシステムです。プログラムタイマーは2種類用意しましょう。1つは設定した時間になるとオンとオフになり、昼間電力が高いときにバッテリー供給に切り替えます。2つ目は太陽光パネルを使用している際に使用し、日の出の時間に合わせて太陽光パネルの充電に切り替えるためのスイッチです

 

電圧検知の購入と設定

バッテリーからの電圧が下がった際に、商用電源への接続にしなければなりません。そのため電圧検知を購入し設定する必要があります。

 

配線部材

ソーラーパネルを屋外に設置する場合、ケーブルは保護菅でカバーし防滴します。ケーブルの引き込みは、屋外コンテナボックスから引き込みましょう

 

自作の蓄電システムにかかる費用

蓄電システムは自作することで費用を抑えることができます。ディープサイクルバッテリーは新品のものでも3万5千円程度。これを欲しい容量分揃えていきます。また、リサイクルビルドの蓄電池や液式のバッテリーを使うと費用はさらに安くなります。

インバータは種類にもよりますが国産のもので2万円程度、蓄電システムにかかせない充電器も国産のもので3万5千円程度です。

そのほかにブレーカやヒューズ、端子台、配線も必要ですがこれらは合わせても1万円程度で揃えることができます。これらすべてを合計すると約10万円となります。充電可能容量や使う部品によって金額は前後するので、注意してください。また、停電時に蓄電池を停電時の動力源として使う場合には、バックアップ用住宅分電盤やパワーステーションなども必要です

 

市販されている蓄電システムの価格相場と比較

蓄電システムは、太陽光発電システムの設置代で100万円以上、蓄電池と合わせても300万円はみておきたいところです。蓄電池は容量タイプにもよりますが、100万円以上するものが少なくありません。自作の場合には約10万円のため、大きな差があることがわかります

市販の蓄電池には、シングル発電とダブル発電の2種類があります。シングル発電は押し上げ効果なしと呼ばれるもので、太陽光発電で作った電力をためているときは蓄電できません。ダブル発電は売電量を押し上げる方法です。一般的にはシングル発電のほうが売電効果は高くなります。

蓄電池は自治体によっては補助金をもらえる地域もありますが、自作したほうが費用は安く抑えることができます。自作でも容量を増やすことはできるため、なるべく費用はかけたくないという人は検討しても良いでしょう。

 

自作蓄電システムは電力自給向き

ソーラーパネルで発電した電力をバッテリーに蓄電し、それを売電するとなると多くの機材が必要となるほか、電気工事の詳しい知識が必要です。

申請も必要で、規定に沿っていなければ申請が下りることはありません。費用自体は市販のものと比べて安くはなりますが、自分で導入するとなると、配線の引き込み作業などプロ並みの知識が必要となります。

この作業工程の難しさを考えると、太陽光発電単体の活用や蓄電しても自宅での運転モードにする家庭に向いているのではないでしょうか。自作蓄電システムは、売電を考えず自宅で使うために活用するという心づもりでいるほうがよいでしょう。

 

まとめ
  • 売電するには申請が必要
  • 自作するためには様々な機材を用意しなければならない
  • 自作する際に必要なものは、UPS・バッテリー・充電器・インバータ・商用電源切替器・プログラムタイマー・電圧検知・配線部材など
  • 蓄電システムを自作すれば市販商品よりもかなり初期費用を抑えられる
  • 自作蓄電は電力自給対策におすすめ

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