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「みなし認定」とは? 太陽光発電事業者の移行手続き方法を教えます!

太陽光発電

FIT法(固定価格買取制度)が改正されました。

 

これに伴い、2016年度よりも前に認定された一定の条件を満たす物件については、改正法施行日(平成29年4月1日)において、新認定制度(FIT制度)による認定を受けた「みなし認定」とみなされます。

 

太陽光発電事業者は、改正FIT法によってどのような手続きを行う必要があるのでしょうか。

 

ここでは改正FIT法による「みなし認定」について、説明していきます。

 

みなし認定とは?

 

 

2017年4月1日より、改正FIT法が施行

これにより、再生可能エネルギーによる電気の販売を行う業者は設備認定(事業計画認定)の取得方法が変更となりました。

 

2017年3月31日までに旧FIT法の設備認定を取得していて、2016年8月1日以降に電力会社と接続契約を締結している事業者も、あらためて事業計画書を2017年9月30日までに提出する義務が発生しています。

なお、この提出期限は2017年12月31日まで延長されました。

 

簡単に説明すると、旧FIT法では売電事業を検討している段階で設備認定を取得できたのですが、これでは事業実施の確実性が低い初期段階での認定だったために、実際に発電所が稼働しないケースが多かったのです。

具体的には、平成24年~25年度に設備認定を受けた案件のうち、34万件ほどが未稼働でした。

 

このように、稼働しないのに設備認定を取得する事業者が増えたため、申請された発電予定量と実稼働発電量とのギャップが生じてしまったのです。

 

そこで経済産業省では、再生可能エネルギーによる電力の供給を増やし、コントロールするためにFIT法を改正しました。

 

改正FIT法では「設備認定(事業計画認定)」を受けるためには、売電事業を検討している事業者が電力会社に対して接続系統の契約を締結したあとで、事業計画書を提出する義務があります。

ただし旧FIT法によって設備認定を受けた、事業者のある一定の条件を満たす案件については、改正FIT法による認定を受けたものとみなすことにしたのです。

これが「みなし認定」というもので、認定を取得した権利の延長が可能となります。

 

事業計画と移行手続きについて

それでは、実際に「みなし認定」へ移行するために提出する事業計画書や、移行の手続きはどのようなものでしょうか。

 

そのポイントについて説明していきます。

 

手続きしないとどうなる

前述したように経産省では、電力の安定供給とコントロールを行うために未稼働の発電所権利を整理して、しかも保留期間(事業計画の提出から稼働までの期間)短縮措置を進めています。

 

これによって、2017年4月1日の段階で相当数の事業者が認定を取り消され、当時の売電価格で販売する権利を失効してしまいました。

ただ家庭用の太陽光発電に関しては年度末に非常に多くの申請があったため、2017年度の審査を年度内に全件行うことができなかったようです。

 

そのため、制度移行期による特例ということで2016年度以前に設備認定を受けた10kW未満の太陽光発電設備については、運転開始期限を迎えても認定失効は行わないと発表がありました。

 

ただし、この特例は発電所の運転開始期限を延長するというものではなく、「運転開始の期限が過ぎても認定失効というペナルティを課さない」という意味です。

経産省の発表にも「可能なかぎり速やかに運転を開始していただく必要があります」とあるように、いつ認定取り消しになるかわかりません。

 

 事業計画と手続きについて

改正FIT法では、旧制度で「設備認定」だったものが「事業計画認定」へと変わりました。

これにより事業計画書を提出する義務が発生したのですが、旧制度との大きな違いは「保守点検および維持計画」「撤去計画」の提出が義務づけられた点です。

 

再生エネルギーによる発電設備を設置する事業者が、きちんと保守・点検および維持管理を行い、設備を長期的に利用できるように努めることを義務づけています。

つまり、事故などが起こった場合、しっかりその責任を負って対処しなければならないということです。

発電施設が不要となった際、責任を持って事業者が撤去し、放置されることを防ぐという目的もあります。

 

なお、みなし認定への移行手続きですが、提出期限の〆切は過ぎていますが、まだ提出可能です。

現在の電気買取価格を失効したくない事業者の方は、すぐに移行の手続きを行ってください。

 

「みなし認定」移行申請の大まかな流れ

実際に「みなし認定」移行の手続き申請はどうすればいいのでしょうか。

どのような手順で行い、なにが必要なのか、申請方法についてわからなくて困っている方も多いかもしれません。

 

ここでは「みなし認定」移行のための申請など、大まかな流れについて説明していきます。

 

電子申請

「みなし認定」を受けるためには、原則として電子申請が基本となっています。

必要書類は以下の通りです。

 

  • 事業計画書(WEB入力)
  • 接続の同意を証する書類の写し(平成29年3月31日までに売電を開始していない方のみ必須)

 

経産省資源エネルギー庁のサイト「なっとく! 再生可能エネルギー」で「登録者ID」を取得し、「固定価格買取制度再生可能エネルギー電子申請ホームページ」にログインし。

上記の事業計画情報を入力し、接続の同意を証する書類をPDFまたはZIP形式でアップロードして事業計画の内容を登録します。

 

事業計画の内容が審査されて、改正FIT法の「みなし認定」に移行が完了すると電子メールで通知が届きますので、これで申請は終了です。

ただし、現在は申請が混み合っているようなので、提出してから審査・確認されるまで1~2ヶ月程度かかります。

 

紙申請

インターネット接続環境がなかったり、パソコンの操作が苦手だったりする方は例外的に紙申請での手続きも用意されています。

こちらは電子申請と異なり、必要書類が増えます。

 

  • 事業計画書(提出用データはダウンロードして使用)
  • 代行提出依頼書
  • 設備設置者の印鑑証明書
  • 接続の同意を証する書類の写し

 

事業計画書の様式が決まっており、そのファイルを資源エネルギー庁のサイトからダウンロードしなければなりません。

代行提出依頼書というのは、本来この事業計画書の認定には電子申請で提出するのが正式な手続きとなっているところを、紙で申請するために必要となる書類です。

 

紙での申請は、新制度移行手続代行センターが提出する依頼者の代わりに電子申請を行うこと。

なお、代行提出依頼書は新制度移行手続代行センターに提出することになります。

 

電子申請に必要な「登録者ID」取得の流れ

みなし認定に移行するために事業計画を電子申請するためには、「登録者ID」が必要となります。

ここで気をつけたいのは、旧制度の設備認定を取得する際に付与された「設置者ID」および「設備ID」「申請ID」では申請できないということです。

システムにログインして内容を入力し、パスワードを設定すれば登録者IDが取得できます。

 

登録者IDを取得したら、かつて利用していた設備IDと登録者IDを紐付ける手続きが必要です。

まずは電子申請システムに設置者IDでログインし、「みなし認定の一覧」を表示して、登録者を変更したい「みなし認定」情報を参照します。

ここで登録者変更のボタンをクリックして、新しい登録者IDを入力すれば変更手続きは完了です。

 

わからないことがあれば、JPEA代行申請センターに質問してください。

 

「みなし認定」移行手続きは済ませておこう!

以上、改正FIT法の「みなし認定」移行手続きに必要な申請書類や提出方法の手順について説明してきましたが、いかがでしたか。

すでに事業計画書提出の期限は過ぎています。

提出を忘れてしまうと、聴聞が行われて最悪のケースでは認定を取り消されてしまう可能性があります。

まだ「みなし認定」移行申請手続きを行っていない事業者は、今すぐに手続きを済ませるべきです。

そして、太陽光発電のもつ最大発電出力を最大限に活かし、自分のため、地球のために太陽光発電を行いましょう。

まとめ
  • 改正FIT法によって「事業計画書」の提出が義務づけられた
  • 電力会社との接続契約を締結していないと認定を受けられない
  • 旧FIT法で設備認定を受け、電力会社と接続契約を結んでいる事業者は「みなし認定」の対象者となる
  • すでに「みなし認定」手続きの書類提出期限は過ぎているので、対象者は急いで手続きを行うべき

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