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太陽光発電コストの推移|蓄電池を含むコストパフォーマンスを比較

太陽光発電

 

自然エネルギー、太陽光発電(太陽光モジュール)の導入にあたっては、コストパフォーマンスが気になるところです。

決して安いものではないだけに、どれだけの収益が見込めるのか、しっかりと計算しなくてはいけません。

 

蓄電池を併用するなど、コスト面の改善も必要となってきます。

今回は、太陽光発電の初期費用や売電単価、システム価格などの推移について解説します。

 

太陽光発電と蓄電池の関係

太陽光発電システムに蓄電池は、必ずしも必要ではありません。

しかし、太陽光発電システムと蓄電池を併用するとさまざまなメリットがあります

たとえば、昼間に発電した分を貯めておいて夜間に使用することもできます

 

蓄電池がない場合には、夜間に使用する電気は、これまで通りに電力会社から買わなければいけません。

日中は家を空けていることが多く、夜間のほうがたくさん電気を使用するという家庭にとっては、太陽光発電のメリットも半減してしまいます。

蓄電池を併せて使い、無駄のないようにしましょう。

 

また、蓄電池があれば停電時の不安もありません

東日本大震災の後は、一部エリアで何日間も停電が続きましたが、蓄電池があれば、昼夜を意識することなく電気が利用できます。

蓄電池は、防災時にも役立つというメリットがあるのです。

 

太陽光発電のコストパフォーマンス

太陽光発電は、再生可能エネルギーのひとつです。

これによって、どれだけの収入が期待できるのでしょうか。

 

太陽光発電は高投資で高リターン

 

太陽光発電への初期投資は、小さな額では済みません

経済産業省発表のデータによれば、太陽光発電システムは、全国で平均して5.0kWの設置容量のある、181万円程度のものが使用されているということです。

 

このようなシステムを用いることで、電気代削減額は年間39,110円、売電収入は年間106,467円、年間金銭メリットは145,578円、11年目以降導入メリットは80,937円となるモデルケースが想定されます。

 

つまり、太陽光発電システムを181万円一括現金払いで購入したならば、年間収益は145,578円となり、利回りは最初の10年は8.02%、11年目以降は4.46%、20年間の平均を見てみると5.36%となる計算です。

 

また、金利が2.45%で借入期間15年のローンを組んで太陽光発電システムを購入するならば、20年間の利回りは4.62%になります。この利回り5.36%、4.62%というのは、株や不動産などのほかの投資商品と比較しても決して低くはありません

 

たとえば、10%近い利回りを期待できる不動産もありますが、空き家リスクを加味すると、利回りはグッと低下してしまいます。

太陽光発電の利回りはリスクとの兼ね合いを考えても比較的安定していると考えられます

 

太陽光発電を低投資で高リターンにする方法

太陽光発電の投資リスクを抑える方法を考えてみましょう。

 

なるべく日中電気を使用せず売電する

 

太陽光発電といってもさまざまな商品がありますし、使い方にも決まりはありません。

したがって、工夫次第で低投資、高リターンとすることも不可能ではないのです。

 

まず、初期費用はできるだけ低価格におさめましょう。

毎年あたりの減価償却費を抑える効果も期待できます。

 

そうはいっても、ソーラーパネルの品質を落として、エネルギー変換効率の悪いものを選んでしまっては、後々損をすることにもなりかねません。

節約すべきは施工費です。販売会社ではなく、施工会社から直接買うなどの工夫をしてみましょう。

 

また、日中はできるだけ電気を使わずに売電するのもひとつの方法です。

蓄電池を使用して、電気をすべて自給するのは当然として、どこまで節電できるかというのもカギとなることを覚えておいてください。

 

太陽光発電の初期投資はどう推移している?

2012年度、ソーラーパネルの1kWあたりの単価は平均33万円でした。

2015年には、平均28万円となるなど、ここ数年下落傾向が続いている状況です。

 

一般的な家庭では、3kW~5kWの設備を設置することが多いので、ソーラーパネル以外の装置と合わせても、初期費用は約220万円から170万円にまで下がっており、以前よりリーズナブルな価格になっています。

 

続いて、メーカーごとの導入価格の推移を見てみましょう。

 

メーカーごとの導入価格の推移

 

ソーラーパネル市場の特徴のひとつは、「多少高くても構わないので、性能の良いソーラーパネルを買いたい」という人が少なくないことです。

 

そういった時に選ばれるのが、東芝、シャープ、パナソニックです。

これらのプレミアムメーカーのソーラーパネルは、1kWあたり40万円~50万円した時代もありましたが、最近では、底値31万円で落ち着いています。

 

これらのプレミアムメーカーに次いで人気が高いのが、三菱電機とソーラーフロンティアです。

三菱電機は、ほぼ市場全体の価格と同じ水準で推移してきました。

 

一方のソーラーフロンティアは、市場よりもおよそ1.5万円低い単価で推移してきましたが、2015年5月に東北に新工場ができたこともあり、平均を3万円近く下回る価格も実現することができるようになっています。

 

蓄電池の価格推移

 

蓄電池の中でも、太陽光発電と併用されることが多いのはリチウムイオン電池です

リチウムイオン電池の販売数個(千個)、1単位(セル)あたりの価格、変化率は以下の通りです。

 

  • 2003年 780,921個  391.37円
  • 2004年  828,332個 354,63円 -9.36%
  • 2005年  926,502個 312,09円 -12.00%
  • 2006年  1,072,501個 283,70円 -9.10%
  • 2007年  1,137,100個 293,22円 3.36%
  • 2008年  1,256,111個 310,82円 6.00%
  • 2009年  1,082,974個 259,36円 -16.56%
  • 2010年  1,317,624個 224,48円 -13.45%
  • 2011年  1,218,342個 205,67円 -8.38%
  • 2012年  970,268個 327,19円 59.08%
  • 2013年  844,622個 330,76円  1.09%

 

2012年以降は、東日本大震災の影響などもあって急騰した時期もありますが、基本的に年々下落していることがわかります。

 

また、2015年までは、太陽光発電を導入することで補助金交付の対象となったリチウムイオン蓄電池もありました

どのメーカーの商品が対象となったのかは、補助金交付の主体だった一般社団法人環境共創イニシアチブのサイトに表示されています。

 

売電単価が年々安くなっている?

ここからは、年々下がっている売電単価の推移について見てみましょう。

 

売電単価の推移

 

日本で、太陽光発電の余剰電力買取制度がスタートしたのは2009年のことでした。

それまでは、個別の太陽光発電所から電力会社が自主的に買取を行っていたのです。

この時の単価は、わずか約24円でした。

 

ところが、2009年以降に住宅用、2012年以降には、産業用も売買制度が制定されたことで高額買取されることになったのです。

たとえば、2009年には、住宅用を今後10年間は48円で、2012年には産業用を今後10年間は40円で買取を行うこととなりました。

これによって家庭用太陽光発電、メガソーラー、ともに急速に普及することとなったのです。

 

ここ最近の売電単価は微減傾向にあります。

住宅用を見てみると、10年間補償で2012年42円、2013年38円、2014年37円、2015年33円(出力制限あり)35円(出力制限なし)、2016年31円(出力制限あり)33円(出力制限なし)、2017年28円(出力制限あり)30円(出力制限なし)という推移でした。

 

一方の産業用は、20年間補償で2012年40円、2013年36円、2014年32円、2015年29円、2016年24円、2017年21円と、こちらも年々減額しています。

 

このように売電単価こそ減少していますが、初期費用も年度ごとに下がっているため、トータルの収益には、ほとんど変わりがないといえます。

また、エネルギー変換効率の良いソーラーパネルが安い値段で入手できるようになってきていることから、よりたくさんの余剰電力を生み出すことも不可能ではありません。

 

蓄電池の併用をするなどの工夫を取り入れることで、売電単価が安くなった分をリカバーしてみてはいかがでしょうか。

 

今後のコストパフォーマンスはどうなる?

現在のところ太陽光発電は、原子力発電や火力発電と比較して、コストパフォーマンスが優れているというわけではありません。

しかし、近年のソーラーパネルの急激な価格下落傾向が続けば、2020年には1MWあたりの発電コストは20ドル未満になるという調査があります。

 

調査をまとめた、ハーバード大学応用物理学教授デビッド・キース氏によれば、現在での1MWあたりの発電単価は原子力発電が95ドル、石炭火力発電が95ドル、ガス火力発電が73ドル、水力発電が48ドルです。

 

これに対して、ソーラーパネルも太陽の方向を追尾するトラッカー技術などが導入された、より安価な商品が登場することにより、1MWあたり20ドル未満となるのも可能と予想しています。

 

東日本大震災の福島第一原発の事故をきっかけとして、世界的に原子力発電の危険性を見直そうという機運が高まっています。

原子力推進派からは、「太陽光発電はコスト面で原子力に太刀打ちすることはできない」という批判が根強いのも事実です。

確かに、原子力にくらべると設備利用率は低いかもしれません。

 

しかし、すでに太陽光発電のコストパフォーマンスは、原子力発電や火力発電に迫るところまで来ています。

世界の発電の主力は、太陽光発電となる未来は、もうすぐそこなのかもしれません。

 

できるだけ早く太陽光発電を

太陽光発電は、ソーラーパネルはもちろんのこと、蓄電池もどんどんコストパフォーマンスが良くなっています。

 

売電価格が年々安くなってきているなど、太陽光発電にとっては不利と思えるようなニュースもありますが、決してそのようなことはありません。

 

ただ、今後も売電価格が安くなるならば、できるだけ早く太陽光発電をスタートしたほうが良いかもしれません。

自分のいつも使っている電力会社の電気代がkWhあたりどのくらいなのか、設備導入費用はどのくらいなのか、しっかり検討すると、そこからあなたに適したソーラーパネル、パワーコンディショナーが見えてくるはずです。

太陽光発電は、固定資産税(償却資産税)がかかる場合もあります。

 

太陽光発電のコストを正しく理解して、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ
・太陽光発電システムに蓄電池は必須ではないがあったほうが良い
・太陽光発電は高投資で高リターンである
・太陽光発電の初期投資は数年下落傾向が続いている

 

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