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【維持費と廃棄の費用は?】太陽光発電に必要なメンテナンスと寿命

太陽光発電

将来的に収益が見込める、太陽光発電システム。

初期費用は割高ですが、売電で収入が得られるのは魅力です。
また、自家発電によって、電気代を節約できるメリットもあります。

しかし、いざ太陽光発電を始めようかと考える時に気になるのは、メンテナンス費用ではないでしょうか。
故障に対してはメーカー保証がききますから、保証期間中であれば気にする必要はありませんが、定期的な点検などにはいくら費やせば良いのでしょうか

ここでは、太陽電池モジュールのメンテナンスに必要な費用と寿命などについて考えます。

 

太陽光発電の維持と廃棄について

太陽光発電を導入したあと、きちんと運用をしていくには定期的なメンテナンスが不可欠です。

安定した発電量を得るためにも、維持費のことは頭に入れておきましょう。

また、寿命が来てしまった太陽光発電機器の廃棄についても知っておく必要があります。

 

 維持に必要なこと

太陽光発電の導入を検討しているなら、長期的な運用を見越した維持費について考えなくてはなりません。
基本的に太陽光発電機器には耐久性があり、ほとんど放置しておいても問題ないといわれています。

ただし、普段から発電量のモニタリングをしておくことは大切です。

日ごろからモニタリングをしておけば、万が一故障した場合には、いち早く発見できます。
また、異常を早めに発見し、大掛かりな修理が必要になる前に対処することが可能です。

さらに、ソーラーパネルを良い状態に保つためには、定期的な掃除も重要になってきます。
大抵の場合は、ほこりなどで汚れても、雨や風で自然ときれいになり、問題なく使えるものです。

しかし、立地条件や地域によっては、そういうわけにはいかないかもしれません。
特別ほこりが多いこともあるでしょうし、野鳥が多いためにフンで汚れやすいということもあるでしょう。

ソーラーパネルに汚れが積もってしまうと、発電量にも影響を与えてしまいます
汚れのせいで発電効率が落ちてしまったら、基も子もありません。

こういったことがないよう、定期的にソーラーパネルの状態を点検し、汚れてしまっていないかチェックが必要なのです。

 

 廃棄するケース

10年、20年お世話になった太陽光発電も、劣化に伴って破棄を検討する時期がきます。
太陽光発電モジュールの取り外し、処分には、それぞれ費用がかかります

劣化による撤去以外にも、家の屋根のリフォームでソーラーパネルを一旦取り外さなければならないケース、または、引っ越しに伴って取り外しを行い、新居に再び取り付けることになるケースもあるでしょう。

実際、取り外しの工事にも費用が必要になります。

太陽光発電は、ランニングコストがほとんどかからないといわれているため、撤去費用が発生することを忘れがちです。

しかし、撤去にも費用がかかることを知っていれば、計画を立てておくことができます。

 

 メンテナンスにかかる費用

太陽光発電システムを効率良く運用するには、定期的なメンテナンスが必要です。
実際に、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。

 

 定期点検費用

太陽光発電システムは、1~4年に一度の頻度で定期点検を行うことが推奨されています。

定期点検は販売施工会社が行います。
販売施工会社によっては、定期点検を無料で行っているところもありますが、一般的には1~2万円程度かかります。

定期メンテナンスで点検するのは、モジュール、パワコン、接続箱、昇圧ユニットが正常に機能しているかどうか。
それに加えて、太陽電池と機器間の絶縁抵抗測定太陽電池と電力系統の電圧測定などがあります。

定期メンテナンスを実施するのは、メーカー認定の技術者もしくは販売施工会社のJPEA認定PV施工技術者です。

太陽光発電システムの定期メンテナンスにより、パワーコンディショナーや売電メーターの不良を発見したり、接続不良を発見して改善したりすることが可能です。

太陽光発電システムの寿命は、20年が目安とされており、年数を経るにしたがって性能は低下していきます。

しかし、定期メンテナンスによって、性能をできる限り良い状態に保ち、売電収入をできるだけ維持することができるのです。

少し面倒でも、太陽光発電システムを最良の状態に保つため、定期メンテナンスを行うようにしましょう。
離れた場所に太陽光システムを設置する場合は、遠隔監視システムがあると重宝します。

 

 パワコンの交換費用

パワーコンディショナー(通称:パワコン)は、太陽光発電システムの要です。
太陽エネルギーから得た直流を、機器に使用できる交流へと替える、非常に大切な部分といえます。

パワコンが故障した場合、壊れ方によっては修理も可能です。
基盤交換のみであれば、数万円で済ませることができます。

しかし、万が一新品のものに変える必要がある場合、一台当たり20~30万円かかることを想定しておきましょう。

ただし、パワコンは少なくとも10年の保証が付いていることがほとんどです。
メーカーによっては、20年の保証が付いていることもありますから、その期間内の故障であれば、修理も交換も無料ですから心配ありません。

費用が発生するのは、保証期限が切れてからとなります。

パワコンが故障するのはまれなことですが、万が一のためにも保証はできるだけ長期間付いているメーカーを選びたいものです。

 

 年間にかかる費用

太陽光発電システムの導入で、具体的に必要となる費用を考えてみましょう。

内訳 費用のかかるタイミング 目安費用
定期点検費用 4年に一度 目安は2万円
パワーコンディショナーの交換費用 保証期間以降に壊れた場合 目安は20万円
ソーラーパネル補修費用 保証期間を過ぎて壊れた場合 数万円
パワーコンディショナーの稼働にかかる電気代 毎月 500円ほど

 

上記が主な費用です。

その中で毎年必ずかかる費用は、パワコンの電気代ということになります。
パワコンは稼働するときに電気を必要とします。
つまり、ソーラーパネルに太陽光が当たっている間は電流を消費します。

 

では、パワコンは稼働するのにどれくらいの電気を必要とするのでしょうか。

パワコン稼働時に必要とされる電気代を計算してみます。

家庭用の太陽光発電システムの場合、パワコンが稼働するのに必要な電気は約50Wです。
待機電力は0.5W程度ですから、パワコンが1日12時間稼働したとしてお金に換算すると、1ヶ月で必要とされる電気代は500円ほどになります。

太陽光発電システムが稼働している間は、パワコンが必要とする電気は発電システムによって賄われています。
そう考えると、あまり気にする必要はないといえます。

 

太陽光発電の廃棄にかかる費用

長年使ってきた太陽光パネルも、いつかは劣化によって廃棄するときが来るでしょう。

その際にかかる費用についてご紹介します。

 

 パネルを屋根から降ろす費用

太陽光発電システムの破棄のためには、ソーラーパネルを屋根から降ろさなければなりません
また、引っ越しや屋根の張り替え、メンテナンスなどが理由で、パネルを屋根から降ろさなければならないケースもあります。

ソーラーパネルを屋根から降ろすのにかかる費用は、導入時にパネルを設置した時にかかった設置費用と同等の額です。

屋根のような高い場所で作業をする時には、家の周りに足場を組む必要がありますから、足場費用が必要になり、結果として、設置時と同じ程度の金額が必要になるのです。

目安は20万円です。

ソーラーパネルの取り外しは、決して小さな額とはいえませんから、あらかじめ理解しておきましょう。

 

 撤去以降の処分費用

太陽光発電システムを破棄するにあたり、ケースによっては、リサイクルで回収してもらえることもあります。
認められた場合は、処分費用が掛かりません

しかし、大抵の場合は、取り外す費用とは別に処分費用がかかります

ソーラーパネル処分費用の目安は、ソーラーパネルが1枚18kg以下のもので、1枚につき1200円で回収再資源化サービスを利用することができます。
ソーラーパネルを10枚破棄するなら、必要な費用は12,000円、20枚破棄するなら24,000円という計算になります。

20kg以上はソーラーフロンティア(SF170-S:20kg)くらいですから、ほとんどの場合は18kg以下として処分できると考えて良いでしょう。

 

 具体的にかかる費用

前項で太陽光発電システムを撤去する場合の費用についてお話しましたが、具体的にはどれくらいかかるのでしょうか。

必要となる費用は

  • ソーラーパネルを屋根から下ろす費用 ⇒ 約20万円
  • 処分費用 ⇒ 24,000円

このように仮定すると、合計で224,000円です。

運搬費用が加算された場合を考え、処分費用はすべて合わせて25万円程度だと予測できます。

まとめてお願いできる業者に、まずは一括見積もりを出してもらうのも手です。

 

今後考えられる費用の変化

今後、太陽光発電システムは、普及の一途をたどることが予測されます。
ソーラーパネルのメーカーも競争が激しいため、価格がさらに安くなっていくと予測することもできます。

ただし、ひと昔前と比較すると、かなりリーズナブルになっているため、今後、現在の導入費用の半分ほどまでに安くなるのかは疑問です。

買取単価とのバランスを考えると、今が設置のタイミングとも考えられます。

 

太陽光発電を導入するなら維持と処分のことも考えよう

太陽光発電にかかるお金は、設置のための初期費用だけだと勘違いしないようにしましょう。
維持費、処分費のことを考慮すると、決して安いとは言えない金額にはなるものです。

減価償却費が必要かどうかも、固定資産税はかかるのか、チェックすることも大事です。

しかし、売電で収入が得られることや、自家発電で電気代が浮くことを考えると、一概に太陽光発電が高いとは言えません。
加えて年々普及が進むことで、ソーラーパネルの価格はさらにリーズナブルになっていくことが予想されます。

設置を考えているなら、初期費用以外の出費を鑑みても、前向きに検討しても良いと言えます。

 

まとめ
  • 太陽光発電を長く使うためには、定期的なメンテナンスが大切
  • 発電による利益だけでなく維持費用、処分費用なども計算に入れる
  • 太陽光発電システムの定期点検は4年に一度、費用目安はおよそ2万円
  • 太陽光発電システムを撤去する際にかかる費用は25万円程度
  • 太陽光発電システムを効率よく活用すれば、処分に必要となる費用まで賄うことができる

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