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【ゆれる米国経済】関連ファンドはエネルギー革命をどう捉えるか

太陽光発電

人々の生活や産業には多くのエネルギーが活用されており、エネルギーの主役は年代やエネルギーの進化によって移行しています。
そのことを「エネルギー革命」と呼びますが、米国では新たなエネルギー革命が注目されているのです。

そのエネルギー革命とはどんなもので、米国経済や関連ファンドでは、どのような影響があるのでしょうか。

 

エネルギー革命とは?

現代の生活になくてはならない石油や原子力などのエネルギーですが、その変遷はどのようなものだったのでしょう。

まずは、その起源から詳しく見ていきましょう。

 第一次エネルギー革命「火」

人類にとって、最初のエネルギー革命となったものは「」です。

およそ50万年前に存在した原人類は知能も未発達の状態でしたが、人力や太陽、風といったエネルギーで生活していました。
そこに、火をエネルギーとして生活に活用しはじめ、他の生物とは異なる暮らしを手に入れることができたのです。

60万年前の第2期氷期を迎えると、他の動物たちと比較して知能が発達した原人類があらわれ、器用に手先を使って石器を使用しはじめ、石器文化も発展しました。

旧石器時代の中期頃、人々は火を活用しはじめたといわれています。
もともと火は、原始林を焼火して生活を脅かす存在だったようですから、その威力を十分に理解していたと考えられます。

発火する光景に慣れはじめた頃、人類は、火の保存作る方法を考えはじめます。
考古学では、中国の北京原人が人類で初めて火を使えるようになった「旧人類」だとされています。

知能がますます発展していくと、石を予熱させて使ったり、加熱調理で殺菌を死滅させて安全に食事をとったり、照明代わりや暖房の役割など、エネルギーの使い方も多様化していったのです。

 第二次エネルギー革命「蒸気と化石エネルギー」

第二次エネルギー革命は、18世紀後半に起こります。
人類は蒸気化石エネルギーを使うようになりました。

それまで火のエネルギーを使うためには、植物や乾燥させた家畜の糞、森林で得られる薪が必要でしたが、エネルギーの多様性とともに、欧州をはじめ、各地で自然環境が悪化する出来事が起きていたのです。

16世紀には、全国で森林のエネルギー不足に陥り、欧州よりも森林が少ない英国は植林を始めましたが、成果にはあらわれませんでした。

その後、欧州大陸も森林枯渇の事態となり、米国も19世紀後半に同じ事態になっています。
日本も同様に、17世紀にエネルギーの主体は新炭であったため、森林が激減したことで伐採制限がかけられました。

その状況下で、新たなエネルギーとして注目されたのが化石エネルギーです。
化石燃料となる石炭の存在は古くから知られていましたが、火力の強さと独特なにおいが扱いづらく、木炭の方が好まれていました。
しかし、ガスや石油に比べて身近な物であることから、英国を皮切りとして石炭を使用した化石エネルギーが普及しはじめます。

1540年代の英国で、初期産業革命が起こったのもちょうどこの頃です。

18世紀後半には、石炭と水を使用した蒸気エネルギーが登場したことで、文明を新たなステージへと展開します。

再生できる自然エネルギーから、人工的で有限な化石エネルギーを使用する第二次エネルギー革命へと進化を遂げました。

 第三次エネルギー革命「石油や電気の組み合わせ」

1859年になると、米国では、石油採掘の技術が生まれ、石油が新たなエネルギー源として登場し、中東地域などでも油田が発見されたことで、石炭から石油へ移行されました。
さらに電気の登場で、第三次エネルギー革命が起き、現在のエネルギーの基盤となっています。

19世紀後半の英国では、蒸気自動車旧型の電気自動車が登場し、世界の陸路では、さまざまな交通手段が活用されていました。

1886年を迎えると、内燃機関が発明され、石油を使用したガソリン自動車が大量生産されて主流の交通手段となりました。

その影響で、原油を見つけた米国では、石油が過剰生産となり、生産が減ったことで価格も高騰し、石油資源枯渇の危機も訪れました。

日本でも、第二次世界大戦の戦略物資として石油などが優先され、家庭エネルギーとして不足し、石油を確保するために太平洋戦争がはじまるという時代を経ています。
石油が有限であることから生まれた負の連鎖といえるでしょう。

現在では、太陽光発電や風力発電、さらには廃油などを使って作るエマルジョン燃料などを利用して電気をつくることが可能となり、深刻な石油の資源不足から石油に頼らない製品が登場する工夫がなされています。

 

米国の新型天然ガス「シェールガス」革命

アメリカでは、新エネルギーである「シェールガス」が非常に注目を集めています。

ここでは、そのシェールガスがどのようなものであるかを紐解いていきましょう。

 「シェールガス」とは?

シェールガスのシェールとは、頁岩と呼ばれる薄くて非常にはがれやすい性質を持つ、岩石に閉じ込められたチタンガスです。
これまで、地下2000メートルより下に存在するシュールガスを取り出すことは不可能でしたが、採掘技術が進歩したことで搾取が可能となりました。
現在、出回っている天然ガスよりも、環境への影響が低いことで注目を浴びています。

搾取の方法は、「水圧破砕」と呼ばれており、地層を水平に掘り、頁岩に化学物質を混ぜた水を高圧で流します。
そうして、層に亀裂をつくり、出てくるガスを搾取する方法です。

ただし、この水圧破砕には、懸念の声も上がっています。
化学物質が加わった水を使用するため、その化学物質が人体へ悪影響を及ぼす危険性があるのです。

また、採掘に使用した排水を正しく処理しなければ、環境にも悪影響が出るのです。
ニューヨークでは、このような理由で採掘が停止されています。

環境に配慮した採掘技術が進めば、シェールガスが新しいエネルギー革命を起こす可能性は十分高いといえます。

 他のエネルギーとの違い

シェールガスは、ガスエネルギーの一種です。

ただ、通常のガスエネルギーは化石燃料のガスで、山や岩などの地層から搾取されています。
一方、シュールガスの成分は、メタンと呼ばれる一酸化炭素を持たない物質を中心に生成されたガスで、頁岩の中にガスが溜まってしまう性質があります。
このチタンは、メタンハイドレートと呼ばれる天然ガスにも含まれています。

メタンハイドレートは、永久凍土と呼ばれる凍った地層や海底に存在し、シュールガスとは異なり、見た目は氷のように見えます。
着火すると、通常のガスのように燃え、その後は水だけ残る不思議なエネルギー資源です。

また、現在は石油資源の不足などが原因で、太陽光発電や風力発電などクリーンエネルギーの活用が増えていますが、太陽光発電は日光、風力発電では風の力を必要とします。
資源が消費しないという大きなメリットもありますが、これらのエネルギーは、天候に影響されるため、発電量が不安定であるという側面もあり、エネルギー源の主軸となるには難しい状況といえます。

シェールガスは、安定供給の可能性も秘めているエネルギーですから、新エネルギーの中でも期待値が非常に高いのです。

ただし、自然環境や人体への影響を考え、リスクマネジメントなどを徹底した上で展開していくことが求められます。

 約4割がアメリカに

かつて、石油利権を持っていた米国の国土の4割に、シェールガスが眠っているといわれています。
今まで中東からの石油を頼りにしていた米国ですが、水圧破砕によるシュールガスの生産技術を開発したことで輸入産業に力を入れはじめました。

米国では、私有地の地下資源の所有権は、「その土地の所有者」に帰属します。
そのため、シェールガスの生産を米国で行えば、土地の所有者が生産物の一定割合を取得することが可能です。

また、過去の石油や天然ガスの開発で法制度も整っているため、シェールガス資源においても、米国ではスムーズに開発が進んだという背景があります。

 

「シェールガス」が関連ファンドに与える影響

ドイツでは、風力発電所を設けるにあたって、投資家を募り、地域の銀行でファンドを組成して資金を集めたという歴史があります。

同様に、新エネルギーであるシェールガスについても、関連ファンドが存在していますが、具体的にどのような影響があるのでしょうか。

 エネルギー革命関連ファンドにおける基礎知識

投資ファンドの特徴は、投資信託説明書(交付目論見書)や目論見書補完書面、商品基本資料で確認することが可能で、シェールガスについても同様です。
投資信託口座を作成するにあたり、必ず目を通しておくべきものだといえます。

また、日々算出されている投資信託の一口当たりの純資産価値のことを基準価額といいます。
基準価額は、投資信託に組み入れられている株式や公社債等をすべて時価評価し、配当金などの収入を加えて資産総額を算出した後、信託報酬などの必要な費用を差し引いて、その日の受益権口数で割った受益権一口当たりの資産価値を指します。

エネルギー革命関連ファンドは、実質組入外貨建資産について、為替ヘッジを行なう「為替ヘッジあり為替ヘッジを行なわない「為替ヘッジなしから構成されています。

 エネルギー革命関連ファンド(為替ヘッジあり)

為替ヘッジあり」とは、為替変動の影響を小さく抑えるために設定されたものです。
つまり、為替変動の影響を少なくし、投資対象の値動きのリスクで運用する人、あまりリスクをとりたくない人向けといえます。

米国でシェールガスが普及し、中東から原油の輸入がなくなれば、国防関連予算を削減することができ、それによって経済強化が期待できます。
それは、同時にドル高円安の要因にも繋がるということです。

外国の株式や債券などは、基本的にその国の通貨でしか買うことができないため、投資信託を日本円で購入したとしても、実際の運用はその国の通貨で行われていることになります。

 エネルギー革命関連ファンド(為替ヘッジなし)

為替ヘッジなしでは、為替変動の影響を受けやすい反面、ハイリターンが期待できます。

前項で触れたように投資信託の運用は、その国の通貨で行われますから、ドル高円安であれば、大きな利益に期待が持てるため、米国でシェールガスが普及すれば高い利益を得ることが可能です。
リスクも大きいですが、その分の見返りを期待したい人、もしくはドル高円安に進むと考えている人は「為替ヘッジなし」を選択すべきだといえます。

しかし、そのリスクには十分注意しなければなりません。

2016年上半期は、原油の需給バランスが徐々に落ち着き、今後は、比較的見通しの明るいとされている市場ではありますが、ガス田や油田の開発、生産、エネルギーの卸売、小売での価格などさまざまな影響による為替変動に目を見張る必要があります。

為替ヘッジありは、為替変動リスクに強いがゆえに、ドル高になった際に大きなリターンは期待できません。
逆にエネルギー価格が円高となった場合には、基準価額(純資産総額)が優位に働くといえます。

また、為替ヘッジありを選択する場合は、お互いの国の金利差である「ヘッジコストを踏まえておくと良いでしょう。

 

「シェールガス」革命で増配への期待

米国の共同投資事業形態の一種であるMLPは、エネルギー関連事業が大半を占めており、主要投資の対象となっています。
このMLPでは、多くの収益を投資家に分配するため、配当利回りが相対的に高いといえます。

シェールガス革命により、エネルギー関連事業が強化されていけば、さらなる増配の効果も期待できます。
1株あたりの配当も、年々増加していくと予想されているのです。

米国で注目されているシェールガスは、世界のエネルギー事情を変えていくかもしれません。

この事業が成功すれば、米国経済やエネルギー革命関連ファンドにも影響を与え、確実に私たちの生活にも変化があらわれることでしょう。

 

まとめ
  • エネルギー革命は旧石器時代の火から始まり、蒸気と化石エネルギー、石油と電気エネルギー へと移行していった。
  • 頁岩にたまったチタンガスのシェールガスが新エネルギーとして注目されている。
  • シュールガスは米国土に4割もあり、生産も盛んになると期待されている。
  • シュールガスの復旧により、世界のエネルギー事情の変化、関連ファンドの利益にもドル高円 安の影響が高まると考えられる。
  • 米国の共同投資事業形態の一種であるMLPでは、多くの収益を投資家に分配するため、配当利回りが高い。

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