東北6県と新潟県全域の企業や一般家庭に向けて、電気の点検・保安業務を行っている一般財団法人【東北電気保安協会】。
ユニークなCMで全国的にも知名度の高い関西電気保安協会と違い、その存在をあまり知らない人は多いのではないでしょうか。
ここでは、一般財団法人【東北電気保安協会】について紹介します。
【東北電気保安協会】とは
1966年に設立された一般財団法人【東北電気保安協会】は、東北6県と新潟県に支部をもつ団体です。
本部は宮城県仙台市。
各県に各支部と事業本部(青森事業本部、岩手事業本部、秋田事業本部、山形事業本部、福島事業本部、新潟事業本部)が設置され、各事業本部下に複数の事業所があります。
職員数は1,500人ほど。
そのほとんどが電気主任技術者(第1~3種)、電気工事士(第1、2種)、エネルギー管理士、消防設備士、消防設備点検資格者、自家用発電設備専門技術者といった資格のいずれかを有しています。
主なサービスとしては「調査業務」「広報業務」「保安業務」。
これらに付帯するサービスとして関連する「保安コンサルティング業務」を提供している団体です。
それでは、一般財団法人【東北電気保安協会】のおもな業務について、それぞれどのようなことを行っているのか紹介していきます。
調査業務
同協会の調査員が企業(お店)や一般家庭を訪問し、建物内の電気配線について安全確認などの調査を行います。
広報業務
電気の安全について、東北6県および新潟県の一般家庭や設備管理者を対象に啓発・周知を行う業務です。
電気の上手な使い方の相談にも応じています。
保安業務
保安業務が同協会のメインとなる業務サービスです。
おもに3つの軸となる業務があります。
- 「保安管理業務」
(検査員がビルや工場などを訪問して電気設備の点検などを行うエネルギー監視サービス)
- 「試験業務」
(経験豊富な検査員が最新の測定・試験器を使って電気設備の試験・検査などを行う)
- 「技術開発と研修」
(電気保安に関する技術の開発および研修施設での職員教育、技術力向上のカリキュラムを遂行)
保安コンサルティング業務
電気の使い方や安全予防など、顧客の要望を聞いて相談に応えるサービス業務です。
最近では、「デマンド監視サービス」という使用電力が設定した目標電力に近づくと、警報を発して顧客に知らせる機能をもつシステムの設置を勧める業務も行っています。
これには「IIJ高圧スマートメーターBルート活用サービス」というシステムが活用され、低コストで導入可能で、クラウドによる管理も可能となっています。
ちなみに「Bルートサービス」とは、スマートメーターで計測したデータを顧客の宅内にあるHEMS機器へ送信するサービスのことです。
このHEMS機器によって、30分ごとの電気使用量や現在使っている電流値などを把握でき、より効果的に省エネを行えます。
以上のように、かなり専門性の高い電気の保安業務を行っているのが、一般財団法人東北電気保安協会です。
一般財団法人【東北電気保安協会】の採用情報は?
一般財団法人【東北電気保安協会】は、就職や中途入社するために、どのような資格が必要となるのでしょうか。
採用情報や給与の条件について解説します。
新卒採用
一般財団法人【東北電気保安協会】では、新卒の電気技術者を募集しています。
募集区分としては以下の通りです。
- 大学
- 工業高等専門学校(専攻科含む)
- 専修学校および能力開発校
いずれも、電気工学科など(電気主任技術者の認定校に限る)を卒業見込みの方への募集となっています。
応募資格は、第3種電気主任技術者試験の科目合格者と同程度の学力を有する方です。
■ 基本給
- 大学卒および工業高等専門学校の専攻科卒の場合、月給204,200円(技術資格手当8,000円含む)
- 工業高等専門学校の本科卒および専修学校、能力開発校卒の場合、月給189,500円(技術資格手当8,000円含む)
このほか、扶養手当(有扶養者)や技術資格手当(電験有資格者)、時間外手当がつきます。
また年2回の賞与があり、平成29年度実績は4.8ヶ月でした。
経験者採用
また2018年5月現在、電気主任技術者の経験者採用も行っています。
募集する職種は自家用電気工作物の保安業務を行うスタッフで、20~40代の方なら応募可能です。
応募資格としては、第3種以上の電気主任技術者免状を保有しており、自家用電気工作物の工事および維持または運用に関する実務の経歴証明書が提出できる方となっています。
なお、この実務経歴は保有する電気主任技術者の種類によって、必要とされる経験年数が異なるので、注意してください。
- 第3種:4年以上
- 第2種:3年以上
- 第1種:2年以上
給与・賞与等は年齢や実務経験の年数により決定。
求人募集は、公式HPに掲載されています。
興味をも持たれた方は、連絡してみてください。
なお、一般財団法人【東北電気保安協会】の求人募集は、はハローワーク求人情報に掲載されることもあるようです。
気になる方は、こまめに求人検索することをおすすめします。
【東北電気保安協会】の口コミ・評価は?
一般財団法人【東北電気保安協会】への就職に興味が出てきた方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、実際にどのような団体なのかは、働いている(いた)人でなければわからないこともあります。
先輩たちの「生の声」に耳を傾け、応募の参考にしてみてはいかがでしょうか。
それでは、一般財団法人【東北電気保安協会】の口コミ・評価について紹介します
。
- 20代後半男性(現職)
「調査業務と事務職は残業や休日出勤がほとんどなく、車やバイクなど趣味に時間を使うことができる。保安業務は設備の停電が高圧需要家の都合の良い時間に合わされるため、早朝や深夜、休日等の出勤や急な事故などの呼び出しでプライベートの予定が潰れることもしばしばある。配属先によって忙しさがかなり異なる」
- 20代前半男性(現職)
「事業規模が大きく、電気主任技術者の需要もあり、非常に安定している。職務上、景気に左右されることがないため、法律で電気主任技術者制度が定められている限り、同協会がなくなることはありえない。ただし、新規事業に関して費用の捻出は顧客の点検費用だけでまかなうことが難しい。そのため、顧客にサービス業務を提案し、年間1人あたり最低200万円を売り上げるように指示されている。儲けを出すのが難しい業務だけに、これは非常に厳しい」
- 30代前半男性(現職)
「地方の一般財団法人にしては給料が良く、福利厚生が手厚い。技術面は同業他社より優れている。あらゆる企業に点検業務サービスを提供しているので、コミュニケーション能力が自然と身につき、人脈形成も可能。ただ業務量が多く、有給休暇の取得は難しい。正職員のほとんどが高校卒なので、一般常識に欠ける人が多く、昇進するほど保身に走る傾向があり、精神的に疲弊して離職する人が増えている」
- 10代後半男性(退職)
「成長性を期待するような団体ではないが、職員は電気主任技術者としての実務を積むことができ、スキルアップが可能。この業界ではトップの団体なので、先輩に優秀な専門家の職員も多く、知識や技術を身につけることができる。資格取得のためのサポートも手厚く、特に第3種電気主任技術者や電気工事士の資格取得を目指すなら、この団体に就職することをおすすめする。ただ、職員の負担が非常に大きいため、心身ともに疲弊している人は少なくない」
安定した収入が得られる強みが魅力!
以上、一般財団法人【東北電気保安協会】の業務サービスや採用状況、口コミの評価などを紹介しました。
技術職員が多く、スキルアップをめざすなら非常に魅力的な団体ではないでしょうか。
また、東北6県および新潟県という地方の団体にしては給料が高めに設定されており、安定した収入を得ることができる強みもあります。
当記事を参考に、一般財団法人【東北電気保安協会】への就職を検討してみてはいかがでしょうか。