個人年金と終身保険、どちらも将来に備えた保険ですが、2つにはどのような違いがあるのでしょうか。
それぞれの保険の特徴を知ることで、自分にピッタリの保険が見つかるはずです。
今回は生命保険会社から登場している個人年金と終身保険の2つの保険商品を比較し、支払方法や受け取り方法、それぞれのメリットやデメリットを紹介します。
さらに、将来高い利回りで利益を得た場合におすすめの投資である太陽光発電についてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
個人年金と終身保険
将来のことを考えたとき、個人年金と終身保険のどちらを選ぶべきか…と考える人もいると思います。
まずは、それぞれがどのような保険なのかを見てみましょう。
個人年金とは
個人年金とは、所定の年齢から年金を受け取ることのできる保険です。
受け取りの年齢は契約時に決定します。
死亡したときよりも、生きている間に必要となるお金に関しての保険なので、生存保険と呼ばれることもあります。
個人年金保険の支払いは、受け取り開始時まで支払うもの、受け取り開始時より数年前に支払いを終えるもの、ボーナスなどが入ったときに、まとまった金額を一括で支払う方法などさまざまです。
支払方法も、毎月の分割、数回の分割、一括があり、まとめて支払ったほうがトータルの払込保険料が安くなります。
現在の日本は高齢化が進んでいるため、今後国から支給される年金額は減額になる可能性があると思われます。
個人年金保険は、将来国から支給される年金額を補うために加入したり、国からの年金が支給される年齢まで、つなぎの収入として利用するために加入したりする場合が多いですが、住宅資金や学費に充てるために加入する場合もあります。
終身保険とは
終身保険とは、その名の通り被保険者が亡くなるまで保証が継続する保険のことです。
解約さえしなければ死亡保障が一生継続し、家族の誰かが保険金を受け取ることができます。終身タイプの死亡保険です。
終身保険は保険料が掛け捨てではなく貯蓄されていくため、無駄のない保険であるといえるでしょう。
終身保険と似て非なるものに、養老保険があります。こちらにも死亡保障は付いていますが、契約に期限があることがポイントです。
たとえば60歳を満期として、期間が終了すれば死亡保障とほとんど同額の給付金が受け取れます。
そのため、終身保険は家族に対して残すものなのに対し、こちらは将来の貯蓄として加入することがほとんどです。
それぞれのメリット・デメリット
保険料額や保険料払込期間など、個人年金と終身保険にはメリット・デメリットがあります。それぞれの違いを見てみましょう。
【個人年金保険のメリット】
・貯金が苦手な人でも貯めやすい
毎月の給料から決まった金額を貯金しようと決めても、ついつい引き出して使ってしまうという方でも貯めやすいのが、個人年金保険。
毎月保険料として強制的に引き落とされるので、貯蓄に対して意志が弱い人でも貯められます。
個人年金保険は途中で解約することも可能ですが、その場合これまで支払ってきた保険料のトータルよりも低い金額の受け取りとなるケースがほとんどです。
損をするくらいなら、「そのまま貯蓄しておこう」という気持ちになることでしょう。
・税金の控除を受けることができる
個人年金保険料は、税金の控除を受けることが可能です。
年間の収入から保険料に支払った金額の一部を差し引くことができます。
・持病があっても入れる可能性のある保険
健康保険の場合、過去に大きな病気や手術をしていると、加入が難しい場合がありますが、個人年金保険は健康保険に比べて、持病や病歴などがあっても加入しやすい保険です。
【個人年金保険のデメリット】
個人年金保険の受取年齢を迎える前に解約する場合、タイミングや状況によってはこれまで支払った保険料よりも少ない額しか受け取ることができない可能性があります。毎月の支払いがつらくなるような高額な保険料の設定は避けましょう。
【終身保険のメリット】
・いつかは必ず保険金がもらえる
終身保険は支払い満期を迎えても保証が継続するため、満期後に解約しても死亡した際にも保険金が支払われます。掛け捨てではない、貯蓄型の保険です。
・保険料が一定
終身保険の保険料は、契約時から満期まで一定です。金額の変動がないので、将来のお金にまつわる計画も立てやすいはずです。
・解約返戻金がある
満期まで支払いを続け、満期以降に解約して保険料を受け取る場合、支払ってきた保険料払込総額よりも多い金額を受け取ることが可能です。
これを解約返戻金といいます。一般的に、満期から年数が経てば経つほど金額が増える場合が多いです。
【終身保険のデメリット】
・保険料が高額
終身保険は掛け捨てではない貯蓄型で、なおかつ保証が一生続くので、健康保険などに比べて払込保険料が高額です。大きな金額を用意したいのであれば、終身保険以外の保険も組み合わせるのが良いでしょう。
・満期以前に解約すると損をする
解約返礼金の説明にあったように、満期以降は支払額より多い金額を受け取ることが可能ですが、満期前に解約してしまうと、支払額よりも少ない金額になります。
途中で解約する必要のないよう、マネープランをしっかり立てて加入しましょう。
具体的な違いはどこ?
生命保険全般にいえるのは、難しい言葉が多いことです。
わかりづらいのですが、具体的な違いはどのような点にあるのでしょうか。
まず保険と保障の違いについて説明します。
保険と保障の違い
【保険】
保険とは、万が一の状態に備えて、事前に最小の費用を支払っておき、有事があった際にはその費用の全額をまかなってもらうことです。
健康保険の場合、毎月保険料を支払い、事故や病気で入院や手術にかかる大きな金額を、保険会社に負担してもらいます。
【保障】
保障とは読んで字のごとく、差し障ることに対して適応されるものです。
一家の大黒柱が急に亡くなり、家庭の収入元がなくなってしまった場合、保険金でその差し障りを補います。
個人年金と終身保険で考える場合、死亡という差し障りに対して、個人年金はこれまで支払った保険料が返金される程度なので、決して手厚いとはいえません。
終身保険の場合、満期後であれば支払額よりも多い金額を受け取ることが可能です。
急な病気や事故の場合を除けば、終身保険のほうが手厚い内容だといえるでしょう。
返戻率が異なる
個人年金と終身保険を比較すると、終身保険の方が返戻率は高い場合が多いです。
終身保険に適した人とは?
終身保険を選ぶべきなのはどのような人なのでしょうか。
おすすめなのは、保険料の負担や相続税対策を検討している人です。
高額な保険料が負担にならない人
終身保険の保険料は、他の保険に比べて高額であるのが特徴です。
満期を迎える前に解約すると損をするため、高額な保険料が負担にならず、途中で解約する可能性がない人にはおすすめです。
相続税対策を考えている人
終身保険で支払った保険料は、支払った金額に応じて一定金額を年間の所得から控除することができます。
また、終身保険を満期後に受け取った場合、解約返戻金は「一時所得」として扱われるため、税金がかかりにくい仕組みになっています。
個人年金のタイプはどれがいい?
将来への不安から個人年金を積み立てる人は増えています。
では、どのようなタイプを選べばよいのでしょうか。
人気の変額型
変額型の個人年金とは、将来保険料を受け取る際の予定利率が決まっておらず、変動するものです。
運用がうまくいけば大きな利益を得ることができますが、場合によっては損をする場合もあります。
安定の定額型
定額型は契約時に予定利率が決定しており、将来受け取る金額が決まっています。
安心を求めるならば定額型がおすすめです。
為替の影響を受ける外貨建て
文字通り外貨で運用される個人年金です。米ドル建てや豪ドル建てなどがあります。
利益は為替によって変化するため、利益が増える場合もあれば、年金額が減額してしまう可能性もあります。
また、受け取る際に為替コストがかかります。
【番外編】高い利回りなら太陽光発電投資も視野に
保険料で希望の利回りが望めなった場合、資金を増やす方法として太陽光発電での投資がおすすめです。
初期費用はかかりますが、太陽の光で電気を起こし、それを電力会社に売電することで、コストの回収が可能になります。
さらに、発電した電力は家庭で使用することもできるため、月々の電気代の節約にもつながります。
再生可能エネルギーが注目される今、クリーンでエコな太陽光発電での投資は、大きく注目を集めています。
太陽光発電の実質利回りは8%を超える?
太陽光発電は導入の初期費用が高額になりがちですが、現在は太陽光パネルの低価格化が進んでいるため、導入費用も年々安くなってきています。
さらに地方自治体からの補助金を利用すれば、さらに費用は低くなります。
太陽光パネルは日光を受けるだけで発電し、可動部分がないので摩耗もせず、メンテナンスも大掛かりなものはありません。
設置後のコストも抑えられるので、長い目で見れば利回りが8%を上回ることはそう難しくはないでしょう。
年金の選び方は将来図に合わせて
貯蓄型保険である個人年金、終身年金のどちらかを選ぶのであれば、将来のどのような事態に備えるかで決定することができます。
それぞれの特徴を理解し、損をせず、なるべく利益が出るような条件での加入を心がけましょう。
また、保険で得た利益で太陽光発電に投資することも、資産を増やすためにぜひ検討してみましょう。
・終身保険は保障が一生涯続き、満期後は総支払額より多い金額を受け取ることが可能
・個人年金は貯蓄が苦手な人でも貯めやすくおすすめだが、途中解約は損をする
・終身保険は返戻金が魅力だが、月々の保険料が高額で、満期以前に解約すると損をする
・保険料で得た利益は、投資として太陽光発電にまわし、さらに資金を増やすことも可能