太陽光発電は、電気代節約や、売電システムを利用する目的で、日本のみならず世界的に注目されています。
太陽光発電には欠かせないパネル。
製造メーカーは、多種多様に及びます。
日本の有名家電メーカーはもちろんのこと、カナダやドイツ、アメリカの企業が販売するパネルも人気ですし、中国メーカーは世界的な躍進を遂げています。
しかし、気になるのはそのスペックと価格でしょう。
ここではそんな太陽光パネルの価格を比較し、導入の際のコツや選び方の基準について解説します。
太陽光パネルとは
太陽光パネルやソーラーパネルと呼ばれる物は、「太陽電池を板状に設置した物」のことを指します。
太陽光パネルは小さな太陽電池をつなぎ合わせて作られています。
この一番小さなものを「セル」と呼ぶのですが、このセルを複数個つなげアルミの枠に入れるなどして保護したものを「モジュール(太陽電池モジュール)」と呼び、これが一般的に太陽光パネルと呼ばれるものになります。
パネルあたりの発電量は、太陽電池自体の性能と、実際のパネルの大きさに左右されることになります。
一軒家には何枚必要?
太陽光パネルの枚数は、どの程度の発電量を目指してシステムを作るかや、性能の良いパネルを設置するかなどによりますし、最終的には「屋根の大きさ」という物理的限界があるので、設置環境によって異なります。
そう言った前提の上での話ですが、標準的な家庭の発電量は「3〰5kw」程度であり、その程度の発電量があれば、売電収入で元がといわれています。
その発電量を維持しようと思うと、性能が良いもので15枚から20枚程度、ものによっては25枚から30枚以上のパネルを設置する必要が出てきます。
そのうえ、屋根の形状からくる設置角度の問題や、地域によって異なる日照時間も考慮する必要があるので、実際の枚数はもっと変動してきます。
ですから、一番確実なのは実際に見積もりを依頼してみることです。
また、最近ではメーカーサイトなどが日照時間などのデータから発電量や売電価格(kW単価)を割り出すシミレーションを提供しているので、そういったサービスを利用するのも一つの手です。
太陽光パネルを選ぶ基準とは
太陽光発電はパネルのみではなく、バッテリーやチャージコントローラーとの関係も考える必要もあります。
ですから、実際には信頼できる業者に見積もりを依頼したうえで決めていくのが良い、ということになります。
しかし、太陽光パネルを自身で選ぶ状況になっている方もいるでしょう。
その選び方の基準は2つあります。
一つの選び方の目安として太陽パネルを選ぶ基準は「価格」。
そして「発電効率」の2つが基本になります。
一般的に出力の目安として使われるのが「モジュールあたりの変換効率」です。
これは前述のモジュール一枚当たりで、どれだけ効率よく発電することができるかを表したもの。
この数字が高ければ高いほど、狭い範囲で効率よく発電を行うことができるので売電収入も増えることになります。
ただし変換効率が良い高性能なパネルは、それだけ価格が高くなります。
ですから、屋根がそれなりに大きい家の方や効率が落ちても問題ないという方であれば、変換効率が低くても、安価なものを選ぶという選択肢もあります。
他に考える点としては、モジュールがどのような素材でできているか(値段や耐久性などに影響があります)メーカーの保証期間、また見た目やパネルの形などの要素があります。
※主に素材は次の3つです。シリコン系・化合物系・有機物系
性能が良ければ価格が高く、逆に安ければ不満点もそれなりにあるといった具合で、自分の経済状況と設置場所に合わせて、しっかりと見積もりをすることが大切であるといえます。
見積もりの見方
見積もりの書式は会社によって異なりますが、基本的に以下の三つで構成されます。
■ 部品代
太陽子パネルやそれを設置する架台、電力系やケーブル、設置する場合バッテリーなど必要な部品にかかる費用です。
同じ部品を使うのであれば基本的にはどの会社も提示される価格は同じになります。
■ 工事費
工事の際に必要な人件費や運搬費、設置する際の足場代金や電気工事費用など諸々の工事費です。
どの程度の費用が必要になるかは、会社や設置期間などによって異なってきます。
■ 諸経費
国や電力会社へ申請する際の書類製作費用や上記二つに当てはまらない費用などです。
太陽光発電の見積もりは、最初から値引き額を提示するのではなく、上の三つを提示したうえで最後に「値引き額」としてまとめて値引くことが多いようです。
これは、お得感の演出や他社との比較をしにくくするなど理由は色々なのですが、部品代の割引など含めて、半額近くの値引きを提示される例もあるようです。
見積もりは太陽光発電について、無知に付け込み他社よりも高い価格を提示する会社があれば、手抜き工事に近い方法で安価な価格を提示する会社の被害も報告されています。
ですから値段を見ることも大切ですが、それだけではなくその企業に実績があり信頼できるかという事を確認することも重要です。
【メーカー別】太陽光パネルの価格を紹介
太陽光パネルは、年々進化しているので、定期的に新商品の販売が行われますし、どのメーカーでも数種類のパネルを取り扱っています。
ですから、購入を考える際は最新の情報を常に確認することが大切です。
ここでは、現在(2017年6月)取り扱っている製品の一つを例に、価格とそのメーカーの特徴について解説していきます。
■シャープ NQ-256AF 変換効率19,6% 希望小売価格146,400円+税
シャープは1959年から太陽電池の開発を行う老舗で、住宅用はもとより産業用などでも広いシェアを誇っています。
製品の特長としてサイズや形が異なるモジュールを複数用意してどのような屋根でも無駄なくカバーできるという事があげられます。
■パナソニック VBHN250WJ01 変換効率 19.5% 価格 173,000円+税
パナソニックの太陽光パネルは「HIT」と呼ばれるものが中心となっています。
一般的な太陽光パネルは温度があまりにも高くなりすぎると発電量が下がるのですが、HITは温度の上昇に強いのである程度の耐性をもち夏でも高い発電量を維持することができます。
また太陽電池モジュールの保証が25年と業界トップクラスの長さとなっています。
■日立 HSS-M230CB 変換効率17,0% 価格140,000円+税
住宅用太陽光発電として最後発組の日立では自社でパネルの製造を行わず海外メーカーに委託する(OEM生産)方式をとっています。
ですからむしろプッシュしているのは自社製のパワーコンディショナーや設置の際の信頼性などのほうです。
■京セラ KJ260P-MPTCG 平均17.8% 税抜価格176,800円+税
1993年に参入して以降品質と耐久性の向上に努めており住宅での長期実用実績国内NO1を2017年現在誇っています。
耐久性の高さを自慢するだけあって、国内には20年以上京セラのパネルを利用している施設が複数ありますし世界で初めて長期連続試験に合格するなどその実力の高さは折り紙付きです。
■東芝 SPR-X21-345 変換効率21.2% 価格 258,800円+税
太陽光発電メーカーとしては比較的後発の東芝は、アメリカのサンパワー社と提携してパネルを提供しています。
特徴はその高い変換率で価格は高めですが21%は国内最高峰の変換効率をとなっています。
また他社に対抗して効率は落ちますが安価なパネルも提供しています。
太陽光パネルだけを見ても自社で完全製造する京セラのような例や、外国でセルを作り国内でモジュールとして組み立てる企業、海外メーカーの製品を売る企業と様々です。
ですからそれぞれの特長をしっかりと理解したうえで選ぶようにしましょう。
太陽光発電導入で失敗しない鉄則
太陽光発電で失敗しないために一番重要なコト、それは事前の見積もりと計画です。
太陽光発電や売電の仕組みの流れを理解することはもちろんの、工事費や経費も含めしっかりと吟味して導入に踏み切りましょう。
ただ安ければ良い業者というものでもありませんが、高ければ信頼できるという分けでもないので、施工業者が信頼できるかどうかも確認しましょう!
パネルは見積もりやスペックもさまざまある!
ソーラーパネルと一口に言っても、製造企業やメーカーによって変電効率や価格、保証といったものが全く違います。
また、それを設置する業者によっても設置費用は異なります。
太陽光発電を導入する際は、しっかりと計画を立て、複数業者からの見積もりを取り、後悔しない太陽光発電の導入を目指しましょう。
補助金制度があるかないかも、自治体にしっかり確認を取って、損がないような導入をご検討ください。
- 太陽光パネルとは太陽電池をつなげてパネル化したもの
- 規模にもよるが一軒家に15〰30枚近く設置するのが一般的
- 選ぶ基準として変換効率と価格が受容しされることが多い
- メーカによってパネルとの特徴は異なる
- 事前の計画と見積もりは大切。複数の業者から見積もりを