これから太陽光発電事業の取り組みを検討している方は、各メーカーの特徴や価格を比較しておく必要があります。
特に事業用太陽光発電システムを導入する際は、多くの産業用太陽光パネルを比較するのが難しい、できるだけ初期費用を安くして効率よく運用したいといった課題に悩む方も多くいらっしゃいます。
ここでは、そんな方のために産業用太陽光発電に関するポイントを紹介します。国内シェアの高いメーカーの特徴から価格までを把握して、理想的な導入を実現させましょう。
産業用太陽光発電システムに見られる特徴
産業用太陽光発電システムは、規模の大きさからソーラーパネルの価格が低くなりやすくいという特徴があります。
大量の太陽光パネルをより安く
産業用太陽光発電システムは、ソーラーパネルを設置する枚数が多くなるため、家庭用と比べて1kW当たりの単価が安いという特徴があります。
1kW当たりの価格とは、設置工事費、ソーラーパネル代金、取り付け設備費用などをすべて足し、合計金額で割ったものです。
この金額は、ソーラーパネルの枚数が多くなれば、1システム当たりの単価が安くなります。
住宅用太陽光発電システムでは、1kW当たり35万円程度必要です。
事業用となれば、最低でも10kW以上の設置が必要となるため、1kW当たりの単価は20~30万円でも設置が可能となります。
多結晶パネルが人気
ソーラーパネルは、シリコン系、化合物系、有機物系の3つに分けられます。
このなかでもシリコン系が世界でも主流で、国内でもシェアが高いタイプです。
シリコン系には、結晶シリコンソーラーパネルが多く用いられ、さらに単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンに分類できます。
単結晶シリコンは住宅用ソーラーパネルに向いており、多結晶シリコンは価格が安いため事業用として人気が高いタイプです。
多結晶シリコンは、単結晶シリコンと比べ発電効率は落ちます。
最近の商品は発電効率を高めたものも売られており、価格の安さから大規模な太陽光発電システムに人気です。
遊休地や工場などを用いて設置する場合は、多結晶シリコンをおすすめします。
産業用太陽光発電の人気メーカー5社の価格一覧
産業用太陽光発電の価格相場は、1kW当たり20万円~30万円です。
20万円台のところもありますが、安いものは発電効率が低い商品もあるため、目安となる相場は1kW当たり30万円程度を目安としましょう。
- シャープ
住宅用1kW当たりの単価は:32.3万円~37.3万円 - 京セラ
住宅用1kW当たりの単価:34.4万円~39.8万円 - パナソニック
住宅用1kW当たりの単価:3.48万円~37.4万円 - ソーラーフロンティア
住宅用1kW当たりの単価:30.05万円~32.6万円 - 三菱
住宅用1kW当たりの単価:31.6万円~36.7万円
産業用は住宅用よりも設置枚数が多くなるため、この単価から数万円安く見積もっておきましょう。
また、各社の太陽電池モジュールを比べる際には、太陽光パネルの性能を表すモジュール変換効率と、車の燃費にあたる公称最大出力も必ずチェックするようにしましょう。
産業用太陽光発電の人気メーカー5社の特徴
産業用太陽光発電システムの導入で、人気のメーカー5社の特徴を紹介します。
京セラは長さの異なるパネルを組み合わせてスペースを有効活用
京セラは、産業用太陽光発電システム、累計設置要領ナンバー1のメーカーです。
メガソーラーから、中小規模の太陽光発電への実績もあります。
その規模は、分散型、営農型、カーポート、駐車場、マンションやアパート、学校施設などが挙げられます。
太陽光発電システムは、原料となるシリコン粒子鋳造からの一貫生産で、あらゆるニーズに対応する提案が可能な会社です。
カナディアンソーラーは世界トップクラスの販売実績と耐久性
カナディアンソーラーは、世界90か国以上の実績を誇る太陽光発電システムメーカーです。
2001年にカナダで設立され、高い技術力と品質、低価格の販売価格により、日本の各施設でも採用実績があります。
太陽電池モジュール出力保証、システム10年保証、事故災害補償制度など長期にわたって太陽光発電システムを使うサポート体制が魅力です。
ソーラーフロンティアは影ができても安定した発電能力
ソーラーフロンティアのCIS太陽電池を使用している太陽光発電モジュールは、すべて国内工場で生産しています。
あらゆる気象条件でも耐えうるモジュール作りを目指しており、耐久テストを繰り返し、長期使用を可能とした商品です。
モジュール出力は20年保証となっており、10年以内に10%以上の出力低下、または20年間の間に20%以上低下した場合の保証が付いています。
熱にも、影にも強い性能を持っているのが特徴です。
三菱太陽光発電業界で最高峰の交換効率
三菱は、太陽電池モジュールからパワーコンディショナーまで一貫した生産をしているメーカーです。
太陽光発電モジュールは、塩害から守る3層構造を採用し、雨にも埃にも強い防汚フレームや、2mの積雪にも耐えるプロテクションバーなど、耐久性が高い商品となっています。
無鉛はんだ化により、廃棄された際の環境汚染にまで配慮した商品です。
オフィスビル、壁面、高層設置に対応するモジュールとなっています。
パナソニック発電と蓄電の連系システムが光る
パナソニックは、小規模から大規模まで対応し、セル累計10億枚を突破しました。
選ばれている理由は、わずかなスペースでも大容量の発電効率があるからです。
暑い日でもしっかり発電でき、日本の夏でも効率の良い発電ができます。
モジュール出力25年保証、パワーコンディショナー10年保証など、長期間の使用にも対応することが可能です。
国際的な数々の賞を受けており、世界各国でも採用されています。
産業用太陽光発電の設備で注意すべき点
産業用太陽光発電システムの導入では、注意しなければならない点があります。
架台・パワコンを自由に選べるもメーカー出力保証の対象外
産業用太陽光発電システムで発電した電力は、買取期間が20年間です。
そのため、架台やパワコンを自由に選べる業者で設置する場合は、各メーカーの保証期間を確認する必要があります。
20年間売電を続け安定した収益を上げるためには、最低でもソーラーパネルの保証は20年間が必要です。
また、20年保証といっても実績が浅いメーカーでは、どのような性能が保たれているのか情報が乏しいといえます。
最低でも20年以上の太陽光発電システムの実績を持ち合わせていれば、20年以上経過したソーラーパネルがあると判断できるでしょう。
システム保証は、太陽電池モジュール、パワコン、架台、ケーブル等の機器がすべて含まれています。架台とパワコンを自由に選べる業者では、ソーラーパネル保証と合わせてシステム保証も付いているかを確認しましょう。
販売施工会社ごとメーカーの組み合わせ提案が異なる
産業用太陽光発電システムは、販売施工会社ごとに、使用するメーカーの組み合わせが異なる場合があります。
また、どのような環境で産業用太陽光発電を始めるのかによっても、どのくらいの発電が得られるかが変わってきます。
実際に損するか得するかは、シミュレーションをしてみないと分からないため、業者ごとに見積もりを取る必要があります。
複数の販売施工会社に必ず依頼を
産業用太陽光発電事業で失敗しないためには、複数の販売施工会社に見積もりを取ることが重要です。
複数の見積もりが可能なサイトは、住宅用ではすでに一般的になっています。
しかし、産業用見積もりサイトの数は少なく、あったとしても提携販売施工会社が少ないので、しっかりと一社ごとに見積もりを取りましょう。
過去の実績・導入事例などの詳細をヒアリングして決める
各社で見積もりを出してもらう場合は、見積もり内容まで比較しましょう。
単に1kW当たりの単価が安いだけで選ぶのではなく、産業用太陽光発電システムに必要なものがそろっているか、しっかり確認することをおすすめします。
業者のなかには太陽光発電システムの設置のみで、防犯フェンスや雑草対策などのサービスが付けられていないことがあります。
また、信頼して任せられる業者選びをするには、過去の実績や導入事例も見せてもらいましょう。
現場の写真や、発電シミュレーションも出してもらうと安心です。
太陽光発電を事業とするなら、どれだけ発電できて収益を上げられるかが重要となってくるため、詳細を確認する必要があります。発電シミュレーションは、メーカーが出した数字をもとにしているか確認し、根拠のある数値であるかも調べましょう。
メーカーや業者の比較をして太陽光発電を選ぶ
産業用太陽光発電を導入するなら、各メーカーのパネル情報の比較をしながら、適切なシステムを選ぶようにしましょう。
施工するのは各メーカーではなく施工業者となるため、工事を請け負う業者の質や価格なども比較する必要があります。
産業用太陽光発電は、架台やパワコンが自由に選べるため、メーカーの保証が受けられるかも必ず確認しましょう。
- 産業用太陽光発電は単価が安くなりやすい
- 各メーカーの価格や特徴を把握しておこう
- 架台やパワコンを自由に選ぶ場合の保証内容に注意が必要
- 施工業者の見積価格や信頼できる業者かも見極めよう