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【発電機いらず!】簡単にソーラーシステム・防音ボックスの自作方法

太陽光発電

2012年、再生可能エネルギーの固定価格買取制度が開始されました。

 

そのなかでも太陽光発電は急速に普及し、太陽光システムの市場は競争が激化したため、低価格化が進んでいます。

 

それに伴い、固定価格の買取価格も下落。

新規参入業者数も減少しています。

 

そこで近年注目を集めているのが、「エネルギーの自給自足」

つまり売電しない、自家消費型の太陽光システムです。

自家消費型の太陽光システムは、工場といった大規模システムから携帯電話用のソーラーバッテリーまで、さまざまな規模で普及しています。

 

ここでは、自宅でも簡単にソーラーシステムを作る方法を紹介します。

電気は「買う」だけではなく、「作る」時代へと変化がはじまっているのです。

太陽光発電の相場価格は175万円する

太陽光発電を自宅の屋根に設置するという方法は、有効に太陽光エネルギーを利用する手段として広く普及しています。

 

さまざまなタイプの太陽光パネルが販売されており、インターネットでは商品詳細ページやクチコミ投稿数を見て、性能と価格を比較してシステムを選定することができます。

ただ、広告や掲載写真は多数で、自分にピッタリの太陽光発電を見つけるは簡単ではありません。

 

全国平均出力は約5kWで、相場価格は約175万円となっています。

しかし、屋根の面積や角度、形状などによって設置できる太陽光パネルの面積や設置が変わってくるため、一概に言及することはできません。

 

コストが意外とかかるので、購入を先送りにしている人も多いでしょう。

自作のソーラーシステムなら低コスト?

太陽光パネルは海外製を含め、価格が下がっているとともに、セカンダリー市場(すでに完成された発電所の売買のこと)が急速に拡大していきました。

 

太陽光発電の市場拡大で電気自動車も普及し、蓄電池(バッテリー)の開発も進んでいます。

そして、蓄電性能が向上し、容量あたりの価格は下がってきているのが現状です。

 

太陽光発電は、昔とは比べられないほど身近な存在になりました。

そして、安くなった材料で自作のソーラーシステムを構築することも可能になったのです。

小型なら1万円で作れる

小型のソーラーシステムであれば、約1万円で作ることが可能です。(バッテリーを除く)

太陽光パネルで発電した電流を、チャージコントローラーという機械でコントロールしながらバッテリーに蓄電し、それをインバーターという機械を経由して出力します。

 

使用する部品(約1万円)】

  • インバーター
  • 5W ソーラーパネル
  • 三連シガーソケット
  • チャージコントローラー
  • 端子台
  • 10Aヒューズ
  • ワニ口クリップ
  • 配線コード
  • シガーソケットタイプデジタル電圧計

この材料に、バイクや自動車用などのバッテリーを組み合わせて作ります。

使用しているインバーターは、電圧が一定以上になると、自動的に遮断する安全構造です。

バッテリーを痛めることはほとんどなく、毎日バッテリーの電気を使い切ることができて長期的な使用が可能です。

 

また、小電力で稼働する携帯電話の充電、照明器具に利用できるため、災害時の補助電力としての利用も期待できます。

100wも4万円で作れる

屋根や駐車場の上などにソーラーパネルを設置できる場合は、もっと大きなタイプのソーラーシステムを作ることも可能です。

100wのソーラーシステムでも4万円程度で作ることができます。

 

システムの基本的な構造は前述の小型ソーラーシステムと同様です。

太陽光パネルで発電した電力を、チャージコントローラーでバッテリー式(蓄電)とインバーター式(供給)に振り分けて使用します。

 

また100wにもなるとソーラーパネルも大型になり、外形寸法は1210×540×35(mm)、重量は8.2kgと大きくなります。

そのため、パネルを屋根等に固定する架台や器具も必要です。

 

使用する部品(約4万円)】

  • ソーラーパネル
  • ソーラーパネル用架台
  • ソーラーパネル固定用ワイヤー
  • チャージコントローラー
  • バッテリー
  • インバーター
  • 配線や室内へ引き込む屋外コンセントなど

充電機能を備えた100wのシステムであれば、パソコンならある程度長時間の使用が可能です。

電気代を1日12円節約できたと仮定すると、12円×365日=1年で4380円となり、8年間使い続ければ、元金を回収できる計算となります。

 

バッテリーの使用可能期間が3,4年ということを考慮すると、8年では厳しい計算ですが、太陽光の原価は0円です。

10年以上メンテナンスしつつ使用継続すれば、利用価値は充分にあるでしょう。

 

また、suaokiポータブル電源Sなどのソーラー対応の電源を利用し、簡単にシステムを製作することも可能です。

自作ソーラーシステムのメリット・デメリット

ホームセンターやネットで資材を激安で購入し、自作ソーラーシステムが可能であることがわかりました。

それでは、自作ソーラーシステムにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。

【メリット】

  • 安価

屋根全体に太陽光システムを設置する場合は平均して約175万円の初期投資が必要となります。

しかし、自作ソーラーシステムでは1万円から自作が可能のため、様子をみながら徐々に増設していくこともできます。

  • 防災対策

大規模な災害などが起こった時に、電力会社の系統がダウンしてしまうと電源の供給がなくなることになります。

自作ソーラーシステムがあれば、災害時でも単独の電源として活躍しますので、携帯電話の充電や照明器具など、必要最低限の電源を即確保することが可能となります。

  • ポータブル

小型のソーラーシステムであれば持ち運びが可能となるため、キャンプやイベントといった電力会社の電源供給がない場所へ持って行き、利用することができます。

【デメリット】

  • 売電ができない

売電契約などには「JATA財団法人電気通信端末機器審査協会」の認証を受けた発電システムであることが必要です。

認証審査は大変厳しく、多くの自作ソーラーシステムでは売電に対応していないのが実情です。

  • 使用できる機器が少ない

電力は直流(DC)と交流(AC)の2種類。

直流電力を使用するLED照明やデジタル家電などは、そのまま利用することが可能です。

一般家電の100V交流機器や充電方法ACの充電器を使用する場合、DC/ACインバーターを利用すれば交流電圧100Vへ変換して利用が可能です。

しかし、機器による電力消費や変換ロスで30%ほどの電力ロスが起きてしまいます。

自作ソーラーシステムで得た電力をすべて使うことはできません。

ソーラーシステムを自作する方法

自作ソーラーシステムは、さまざまな目的に合わせ作ることができます。

  • 点灯時間の長い外灯や防犯灯などの照明
  • 農作物の獣害防止の電気柵
  • キャンピングカー
  • パソコンやテレビなどの家電製品

このような物にも利用可能となります。

1万円から自作できるので、最初は小さいソーラーシステムを作って、徐々に大きなソーラーシステムを作るのがおすすめです。

ソーラーシステムを自作の手順

ここでは、ソーラーシステムを自作する方法をご紹介します。

 

まずソーラーシステムを自作する場合は、使用する機器のプラスとマイナスを正しく接続しましょう。

また、太陽光パネルは接続していなくても発電するため、作業が完了するまで太陽光が当たらないようにして発電を避けておきます。

以上のポイントを踏まえて、順番に接続していきます。

 

1.チャージコントローラーとバッテリーを接続する

チャージコントローラーとバッテリーの丸型端子の方をケーブルで接続します。

この際に、ネジはまだ締めないままにしておきます。

正常に接続されると、チャージコントローラーの「BAT」が緑色に点灯するので、必ず確認しましょう

 

2.バッテリーとインバーターを接続する

インバーターの後ろ側にある端子とKIVケーブルの丸型端子側を接続し、チャージコントローラーに接続したKIVケーブルの上に、インバーター側のKIVケーブルを接続してネジを締め、バッテリーとインバーターを接続します。

 

3.ソーラーパネル延長ケーブルを接続する

ソーラーパネルの裏側からでているケーブルと延長ケーブルのコネクタを接続します。

この時、「カチッ」と音がするまでコネクタをしっかりと締めましょう。

 

4.ソーラーパネルとチャージコントローラーの接続する

接続後、一旦ソーラーパネルを太陽に向けて、チャージコントローラーの「SUN」が点灯するかを確認します。

点灯したら、正常に接続されています。

 

5.チャージコントローラーと電圧計を接続する

チャージコントローラーと電圧計を接続して、正常な電圧値を保っているのか確認します。

以上の接続が完了したら、正常な電圧値を保っているか最終チェックをおこないましょう。

防音ボックスを自作する方法

トレーラー泊やアウトドアで使用されていることが多い発電機。

しかし、周囲へのモーター音の配慮はもちろん、飛んできた砂やほこり、雨などの水滴・直射日光から発電機を守らなければなりません。

 

ここでは、ソーラーシステムを守る役目になる「防音ボックス」を自作する方法を解説します。

 

部品はホームセンターで簡単に手に入るもの、軽量かつ持ち運びが容易で、自分以外でも操作・設置が簡単にできます。

(※ここで使用している発電機はホンダ発電機16iで、ボックスの躯体部分はアイリスオーヤマの ワイドストッカーWY-780¥1,980を使用)

防音ボックスを自作の手順

ストッカーに下記の手順で部品を取り付け、作成します。

 

1.吸気ダクトエンドOA(オープンエアー)用の吸気窓をつける

始めに吸気ダクトエンドOA(オープンエアー)用の吸気窓(ホームセンターで購入)を取りつけます。

ホームセンターで購入可能な「丸型フードつきガラリ100Φ」を使用します。

ドリルで穴をあけて取りつけた後、内部に消音用のグラスボードを貼りつけます。

コンセント配線は前に出しておき、後で発電機に繋げるようにしておきます。

これにより、発電機に電力が生じると排気ファンと外部防水コンセントが使用可能となります。

2.操作用の点検口をつける

側面に穴を開け、発電機操作用の丸い点検口を取りつけ、発電機をBOXに入れたまま運転停止ができるようにします。

こちらも、ホームセンターで購入可能な「株キョーワナスタのPC丸型レジスター150Φ」を使用します。

取りつけ後、点検口の周りにシリコンシールを施します。

3.BOXの内部全面に消音シートを貼りつける

BOXの内部全面に消音シート(グラスウール)を貼り付けます。

消音シートはゴムシートや鉛板など、いろいろな種類がありますが、軽量を考えプラント発電機や、機関室の壁面で使用されている特殊な専用グラスを採用します。

グラスウールは、大型の発電機室で使用されており実効果があるうえに、BOXの軽量化にもつながりおすすめです。

4.蓋の内側を加工する

蓋の内側に防音性向上と直射日光からの断熱のため、エポキシ樹脂を吹きつけます。

エポキシ樹脂がが固まった後、さらに厚手のグラスボード板を張り消音と断熱の二重構造にします。

厚みのあるグラスウールを使用したグラスボード板を使用します。

こちらもホームセンターで購入可能です。

また、必要に応じて蓋の外側に持ち運び用の取手などを設置すると良いでしょう。

 

5.BOX内に消音ユニットを設置する

消音ユニットは発電機形状に合わせ、別に作成します。

グラスシートを二重にし防音効果が増すように作ります。

別ユニットをセパレートにすることでメンテナンスがしやすく、排気等で汚れてもユニットのみを取り外し交換することが可能です。

発電機との接触部分はシリコンシールを施し、排気漏れを防ぎます。

シリコンシールはなくても問題ない場合が多いですが、漏れが心配な場合はシリコンシールを貼りましょう。

 

6.排気サイレンサーフェンダーを設置する

内部に防音シートを貼りつけた排気サイレンサーフェンダーを設置します。

発電機の排気菅は、発電機本体の側面から出るため、防音室の壁面に一度排気を当て消音します。

その後、排気を一旦中で経由させ、外のサイレンサーのファンで吸引させます。

このサイレンサーフェンダーにより、消音効果が増大します。

内部の発電機排気が直接ぶつかる部分には、耐熱板( 耐熱アルミテープなど)を貼り付けます。

 

7.排気排気サイレンサーフェンダーを設置する

内部に防音シートを貼りつけたサイレンサーフェンダーを設置します。

ここには「高須産業ウェザーカバー20cm AV-20W」を使用します。

排気は、発電機が無負荷の場合は自然排気でも構いませんが、発電機に負荷をかけたロード状態では回転数も上がり、排気量や温度も上がる為、強制的に熱風を排気できる能力のファンが必要になります。

排気フェンダー内に、耐熱ファン(95度耐100V用)を4個配置し、配線をおこないます。

設置はアクリル板の両面に アルミ板を貼り付けた板を採用します。

この板もホームセンターで購入可能です。

このアクリル板は放熱に大きな効果が期待できます。

 

8.排気ファンを設置する

排気ファンは、発電機運転時に自動的に回る回路です。

ファンは「山洋電気 109S091」を利用します。

排気ファンを取り付けることで、発電機から出る排気を強制的に排出し、サイレンサー部から除々に伝わる発電機への加熱を抑制します。

また、ファンを使用し排気することで、サクションダクトから外部吸気を生み、この吸気で発電機本体の空冷効果も期待が可能です。

このファンは1個よりも4個設置することで、安定した排気が長時間継続します。

 

発電機消音BOXに入れることにより、防音効果はもちろん、風雨のなかでも発電機の地絡防止に効果があり安全性も確保されます。

天気が悪く太陽光発電ができなかった場合も使用する発電機を併用し、長時間使用することが可能です。

【番外編】風力発電について

同じ再生可能エネルギーでも、風力発電の場合は、エアーギャップ方式などの発電機が必要です。

発電機は、コイルを通る磁束を変化させ、発生する起電力を利用して動作します。

電流に相当する磁束を大きくするには、磁石を強くして電圧を高くし、透磁率の高い素材を使って磁気抵抗を小さくします。

 

また、風力発電は軸の回転数に従って電圧が変わるため、発電電圧が低いときのVF損失を考慮して、整流回路は全波整流回路が多く用いられます。

太陽光発電は、このような発電機を必要しないため、比較的簡単に自作することが可能です。

まずは自作のソーラーシステムで太陽光発電

太陽光は石油も原子力も必要としない、再生可能エネルギーの1つです。

エコのため、太陽光を有効活用することを「次世代のライフスタイル」として取り入れる方が増えています。

 

資材メーカーもDIYユーザーの増加に伴い、意見や質問をフィードバックし、DIYに適した商品を多く提供するようになってきました。

自分で材料を揃え、自作するとおのずと太陽光発電の仕組み自体が理解できます。

 

太陽の光をどのように変換して家庭で使用できる電力に変えていくのか、実感することができるでしょう。

まずは、小規模のソーラーシステムを自作し、その原理を理解した上で規模を拡張していくのがおすすめです。

まとめ
  • 太陽光発電の相場価格は175万円
  • 小型自作ソーラーシステムは1万円から作ることができる
  • 自作ソーラーシステムにはメリット・デメリットがある
  • ソーラーシステムは身近な材料で自作することができる
  • 雨の日は発電機で電力供給を補うため、消音ボックス(自作も可能)が活躍する

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