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メガソーラーの将来性は?ビジネスモデル構築を急ぐ事業者のリスク

太陽光発電

太陽光発電投資は自宅の屋根に、空き地に、太陽光発電用ガレージなどもあり、様々な場所に取り入れることができます。

その中で、メガソーラーに注目する人は少なくありません。

経済産業省の発表したエネルギーミックスでも、太陽光発電は7.0%の割合を占めています。

環境問題や原子力発電事故の影響から年々注目度が増しているメガソーラーですが、そもそもどのようなものなのでしょうか。

メリット、デメリットとあわせて、メガソーラーを解説します。

 

メガソーラーとは?

メガソーラーとは1MW以上の出力を持つ太陽光発電システム(設備)のことです。
10kW未満は家庭用太陽光発電、10kW以上は産業用太陽光発電のカテゴリーになります。

1MWは1000kW。
産業用のなかでも特に大規模なものがメガソーラーです。

民間企業や地方自治体が主導して、建物屋根、遊休地、堤防などに設置されています。

EUも2030年までに、エネルギー効率化目標を30%にする、エネルギー効率化政策を発表したり、2017年2月にも岡山太陽光発電所が商用運転を開始したりなど、その勢いはとどまることを知りません。

 

 いつ頃からはじまったの?

メガソーラーは1990年代にはすでに存在していましたが、1993年当時は1kWあたり370万円の導入費用がかかりました。
単純計算で1MWのメガソーラーを導入するとなれば、370万円の1000倍です。
再生可能エネルギー発電への関心は高まっていましたが、採算を取るのは難しい状態で、参入を見合わせる企業がほとんどでした。

ところが、年々低価格化するとともに、2012年に全量固定買取制度が改正され、メガソーラーが一気に注目されるようになります。

これ以降、太陽光発電以外のジャンルの企業や投資家がこぞってメガソーラー事業に乗り出すようになり、太陽光発電ビジネスが本格的に始動しました。

全量固定買取制度とは、売電価格を一定価格に保証するというものです。
毎年改定されていますが、2013年4月1日~2014年3月31日までは37.8円/kWhという固定価格で20年間全量を買い取ることを保証するという内容になっていました。

この価格は世界的に見ても高レベルで、早くに太陽光ビジネスに参入した企業には大きな投資メリットがあったといえるでしょう。

ここ数年の買い取り価格は下落傾向にあり、かつてのように太陽光ビジネスにうまみはないという人もいます。

しかし、ソーラーパネルなどの価格はどんどん下降しているので、数年前よりもはるかに少ない初期投資で参入でき、回収までにかかる時間もむしろ短縮しているともいわれています。
つまり、これから太陽光ビジネスに参入するとしても、それは決して遅すぎるわけではありません

 

 どれくらい大きい規模なのか?

メガソーラーは1MW規模以上の出力を有する太陽光発電システム(設備)と定義づけられていますが、大きなものではどれぐらいの規模になるのでしょうか?
2017年5月時点でのメガソーラー規模ランキングは以下の通りとなっています。

順位 設備名 出力規模
1位 宇久島メガソーラーパーク 430MW
2位 瀬戸内メガソーラープロジェクト 231MW
3位 ユーラス六ヶ所ソーラーパーク 148MW
4位 ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク 111MW
5位 レオパレス21ルーフメガソーラープロジェクト 100MW
亘理町メガソーラー事業
南相馬市メガソーラー

 

一般的な家庭のソーラーパネルは5kWです。
1位の宇久島メガソーラーパークはその86000倍の電力を生み出せる計算になります。

 

メガソーラービジネスの現状

再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)がはじまり、2017年で5年が経過しました。
この間、太陽光発電ビジネスが成長したのは事実ですが、同時に太陽光発電への変調未稼働案件の増大再エネ賦課金の増大といった諸問題が顕在化したことも事実です。

なかでも問題視されている未稼働案件に関しては、2017年の改正FIT法の施行に伴って、2017年3月31日までに電力会社と契約を締結できない物件は失効扱いとなることが決まりました。

経済産業省の推計では失効容量は28GWにのぼるとのことです。

3月末時点での未稼働物件は約50GWだったので、およそ22GWが急遽契約を締結することに成功したことがわかります。

このことから、太陽光発電は常に22GW程度の新規契約が可能なマーケットポテンシャルがあるのではないかといわれています。
今後も年間4~6GWほどの新規開発が実施されることが予測され、今後ともメガソーラービジネスは成長していくことが見込まれています。

 

メガソーラーのメリット

再生可能エネルギーが注目を浴びる現在、メガソーラーにも大きな期待が寄せられています。
メガソーラーによって得られるメリットを見てみましょう。

 

 広大な遊休地を有効利用

遊休地とは何にも使用されていない土地のことです。
塩害で農作物を作れなくなった海辺の土地、工場跡などは、何も生み出すことがないばかりか、誰かに貸して収益を得ることも期待できない土地といえます。

これまで使用用途がなかったこのような遊休地でもメガソーラーを設置するという活用法が新たに生まれたのです。

 

 事故のリスクが少ない

火力発電、バイオマス発電はいずれも燃料を燃やして発電をしているため、火災の危険があります。
原子力発電が深刻な事故を引き起こしてしまうのは、過去のいくつかの例からも明らかです。
風力発電は台風や落雷、水力発電はダム決壊など、いずれの発電方法も何らかの事故リスクをかかえています

一方、メガソーラーは事故リスクが極めて小さいというのが優れている点です。
燃料を使用しませんし、天災による事故が起きることもほとんどありません。
仮に事故が発生したとしてもソーラーパネルの破損程度で、地域住民の生活を脅かすようなことはないので安心です。

 

 スケールメリットがある

スケールメリットとは規模が大きくなるほど得られる利益のことです。
太陽光発電は大規模になるほど大きな利益を得られるといわれています。

たとえば太陽光電池パネルの設置に必要な1kWあたりの単価を比較しても、50kW未満は35万円~45万円なのに対して、1MW~2MW未満で25万円~30万円、2MW以上で25万円~28万円と割安になるのです。

大量に発電できれば、それだけ莫大な売電収入を期待できます。

 

メガソーラーのデメリット

土地の有効活用、スケールメリットなどさまざまな利点を持つメガソーラーですが、その一方でデメリットとなる点もあります。

 

 発電量が安定しない

太陽光を利用して発電しているため、雨の日や曇りの日が続けば発電量は低下してしまいます。
砂埃や雪が積もることで発電パワーが小さくなってしまうこともあるので注意しなければいけません。

いずれにせよ、原子力発電、火力発電などと比較すると電力供給は非常に不安定といわざるをえません。

しかし、年間を通じて見込み以上の発電量があればメガソーラー事業としては成立するので、発熱量が安定しないことはデメリットではあるものの、ビジネスとしての価値を充分に持ちます

また、一年ごとに電力の買い取り価格は変わるため、低下した際のリスクも考えなければならないでしょう。

 

 雇用を生まない

メンテナンスがほぼ必要ないというのはメガソーラーのメリットです。
しかしそれは、メガソーラーに関わる雇用をほとんど生み出すことができないということにもなります。

原子力発電所、火力発電所などが敷地内に大量のスタッフを必要とするのとは対照的といえるでしょう。
原子力発電所や火力発電所で働く人たちがそのエリアに住んだり、買い物をしたり飲食をすることで地域経済へ貢献することもできます。

さらには国からの補助金によって地域は多少なりとも潤いますが、太陽光発電所にはそのようなエリアへの貢献がないというのもデメリットといえるでしょう。

 

 電力会社間で系統接続拒否や制限も

再生可能エネルギーで発電した電力を売るには、電力会社の送配電ネットワーク、すなわち「系統」に接続しなければいけません。
この系統接続は電力会社に依頼をして複雑な手続きを踏む必要がありますが、場合によっては拒否、制限をされてしまうこともあります。

再生可能エネルギーが急増した結果エネルギー需要量が増え、あまりに多くのメガソーラーを系統に接続することによって、かえって電力の供給が不安定になるおそれが出てきたためです。
系統の容量不足を解消するには設備増強が必要ですが、その費用はメガソーラー事業者が負担することになります。

これを負担できないと売電まで到達できないこともあるので、資本金が潤沢なメガソーラー以外はハンディがあるという一面もあります。

 

自立は可能?その他の電力会社との厳しい競争

現在、全国の自治体でエネルギーの地産地消を目標とするメガソーラーも建設が進んでいます。

しかし、果たしてそのような自立は可能なのでしょうか?

旧来の大手電力会社、新興勢力の新電力などとの激しい競争に勝ち抜くには、安定供給がひとつのカギとなるでしょう。
自治体同士が提携をして、管内の電力が不足した時に融通し合う体制も考案されています。

これからも、ますますメガソーラーからは目が離せません。

 

メガソーラービジネスはよい投資対象

太陽光発電と一口にいっても家庭用とメガソーラーではいろいろな点が異なります。

もちろん、各家庭に太陽光発電が取り入れられるのも良いことですが、再生可能エネルギーをメインストリームに押し上げるにはメガソーラーのような存在も必要でしょう。
エネルギー効率化が重要課題となる現代では、最も注目したい存在ともいえます。

スケールメリットがあるメガソーラーは、太陽光発電のメリットを最も体現した施設です。
デメリットに注意すれば、これからも投資する価値は大いにあるのではないでしょうか。

年ごとに全国各地に新しいメガソーラーが生まれている状況です。
インターネットなどを利用すると、大規模太陽光発電所の設計・施工を行う東和アークスや、太陽光発電を土地付きで販売するクラベ―ルなどの売却仲介業者など、メガソーラーに関する企業は多く見つかります。

期待できそうな投資対象を探してみてはいかがでしょうか。

 

まとめ
  • メガソーラーとは、1MW以上の出力を持つ太陽光発電システム(設備)のこと
  • メガソーラーはマーケットポテンシャルが高く、今後の成長が期待できる
  • 遊休地の活用や安全性、スケールメリットが大きいことから注目されている
  • 発電が不安定なことや売電の手続きが難しい場合があるなどのデメリットもある
  • 投資対象としても、期待できる

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