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【2017年】ソーラーパネル設置|補助金を受けた場合の確定申告

太陽光発電

電力自由化にともない、ますます人気の太陽光発電システム。

太陽光発電が注目をされている理由の一つに、補助金が貰えることがあります。
都道府県と市区町村という2つのルートから取得できるというのも魅力です。

しかし、少額ではないだけに課税対象となるのかどうなのか、心配なところです。
また、実際に太陽光発電による余剰電力収入が発生した場合、所得税はどうなるのでしょうか。

住宅用太陽光発電関連の気になる確定申告なども、あわせてご説明 します。

2017年に太陽光発電を導入したら国から補助金はでる?

これから太陽光発電を導入しようと考えている方にとって、まず気になることは補助金がどの程度出るのかということでしょう。
住んでいる地域によっても異なってくるため、事前の確認は不可欠です。

ここでは、メガソーラー(北海道中川、北海道勇払、北海道紋別、北海道河東などに設置)ではなく、一般的な住宅用太陽光発電関連の補助金を受け取れるルートや、具体的な金額をご紹介します。

自治体からの補助金について

太陽光発電導入によって補助金が出るのは、ご存知の方も少なくないでしょう。
設置場所、設置内容によって金額は異なりますが、決して少額ではありません。
しかも、都道府県と市区町村という2つのルートから貰うことができます。

太陽光発電の普及のために、これまでは国からも補助金が出ていましたが、2014年に終了してしまいました。
また、2箇所から補助金が出ているとはいえ、すべての自治体で行っているわけではない点にも注意しましょう。
そもそも補助金制度を設けていないところもあれば、すでに支給期間が終了しているというケースもあるのです。

また、該当する自治体に補助金制度があったとしても、一定の条件を満たしていなければ補助金は受け取れません。
しかも、その条件は全国一律ではなく各自治体によって異なります。

たとえば、東京都なら都内に住居を所有し、対象となるソーラーパネルを少なくとも法定耐用年数まで管理しなくてはいけません。
北海道上川町でも、2017年度の上川町住宅リフォーム等補助金の一部で、太陽光発電設備の補助を行っています。

こちらも町内に住んでいて住民登録をしている人が対象という条件はありますが、耐用年数についての取り決めはありません。
補助額は設置経費の10分の1以内、5~20万円までです。

補助金をあてにしてソーラーパネルを設置したものの、補助金の対象外となってしまったということのないよう、まずは都道府県、市区町村に保証金の有無、条件内容などをしっかりと確認することをおすすめします。

実際に2016度にソーラーパネルに支給された補助金の一例を見てみましょう。
たとえば、東京都では太陽光発電システムに対して199,000円を上限とした補助金が支給されました。

公称最大出力の合計値、もしくはパワーコンディショナーの定格出力のうち低い方を基準とし、1kWあたり20,000円が支払われたのです。
さらに、ソーラーパネルだけではなく蓄電池も導入した場合には、蓄電池にかかった機器費用の6分の1も支給され、新規参入者にとっても大きな助けとなったことでしょう。
これとは別に、足立区の場合、240,000円を上限として1kWあたり60,000円が支給。
北海道雨竜郡では、補助金が支給されていません。

住宅用太陽光発電の補助金には税金がかかる?

以上のように、太陽光発電の補助金というのは 決して少額ではありません。
たとえ住宅用太陽光発電だったとしても、少なくとも数万円、多い場合には100万円以上になる可能性もあります。

そこで気になるのが太陽光発電の補助金にかかる税金です。
一体どのように算出されるのでしょうか。

一時所得

住宅用太陽光発電補助金は一時所得です。
原則として生命保険金の満期金、解約返戻金などと同じ扱いになります。

一時所得の特別控除と課税対象

住宅用太陽光発電補助金は一時所得なので、特別控除を受けることができます。
最高50万円までの特別控除額が設定されていて、補助金額から50万円をマイナスした金額が一時所得となるのです。

そして、この一時所得の1/2に対して所得税が課税されます。
太陽光発電補助金にかかる税金とは、この所得税の部分なのです。

たとえば、サラリーマンでも給与所得や退職所得以外の所得が20万円を越えるならば、確定申告をしなければいけません。
(補助金-50万円)×1/2が20万円以上ならば、確定申告をする必要があります。

逆算すると、90万円以上の補助金を貰った場合には、確定申告をして所得税を納めるようにしなければいけないのです。
しかし、国による補助金が終了した現在、都道府県と市区町村のみの補助金で90万円を越えるケースは滅多にないといわれています。

所得税法第42条

ここで一つ注意しなければいけないのが所得税法第42条です。
補助金の合計金額が90万円を超過していて、確定申告をしなければいけなかったとしても、所得税法第42条によって課税対象ではなくなることがあります。

所得税法第42条では、固定資産取得のための国庫補助金などは所得として計算されないと規定されています。

太陽光発電システムは所得税法第2条第1項第18号で固定資産とされています。
したがって、太陽光発電システムを取得した年は、所得税法第42条によって所得とはみなされず、課税対象から外されるのです。

住宅用太陽光発電の売電収入には税金がかかる?

太陽光発電システムを取得した年ではなく、毎年運用していくうちに売電収入を得ることができるようになったとしましょう。

 

太陽光発電の売電収入は所得税の課税対象となります。
しかし、売電収入がそのまま課税所得となるわけではありません。
では、どのような方法で計算されるのか見てみましょう。

自宅に設定している場合

住宅用太陽光発電システムによる売電収入は「雑所得」または「事業所得」となります。
売電を事業として行っている、もしくは他の事業の付随事業として行っているならば事業所得です。

たとえば、オフィスの屋根に設置したソーラーパネルによる太陽光発電電力で得た売電収入なら、事業所得となります。

一方、会社員などの給与所得者が自宅に設置したソーラーパネルで売電をして得た収入は雑所得になります。

「売電を事業としていない」「他の事業の付随事業として行っていない」ならば基本的に雑所得となり、総発熱量のどれぐらいを売電しているかは問われません。
たとえば、家庭用蓄電池を設置してダブル発電を行い、自宅での消費分を極力減らし発熱量の半分以上を売電していたとしましょう。
そのように総発熱量に占める売電量が大きかったとしても、それをもって事業所得とされることはないのです。

サラリーマンが給与所得以外に20万円以上の所得がある場合、確定申告が必要になりますが、これは売電収入も然りです。
電収入による所得は売電収入から経費を引いた値になります。
経費とは太陽光発電設備の減価償却費のことです。

一般的に、太陽光発電設備の法定耐用年数は17年とされています。
つまり、ソーラーパネルを設置してから17年間は、売電収入から経費を引いた金額が課税所得となるのです。

仮に、180万円の太陽光発電設備を自宅屋根に設置し、年間発熱量5,000kWh、売電量と自家消費量が7:3だったとします。
2016年度の電力の買取単価は、出力制御対応機器なしで31円/kWh、出力制御対応機器ありでは33円/kWhでした。

したがって、売電収入は出力制御対応機器なしで5,000kWh×0.7×31円=108,500円、出力制御対応機器ありで5,000kWh×0.7×33円=115,500円という計算になります。

これに対して180万円の太陽光発電設備の年間経費は、設備と償却率、余剰売電比率をかけ合わせ、1,800,000×0.059×0.7=74,340円と出ます。
そのため、課税所得は出力制御対応機器なしで108,500円-74,340円=34160円
出力制御対応機器ありで115,500-74,340円=41,160円となります。

20万円以下であることは明らかです。
つまり、サラリーマンが売電収入だけで確定申告が必要となり、課税対象となることは滅多にないといえます。

店舗を兼ねている場合

飲食店の屋根にソーラーパネルを設置している場合も、発電設備が減価償却資産とみなされる点は自宅の場合と同様です。

しかし、売電収入が雑収入ではなく事業所得の付随収入とみなされるという点で、大きな違いがあります。

賃貸物件へ設置している場合

賃貸アパートの共有部分にソーラーパネルを設置して余剰電力を売っている場合は、売電している量によって扱いが変わります。

全部を売電しているならば、不動産所得との関連性がないとみなされるため、収入は雑所得扱いです。

しかし、余剰電力を売買しているならば、不動産所得の一部をなす事業所得とされます。覚えておきましょう。

確定申告が必要な人の条件

以上の仕組みから、売電収入で確定申告が必要になるのは、サラリーマンならば「売電所得を含めた雑所得が20万円を越える人」という条件が見えてきます。

一般家庭のソーラーパネルで20万円以上の売電収入を得るのはなかなか難しいかもしれませんが、アフィリエイト収入、不動産収入などがそれなりにある人は注意しなければいけません。

これまで20万円を越えることがなかった人でも、最近のプレミアム価格での買取事業者に変更したことで超過してしまうこともあります。
売電先を切り替えた場合などには特に注意が必要です。

ソーラーパネルと補助金

電力自由化にともない、太陽光発電も注目されています。

太陽光発電の補助金と税金の関係を知ることは、売電収入の所得税対策にも役立ちます。
太陽光発電の導入で補助金を受け取る場合は、税金から確定申告までの手順や条件を必ずチェックしておくことが大切です。

自分に合った太陽光発電は、どういったものなのか。
シングル発電なのか、ダブル発電なのか。
容量はどのくらいがいいのか。
大容量太陽光発電システムがいいのか。
太陽光発電システム価格はいくらにするのか。
太陽光発電は、選択肢がたくさんあります。

ポイントをおさえて、お得に太陽光発電をしてみてはいかがでしょうか。
エネルギー消費量プラスマイナスゼロのZEH住宅も、夢ではありません!

まとめ
  • 太陽光発電の補助金は都道府県と市区町村から支給される
  • 太陽光発電の補助金はほぼ税金はかからない
  • 売電収入にかかる所得税は事業として行っているか否かで決まる

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