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【売電とは】こどもでも簡単にわかる!太陽光発電システムの仕組み

太陽光発電

政府がエネルギー自給率の向上と再生可能エネルギーの普及促進を目指して開始した「固定価格買取制度」のスタートからすでに5年以上が経過しました。

なかでも太陽光バブルと呼ばれるムーブメントを起こした「太陽光発電」ですが、そのシステムとはどのようなものなのでしょうか?

 

今回は、今さら聞けない太陽光発電システムの仕組みを、『【売電とは】こどもでも簡単にわかる!太陽光発電システムの仕組み』と題し、わかりやすくご紹介します。

太陽光発電の「売電」の仕組み

自分たちで発電した電気を、電力会社に買ってもらうことを「売電」といいます。

「売電」とは、具体的にどのような仕組みになっているのでしょうか?

固定買取価格制度とは?

固定価格買取制度とは、太陽光発電システムで発電した電気を、東京電力や関西電力などの電力会社が買い取ることを義務付けた制度です。

その際の売電価格は一定期間ずっと固定されているため、「固定価格買取制度」と呼ばれています。

 

たとえば「20年間36円で買取る」と定められた期間に事業を開始した業者は、その後電気の市場価格や買取価格が下がったとしても、開始時の36円で20年間は電力会社が買い取ってくれることが保証されています。

買取価格について

買取価格とは、太陽光発電業者がシステムで発電した電気を電力会社が買い取る際の単価(売電価格)です。

 

一般的には電気の単位kWh(キロワットアワー)あたりの値段のことを指しています。

売電価格は、基準価格を元に、設置した人に利益が出るような単価を政府(経済産業省)が算出し、毎年公表。

太陽光発電システムの売電価格は、一般的に電気を使用するときの価格(買電価格)よりも高く設定されています。

 

固定価格買取制度における売電価格は年々下がってきていますが、太陽光発電システムを構築する建設コストや材料などの調達費用も下がっているため、今なお事業として利益を確保できているのです。

買取期間は?

買取期間とは、経済産業省が決めた買取価格が適用される期間(売電期間)のことです。

買取価格は年々下がってきているため、「事業として成り立たなくなる心配があるのでは?」という心配があります。

 

しかし、固定価格買取制度があるので、途中で価格が下がってしまうということはありません。

買取期間は、発電システムの規模や売電方式などにより、10年や20年というようにあらかじめ決められています。

売電制度は2種類

売電制度には大きく分けて2種類の制度があります。

「余剰電力買取制度」「全量売電制度」です。

この制度の違いによって、さまざまなメリット・デメリットがあります。

余剰電力買取制度

余剰電力買取制度とは、発電した電気をまず自家用として利用し、使い切れなくて余った分(余剰電力)を売電する制度です。

 

自分たちが使う消費電力を節約して電気をたくさん余らせ、よりたくさん売った方が売電収入が増えます。

そのため、省エネ生活を心がけるようになるというエコロジー効果も期待できるのです。

 

住宅の屋根につけて余った分を売電する小規模(住宅用10kw未満)なものから、工場の屋根や空き地につけて工業用や商業用に使用し、余った分を余剰売電する大規模(産業用10kw以上)なものまで、さまざまなタイプがあります。

 

いずれも、太陽光がなく発電できない夜間の電力は通常通り電力会社から買電し、太陽光がたくさん電力をつくる昼間に、自家用で使った分を差し引いて売電することができるのです。

全量売電制度

全量売電制度はその名のとおり、太陽光システムで発電した電気をすべて(=全量)売電する制度です。

設置容量が10kW以上の太陽光発電に適用されます。

 

家庭用の場合は、屋根と併用して駐車場や倉庫の屋根を合わせて売電するケースが人気です。

野立てといわれる屋外型の大型太陽光発電は、ほとんどが全量買取制度を利用しており、太陽光発電の普及に大きく貢献しています。

 

事業の見通しが立てやすい一方で、全量売電の場合は余剰電力買取制度に比べて工事負担金(系統連系に必要な費用)が高くなるのがデメリット。

工事負担金は設置場所や条件により異なりますので、設置容量が10kW以上の場合は比較検討して利用制度を選択するのが一般的です。

太陽光発電システムに必要なもの

そもそも、太陽光発電とはどのような仕組みなのでしょうか?

太陽光エネルギーを電気に変え、利用できるようにする仕組みについて解説します。

太陽光パネル

住宅の屋根に設置していることも多い太陽光パネル。

「ソーラーパネル」「太陽光モジュール」とも呼ばれています。

半導体の内部光電効果を利用して、太陽光を電気エネルギーに変換するものです。

 

電池のように直列に接続して利用することから、「太陽電池パネル」といわれることもありますが、電池と違いパネルに電気を蓄えているわけではありません。

「シリコン太陽光モジュール」のほかに、「化合物系」「有機系」の太陽光モジュールがあります。

 

近年では制度の拡大により太陽光発電の普及が進み、注文住宅を購入する際に太陽光パネルの導入を検討する人も多くなってきています。

パワーコンディショナー

パワーコンディショナーとは、太陽電池モジュールで作られた直流電力を、家庭で使える交流電力に変換するものです。

「パワコン」と略して呼ばれたり、PCS(パワーコンディショナーシステム)と表記されることもあります。

 

太陽光パネルによって発電した電気は直流(DC)となります。

家庭用のコンセントから電気をとっている製品は、ほとんどが交流電力(AC)で運転しているため、直流電力のままでは使用することができません。

そのためパワーコンディショナーで、直流を交流に変換する必要があるのです。

 

パワーコンディショナーは太陽光システム全体の運転を管理し、 太陽光パネルからもっとも効率よく電気を取り出すための調整機能をもっています。

近年では、政府によるさまざまな制度変更に対応するため出力制御対応機器を付加したものも販売されています。

分電盤

分電盤とは、パワーコンディショナーで変換した電気を、各部屋で使えるようにコンセントに送るための中継地点です。

漏電、感電事故を防ぐ機能があります。

電力量計

電力量計とは、電気のメーターです。

総発電量から使用分を差し引いた電力量(売電量)と、電力会社から購入した電力量(買電量)をそれぞれ計測し、表示します。

太陽光発電のない住宅では「買電用電力計(買電メーター)」のみですが、太陽光発電システムのある住宅には「売電用電力計(売電メーター)」の設置が 義務付けられています。

電力モニター

電力モニターとは、太陽光システムがどのくらい発電しているか、家庭内でどれだけ電気を使っているかなど、リアルタイムに確認できる装置です。

日間や月間の累計量を表示できるものもあり、部屋の中の見やすい場所に設置して使います。

交換効率ってなに?

太陽光システムの詳しい話になると、必ずといっていいほど目にするのが「変換効率」というキーワードです。

「変換効率」とは、いったいどのようなものでしょうか?

太陽光パネルの種類によって交換効率は異なる

変換効率とは、太陽光エネルギーを電気エネルギーへと変換する際の、変換割合のことを指しています。

 

「太陽光パネルへ照射された太陽エネルギーのうち、どのくらいの割合を電気エネルギー(電力)に変換することができたか」という成績のことです。

そのため、変換効率が高ければ高いほどより効率的・効果的に発電をすることができているといえます。

 

太陽電池産業の市場拡大に伴い、より変換効率の高い太陽光パネルが増えてきました。

太陽光パネルの材質やメーカーによって、変換効率は大きく変わるので、しっかり計算しておきましょう。

交換効率の計算式

変換効率の計算式は以下の通りです。

 

変換効率=公称最大出力(W)/面積(㎡)÷ 1,000(W/㎡)

計算式は面積あたりの出力で、単位はパーセントで表されます。

 

変換効率がわかったら、変換効率の違うパネルを比較してみましょう。

 

たとえば、

253W、横寸法 1,559mm、縦寸法 798mm…【Aパネル】変換効率 20.3%

170W、横寸法 1,257mm、縦寸法 977mm…【Bパネル】変換効率 13.8%

の2種類のパネルを、横寸法 6.9m × 縦寸法 5.5mの屋根に配置したとします。

【Aパネル】は24枚、【Bパネル】25枚のパネルを要します。

 

【Aパネル】253W × 24 = 6,072W(6.072kW)

【Bパネル】170W × 25 = 4,250W(4.25kW)

 

となり同じ面積でも変換効率の違いで、1,822Wもの差ができてしまいます。導入する前に、さまざまな太陽光パネルを比較することが肝心です。

交換効率だけでなく自宅環境も考慮して選ぶべき

パネルの変換効率によって、売電量に大きな差があることがわかりました。

変換効率はほとんどの場合、各パネルメーカーのカタログに記載されています。

しかし、変換効率は一定条件下の試験で算出されるため、実際の設置場所や自宅環境も考慮して選ばなければなりません。

 

たとえば、一部が影になると極端に発電効率が落ちるタイプのものや、熱に弱いタイプ、強いタイプなど、さまざまな特性があります。

またパネルのサイズや価格にもバラつきがあるため、パワーコンディショナーの性能と設置可能面積を比較して、より適切な性能と枚数を選定する必要があるのです。

設置コストと、発電効率の両方を考慮して選ぶようにしましょう。

導入を検討する場合は、業者さんと相談しましょう

「太陽光システム」と一言でいっても、さまざまな規模、売電の方式、システムの種類があることがわかりました。

 

太陽光パネルのほかに、パワーコンディショナーといったシステムを使って太陽の光を自宅で使ったり、電力会社に売電することができます。

また、バッテリーも日々進化を遂げていて蓄電技術も進んできました。

このことは、ますます太陽光発電の運用に追い風となるはずです。

 

固定価格買取制度をはじめ、各種の補助制度は年々変わっています。

制度の申請には期限があったり、書類手続きが難しいものもあります。

自宅の屋根に太陽光システムを設置する場合や、空地に太陽光システムを建設する場合は、この仕組みを理解し、業者さんとよく相談して決めるのがベストでしょう。

まとめ
  • 固定価格買取制度は、一定の期間決まった価格で電力を買い取ってもらえる制度
  • 買取制度には「余剰電力買取制度」と「全量売電制度」の2種類がある
  • 太陽光パネルの種類によって変換効率が異なる
  • 交換効率だけでなく設置場所を考慮する必要がある
  • 導入を検討する場合は必ず業者さんに相談するべき

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