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パネルの価格は?太陽光発電メーカーの発電量と寿命を比較検証

太陽光発電

太陽光発電を始める際、まず迷ってしまうのがメーカー選びです。
最近では、海外のメーカーも多く市場に参入してきており、なにを選んだらいいのかわからなくなってしまう方も多くいます。

ただ単に、安いから、品質がいいからという理由だけで選んでしまうと、のちのち後悔することにもなりかねません。
ソラーパネル一枚の太陽電池容量も種類によってさまざまで、公称最大出力(測定された最大の出力)も違います。
太陽光発電投資をはじめる前に、メーカーを比較する方法をしっかり把握しておくことが必要です。

そこで今回は、失敗しないメーカー選びの方法、パネルの劣化についてご紹介します。

1kWあたりの単価相場で比較

太陽光発電の価格は、基本的にkWあたりの単価で見ます。
なぜなら、太陽光発電の見積書に記載されている価格は、太陽光発電システムに加え、工事費諸経費などを合計したものが記載され、そこから割引も行われている場合があるからです。

ですから、例えば、A社が150万円(4kW)、B社が170万円(5kW)という場合も、一概にA社が安いということは言い切れません。
太陽光発電の価格を発電できる電量(キロワット数)で割ることで、初めて高いか安いかがわかります。

上記2社のkW単価を見てみましょう。

A社 150(万円)÷4(kW)=37.5万円

B社 170(万円)÷5(kW)=34万円

キロワット単価は、B社の方が安いということになります。このように、太陽光発電の費用を比較する際は、キロワット単価に着目する必要があるのです。

2017年現在、太陽光発電メーカーのkW単価が安いランキングTOP3はこちらです。

1位   トリナソーラー 25.9万円
2位   ソーラーフロンティア 26.7万円
同率2位 カナディアンソーラー 26.7万円

太陽光発電投資が盛んに行われるようになった2012年から比べると、中国メーカーの参入もあり、かなりkWあたりの単価が下がりました。
1位のトリナソーラーは中国製メーカーで、とにかく費用を最小限に抑えたいという方にはお勧めです。
しかし、日本での経験が浅く、実績がないというのがデメリットになります。

ソーラーフロンティアは、国内でパネルを生産、そして親会社が実績のある「昭和シェル」ということもあり、昨今人気を得ています。
そして、カナディアンソーラーは、2001年に設立された、カナダに拠点を置くメーカーです。

安さに比べて、魅力的なのがその保障の部分といえます。出力保証に関しては、メーカーの中でも最長の25年という期間が設けられています。

現在、ランキングの上位を占めるのは、ほとんどが海外メーカーです。
太陽光発電投資において、「安さをとるならば海外メーカー」という風潮があります。

国内太陽光発電メーカー大手であるTOSHIBAやPanasonic、SHARPを見ると一目瞭然です。

TOSHIBA 33.2万円
SHARP  33.5万円
Panasonic 31.9万円

いずれも30万を超える値段で、海外メーカーに比べると安いとはいえません。
しかし、国内での実績もあり、信頼性が高いことや、高品質であることもあり、市場では高いシェアを誇っています。

年間発電量で比較

太陽光発電メーカーを比較する上で、年間発電量は欠かせない要素です。
年間に発電できる量が多ければ多いほど、家庭の光熱費削減、そして売電収益につながります。

1kWあたりの年間発電量が多いパネルメーカーランキングTOP3はこちらです。

1位 TOSHIBA 1147kWh
2位 Panasonic 1130kWh
3位 SHARP  1096kWh

※計測地点は東京、真南向きで、屋根の角度は30度で計算した場合

しかし、発電量に関しては、その太陽電池モジュールの性能やセル変換効率、そしてコンディションに寄与するところが大きいのも事実です。

交換効率が高い場合、狭い面積でも大きな電力を起こすことができます。
交換効率とは通常、「最大出力÷(太陽光モジュールの全面積×放射照度)」という計算式で割り出される実効交換効率のことを指しますが、太陽電池素子自体の評価をあらわす場合には、真性変換効率であらわします。

パネルにも、「影に強い」「熱に弱い」などの特徴があり、最高のパフォーマンスを発揮できる場所と、そうでない場所では発電量が異なります。

陽が当たっているからといって、決して良いとはいえません。
モジュール温度は、ある一定の高温になると、逆に出力が低下してしまいます。
モジュール温度に適した場所を選ぶことも、発電量に大きく影響してしまうのです。

このため、各々のメーカーによって、公表されている発電量だけでは、選考基準としては不十分です。
さまざまな場所で実験を行えば、どのパネルが平均して発電量が高いのかということはわかりますが、個人では非常に難しい状況といえます。

上記の順位も、東京という1地点で計測しただけものです。
パネルを選ぶ際は、発電量だけに頼らず、各メーカーの特色を把握し、設置する場所の環境などを考慮して、適した交換効率最大出力量(太陽電池容量)を考えて選ぶと良いでしょう。

価格・品質・特徴の3つで比較

太陽光発電メーカーには、さまざまな特徴があります。
価格が安い」「品質がいい」「熱や影に強い」などです。

太陽光発電メーカーを選ぶ際には、これらの特徴を総合して考える必要があります。
ソーラーパネルと言っても、単結晶シリコン型、多結晶シリコン型など種類はさまざまですが、ここでは、価格・品質・特徴の3つで比較してみましょう。

■「価格」でメーカーを選ぶ

とにかく、安く太陽光発電投資をはじめたいという方は、海外メーカーを選ぶのがいいでしょう。
国内メーカーは、品質は高く保たれていますが、同時に価格も高くなります。
対して、海外メーカーは、実績で国内メーカに劣りますが、価格が安いのがメリットです。

具体的には、中国メーカーの「トリナソーラー(kWあたり25.9万円)」や「アップソーラー(kWあたり28万円)」などのメーカーが挙げられます。
いずれも、kWあたり30万円以下で設置できるため、設置費用を安く抑えたい方にはおすすめです。

ただし、ソーラーローンを扱っている金融機関もありますし、発電量や品質の良さも考慮したうえで、ソーラーパネルを選ぶのが賢明といえるでしょう。

■品質でメーカーを選ぶ

故障やメンテナンスにかかる費用を抑えるため、とにかく品質の良いものを選びたいという場合は、断然国内メーカーをおすすめします。

具体的には、三菱電機やシャープなどのメーカーです。
三菱電機は、「生涯発電力」を生産のモットーに掲げており、耐久性を重視しています。

また、多くのメーカーが海外に生産拠点を移していますが、三菱電機は、完全国内生産で、高い品質が保たれているのです。

シャープに関しても、50年以上前から太陽電池の研究を行ってきた実績があり、品質は申し分ありません。
高品質にこだわるのであれば、多少価格が上がっても、国内のメーカーから選ぶと良いでしょう。

■特徴でメーカーを選ぶ

例えば、自宅の屋根に、どうしても影ができてしまう時間がある場合は、「影に強い」という特徴を持ったパネルを選ぶ必要があります。

具体的には、CIS太陽電池を使用した、「ソーラーフロンティア」のパネルがこれに当てはまります。
シリコン型のソーラーパネルは、影の影響を大きく受けてしまいますが、ソーラーフロンティアのCIS太陽光電池は、影がかかってもほとんど発電量が変わりません
自宅の屋根に影ができても、問題なく発電を続けることができます。

各メーカーにはこのように、「影に強い」「狭い場所でも設置できる」「気温上昇に強い」など、さまざまな特徴があります。
価格・品質などと合わせて、自分に最適なメーカーを選んでください。

耐用年数・寿命は何年?

一般に、ソーラーパネルの耐用年数は、20~30年、電気を家電に使える状態に変換するパワーコンディショナーの寿命が10~15年といわれています。ただ、これはあくまで一般論です。

扱い方によって、寿命が伸びることもありますし、逆に短くなってしまう場合もあります。
太陽電池モジュールの特色やモジュール変換効率、そしてコンディションを考慮して、適したパネルを購入しましょう。

経年劣化の実証データはあるか?

30年以上稼働しているパネルも

ソーラーパネルの一般的な寿命は20~30年と言われている中、30年以上稼働し続けているパネルも存在します。
奈良県高取町、壷阪寺に設置されているソーラーパネルです。

シャープ製のこのパネルは1985年に設置され、2016年の調査では、稼働し続けていることが明らかになっています。

出力保証で設定されている劣化率は妥当か?

パネルは、年々劣化していき、出力が低下していきます。
よく、メーカーが「出力保証15年で80パーセント」などの数字を出しているのを見かけますが、この劣化率は妥当なのでしょうか。

15年で80%の出力保証、という例で考えると、1年で約1.3%ずつ出力が弱まっていく、ということになります。
結論からいうと、この劣化率は、かなり厳しく設定されており、妥当なものです。

2012年太陽光発電協会が、国内メーカーの実例として劣化率が0.27%であるという資料を作成しています。

引用:http://www.meti.go.jp/committee/chotatsu_kakaku/003_03_00.pdf

0.27パーセントの劣化率ということは、15年で考えれば4.05%ということです。
この数字から、いかにメーカーの出力保証が厳しく設定されており、妥当なものであるかがわかります。

劣化しにくいパネルはあるの?

パネルの中で、劣化しにくい種類はあるのでしょうか。
産業技術総合研究が、2005年から2009年にかけて行った測定では、パネルの種類別に劣化率が表されています。

多結晶パネル 2.3~2.8%
単結晶パネル 3.2~3.9%
HITパネル  2%
CISパネル  1.4~1.5%

この測定では、光を吸収しやすい特徴をもったCISパネルが高い数値を出しています。
しかし、これはあくまで2005~2009年までの5年間の数字で、20~30年のスパンで見た時に、これがそのまま継続するとは限りません。
現時点では、実績がないため、劣化しにくいパネルを選ぶことは難しいといえます。

広い視野から太陽光発電メーカーを選ぶべき

太陽光発電メーカーを選ぶには、価格や品質、特徴などを総合して考えることが重要です。

費用はどれくらいか、品質はどの程度を考えているか、設置するのはどんな場所か、というように広い視野を持って考えるのがいいでしょう。

もちろん設置した後は、劣化を防ぐためのメンテナンス費用は惜しまないのが得策です。
ぜひ、自分に合ったメーカーを探してみてください。

 

まとめ

・太陽光発電の単価は基本的にkWあたりの単価で確認する。
・設置する環境によって、適したパネルの特徴や規模を考える必要がある。
・「価格」「品質」「特徴」の3つのメリットを考慮する。
・太陽光パネルの寿命は20~30年と言われているが、実績がないため経年劣化しにくいパネルの特定は難しい。
・広い視野で太陽光発電メーカーを選ぶ必要がある。

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