再生可能エネルギーのエースとして登場した太陽光発電システムは、21世紀のエネルギー革命をリードする先兵の役割を果たすべく、世界中で導入が進められてきました。
特に、ドイツをはじめとするヨーロッパ各国の取り組みは早く、その流れは日本にも影響力をもたらしています。
そして、日本でも本格的に太陽光発電システムの導入が始まると、普及のネックになっていた発電設備の価格も、普及のスピードがアップするにつれて低廉化し、さらに補助金や固定買取金額(売電金額)を併せて制度化することによって導入も加速することになりました。
その後、国からの補助金制度は廃止になりましたが、余剰電力の買取(売電)のシステムは、現在も継続しています。
しかしながら、年々買取価格は低減化傾向に…
そこで、家庭用太陽光発電システムの価格推移、そして今後の展開がどうなって行くのかを見て行きます。特に、これから太陽光発電システムの導入を考えている人にとっては、大事なポイントになりますので、しっかりチェックをしていただきたいですね。
家庭用太陽光発電の価格はどのくらい?
太陽光発電システムの導入に際しての視点は、いかにして自分のイメージに合ったシステムを見出すことができるかにかかっています。
そのためには、設置場所や条件、環境などのチェックの他に、最大の眼目である、各社の太陽光発電システムのソーラーパネルなどのハードの比較検討、そして設置工事費用の検討が必要となります。
その設置費用ですが、太陽光発電システムの場合は、大きくは3つに分けられます。
1.太陽光発電システムのハード全体のコスト
太陽光発電システムの構成は、ソーラーパネル、屋根上の架台、パワーコンディショナー
2.太陽光発電システムの設置工事に関する代金
システムを稼働させるための設置工事と電力会社とのインフラ接続
3.太陽光発電システムのオペレーティングに必要な費用(手続き)
申請手続きの一切の経費
実際に導入する段階になりますと、これらの全体費用をインクルードして交渉することになります。その場合ですが、販売店、施工店の取扱量によってコスト変動があります。
というのも、多くの案件の取扱量が対メーカーに対しての、価格交渉力に影響するでしょうし、設置工事費、諸経費、人件費も違ってくることから、当然、見積金額に差が出てきます。
家庭用太陽光発電システムの価格の推移
さあ、そこで、家庭用太陽光発電システムの導入ですがどの程度のコストがかかるのでしょうか?
太陽光発電システムは当然のことですが、発電容量によって変わります。
ソーラーパネル枚数も違いますし、パワーコンディショナーもその容量に合わせたものを選ぶようになります。
太陽光発電の構成項目をブレークダウンすると次のようになります。
- 太陽光パネル 50%
- パワーコンディショナー 15%
- 架台 10%
- 接続箱 5%
- 設置工事費 20%
販売店、施工店の見積もり依頼をした場合、ソーラーパネルの容量を決めて上記の項目に数字を入れて行くわけですが、それを合計してkwあたりの単価を出します。
(例)
4.2kw容量:170万円の費用がかかった場合
→kwあたりの単価:40.4万円
そこで、平成24年からの家庭用太陽光発電システムの設置工事費用の流れを見てみますと、年々下がって来ていることが分かっています。
全国平均の一般的なkwあたりの相場価格
平成18年~20年の家庭用太陽光発電システムの設置価格は、平均でkwあたり60~70万円で推移していましたが、それが、前項で示した通り平成28年度では36,7万円まで下がっています。この傾向は平成29年度以降も継続すると予想されます。
実際のところ、
海外のソーラーパネルを使用した場合:kwあたり30~35万円
国内メーカーのソーラーパネルの場合:35万円前後
が相場です。
しかし、現実には30万円を切るようなところもあるようです。
この価格が動き出すと、一般家庭で3kwの導入を考えた場合、100万円で導入出来ることになります。
ですが、このように安い場合では、見積もりの段階でどこまでの作業が含まれているかを必ずチェックする必要があります。
一方で、ここまでkwあたりの価格が下がってくると、逆に言えばもうこれ以上下がる余地が狭まってくることを意味していることになり、これまでのようなスピードで下がり続けることはなくなっていくでしょう。
下がるにしても1万円単位で、どこかで歯止めがかかることになりそうです。
KWあたりの単価を出す理由
家庭用太陽光発電システムの設置について複数の業者に見積もり依頼をした場合、
・ソーラーパネル
・パワーコンディショナー
・架台
・接続箱
・設置工事費など
見積もり項目にオンレートの数字が書かれ、最終的には合計金額から出精値引きのような形にして、金額が提示されます。
この場合、それぞれの項目についての本来の数字が見えにくくなることがあるので注意が必要です。
そのために、最終見積もりを導入容量kw当たりの金額を比較することで、価格をみると良いでしょう。
では、なぜkwあたりの単価で見ると良いのでしょうか…
太陽光発電システムの導入に際して、もっとポイントを置いてみるのが設置容量です。
というのも、自家需要、売電などの金銭的な要因のメリット、デメリットに即関係してくるからです。
つまり、導入者が太陽光発電システムに求める期待値・性能が設置容量(kw数)ということになります。
例えば、太陽光発電システムの導入時に、kwあたりの単価が40万円と35万円を比較した場合、明らかに35万円の方が得であることは一目瞭然です。
これは、期待値を反映する最も分かりやすい指標で、提案された内容が自分のイメージにあっているかどうかの判断基準になります。
kwあたりの単価の計算式
では、kwあたり単価の算出方法は、どう計算するのでしょうか。
これは、太陽光発電システムの総金額を導入予定の設置容量で、割って導き出します。
つまり、
kwあたり単価=太陽光発電システムの総金額(円)÷太陽光発電システムの設置容量(kw)
で表すことが出来ます。
例えば、設置容量4.2kwの太陽光発電システムを165万円で導入した場合のkwあたり単価は、
165(万円)÷4.2(kw)=39.3万円
ということになり、この太陽光発電システムのkwあたり単価は39.3万円ということになります。
パネルメーカーによっても家庭用太陽光発電システムの価格は変わる?
太陽光発電システムの構成項目の価格について見て行きますと、パネルメーカーによって価格が変わってくることが分かります。
では、素材別に見て行きましょう。
ソーラーパネル(モジュール)
ソーラーパネル1枚当たりの金額はどうなっているのでしょうか。
パネルの表面素材の違い(単結晶、多結晶、薄型、HIT)で発電効率に差が出ます。
それぞれのパネルには特徴があって、
- 単結晶の発電効率は18%と高いので、当然単価も高くなります。
- 多結晶の発電効率は15%前後で、単価は抑えられています。
- 薄型の発電効率は13%前後で高熱に強いとメリットがあり、単価は抑えられています。
- HITは単結晶と薄型の組み合わせたもので、19%前後の発電効率で単結晶よりは抑えられています。
このような背景があって、ソーラーパネル1枚あたりの相場はかなり幅があり、5~20万円となっています。
しかし、サイズや発電容量(ワット数)、表面素材などによって違ってきます。
したがって、各メーカーが、どのような素材でソーラーパネルを生産しているかによって、価格は変わっってくることになります
パワーコンディショナー
家庭用の電気は交流が使われていますが、太陽光発電システムで発電する電気は直流なので、そのままでは使うことができません。
そこで、パワーコンディショナーで直流を交流に変換して家庭で使えるようにします。
そのパワーコンディショナーは、発電容量が3w~5kwに1個取り付けられますが、その価格相場は30~60万円とされています。
屋内用と屋外用、あるいは兼用タイプがあり、防水加工、耐久性のアップなどは単価が高くなる傾向があります。
▼その他の構成と設置工事
その他として、接続箱、専用ケーブル、ガイドモニター、電流センサー、設置用の架台、ケミカルアンカー、設置工事費などがかかります。
この中で、専用架台、ケミカルアンカー、工事費は、屋根の状況しだいで違ってきます。
おおよその相場は30~60万円とされていますが、選択する種類、製品、施工する工事業者によっても変わってきます。
電気配線工事については、太陽光発電システムを稼働するために、住居内配線と電力会社への配線業務となります。相場は10万円~20万円と見られています。
kwあたり単価が安くなる場合
kwあたり単価を下げるには、太陽光発電システムの総費用の構成要因からすると、大きなウエートがかかるのは、太陽光パネル、工事費、パワーコンディショナー、架台の順番になっています。
当然、太陽光パネルが50%を占めていることから、ソーラーパネルの価格の値下げが、全体の数字を下げることになります。
【総費用のパーセンテージ】
- 太陽光パネル 50%
- 設置工事費 20%
- パワーコンディショナー 15%
- 架台 10%
- 接続箱 5%
では、パネル価格を安くするにはどうしたらいいのでしょうか。
先に説明いたしました、パネルの素材の中でどの素材のパネルを選ぶかによって変わってきます。
単結晶 > HIT > 多結晶 > 薄型の順で価格が下がっていますので、単価を下げたいと考えるなら、
- 太陽光パネルを薄型
- 多結晶
の中から選ぶことが挙げられます。
次に、ウエートが高いのが工事費とパワーコンディショナーです。
両方合わせると35%になります。
Kw単価の下落要因で大きいのは工事費(流通コスト、人件費、施工費、系統・連係費)の分野で、ここは施工業者の采配如何によって異なってきますので、見積もりの段階で細部にわたってチェックするようにしましょう。
また、屋根材がスレート場合、屋根の勾配が20~30度の場合、そして、設置する場合の屋根面が一カ所の場合などでは、安くなる傾向にあります。
kwあたり単価が高くなる場合
太陽光発電システムのkw単価が高くなる場合は、安くなる場合と逆。
パネルの選択がより発電効率が高いパネル(単結晶)になった場合で、それに応じてパワーコンディショナーや付帯する設備を選択することになると、当然、kw単価は高くなります。
それから、設置場所の形態も関係してきます。
例えば、以下のような状況では、kw単価が高る傾向にあります。
- 屋根が瓦葺
- 陸屋根
- 設置する屋根が多面になっている
- 積雪地帯 など
また、太陽光発電システムの導入の際に、見積もりをしないで1社の業者との折衝だけで進んでしまうと、事実上業者の言いなりになるような場合もあります。
そうなると、客観的な視点が持てなくなりますので、出来るだけ数社から見積もりを取るようにしましょう。
各メーカーの価格を徹底比較・口コミも紹介
メーカー各社によってkwあたりの単価が異なっています。では、どのように違うのでしょうか。それを見て行きましょう。ソーラーパネル1枚当たりの発電量はおおよそ250w前後で、太陽光発電システムの導入発電容量に応じて、枚数を決めて行きます。
各メーカのシステム価格とkwあたりの単価を参考までに示します。
▼パナソニック
太陽光パネルの発電効率は19.1%で、発電容量(kw)によって導入価格が、そして、kwあたりの単価が変わってきます。
5.15kw 180.7万円、 kw単価35.1万円
4.41kw 158.0万円、kw 単価35.8万円
3.43kw 129.0万円、kw 単価37.6万円
★口コミ
パナソニックの家庭用太陽光発電システムを導入して、何よりも曇りの日でも発電できるメリットを享受しています。熱の影響もあまり感じないぐらいに夏でも順調に発電しています。 |
モニターも見やすいし、機械音痴でも心配することはありません。家族全員が節電意識に目覚めて電気の大切さを改めて感じています。 |
少ない面積にもかかわらず、しっかりと発電が出来ているのを見て、これには驚きました。 |
▼シャープ
発電効率19.1%の場合
5.28kw 184,1万円、kw単価34.9万円
4.40kw 156,5万円、kw単価35.6万円
3.08kw 115.0万円、kw単価37.4万円
発電効率16,2%の場合
5.16kw 168.8万円、kw単価32.7万円
4.30kw 143.5万円、kw単価33.4万円
3.01kw 105.5万円、kw単価35.0万円
★口コミ
環境問題に関心があったので、東日本大震災がきっかけでシャープのサンビスタを設置しました。 送電ロスや発電ロスがないので安心して使っています。 |
中々賛同を得られなかった家族に、外観、美観に拘ったサンビスタを見せたところ、口煩かった父親が真っ先に賛成してくれて、今や、全員がモニターを見て楽しんでいます。 |
▼長州産業
発電効率17.1%の場合
5.15kw 171.7万円、kw単価33.3万円
4.21kw 143.4万円、kw単価34.1万円
3.28kw 117.1万円、kw単価35.7万円
発電効率19.1%の場合
5.15kw 180.2万円、kw単価35.0万円
4.41kw 157.6万円、kw単価35.7万円
3.43kw 128.7万円、kw単価37.5万円
★口コミ
何といっても、雨漏り保証があるのが感動的で、顧客オリエンテッドを考えていることに驚きを感じました。というのも、まさか屋根に設置する際の工事で雨漏りがあるなんて想像もしなかったからです。 |
太陽光パネルが軽かったことが印象的だったので長州産業のシステムを導入、屋根への負担がないことと、しっかり発電出来ていることに満足しています。 |
▼ソーラーフロンティア
発電効率13,8%の場合
5.10kw 156.6万円、kw単価30.8万円
4.08kw 128.1万円、kw単価31.4万円
3.06kw 100.9万円、kw単価33.0万円
★口コミ
設置した後のアフターフォローなど面倒見がいいことと、性能、価格ともにリーズナブルで満足しています。 |
性能面で評価できるのと、他のメーカーよりも価格的に安いことが決め手になりました。それから、シュミレーション以上に発電量があるのが嬉しいです。 |
▼京セラ
発電効率16.2%の場合
5.28kw 181.6万円、kw単価34.4万円
4.40kw 154.4万円、kw単価35.1万円
3.08kw 113.5万円、kw単価36.9万円
★口コミ
自然災害についての保証つきが選択した一番の理由です。価格的にも他社と違わないし、実際の発電状況に十分満足しています。 |
多くのハウスメーカーの設備に使われている安心感と性能面、それに、屋根の形状に対してもフレキシブルに対応してもらい、サービスにも満足しています。 |
▼カナディアンソーラー
発電効率18.1%の場合
5.15kw 154.2万円、kw単価29.9万円
4.41kw 134.9万円、kw単価30.6万円
3.43kw 110.1万円、kw単価32.1万円
★口コミ
一番の驚きは太陽光パネルの出力保証が25年と長期にわたっていることに感心しました。他のメーカーにはあまりないことなので、購入者のことをフォローする姿勢に驚いています。 |
太陽光パネルは外国製ですが、それ以外の節部については日本製だったので安心して決められました。それに初期費用の安さが魅力的でした。 |
▼三菱電機
発電効率17,2%の場合
5.15kw 176.0万円、kw単価34.2万円
4.41kw 154.0万円、kw単価34.9万円
3.43kw 125.7万円、kw単価36.17万円
★口コミ
価格的に他社に比べて評価できる対応をしてくれたので選びました。初期投資の少ないことはメリットになりますからね。それに、パワーコンディショナーの性能の良さも気に入っています。 |
屋根の形状からして他社のパネルの対応性がよくないのに、三菱製のパネルは大きさ、形にバリエーションがあったので、満足できるパネルを選択できました。 |
▼東芝
発電効率21,2%の場合
5.18kw 183.6万円、kw単価35.4万円
4.41kw 149.9万円、kw単価36.2万円
3.11kw 118.0万円、kw単価38.0万円
発電効率18.5%の場合
5.04kw 155.0万円、kw単価30.8万円
4.32kw 135.6万円、kw単価31.4万円
3.36kw 110.7万円、kw単価33.0万円
★口コミ
導入単価は高かったですが、性能を第一に考えました。将来のことを思うと価格の安さだけで決めるのには抵抗あり、今では、東芝を選んで正解だったと思っています。 |
世界をリードする発電量とデザインの良さ、家の外観にぴったりだったので、近所でも評判になっています。イメージ通りの出来栄えを気に入っています。 |
▼Qセルズ
発電効率16.5%の場合
5.50kw 169.3万円、kw単価30.8万円
4.13kw 126.9万円、kw単価30.7万円
3.30kw 101.6万円、kw単価30.8万円
★口コミ
日本国内では知名度がありませんが、世界でトップクラスの太陽光システム会社であることを知り、安心して任せることにいたしました。 |
自然災害に対して10年の保証と、パネルの25年保証が魅力的なのと、品質を追求している姿勢を評価して決めました。 |
価格志向からの脱却
これまでのような価格を第一義に考えることから、もう少し視点を変える方向性が出てきています。
それは価格競争から脱却して、技術開発力ベースにした性能を前面に出した戦略に変わろうとしているということ。
つまり、太陽光パネルの価格を抑えるということではなく、いかに発電量をアップさせる性能に拘るかに注力を注ぎはじめているのです。
ソーラーパネルの能力を最大限に活かし、発電量をアップする質的な方向性を導き出そうとしています。
太陽光発電の過去の買取金額(売電金額)価格の推移
太陽光発電システムの売電が制度化されたのは2009年ですが、その前から電力会社が自主的に買取りをしていました。
その金額は23円/kw。
これは、2008年まで続いていました。
そして、2009年11月の制度化時点の売電価格は、48円/kw。
翌年の2010年も48円/kw、2011、2012年は42円/kw。
そして、2012年から固定価格買取制度が始まりましたが、一般住宅用(10kw未満)よりも、産業用(10kw以上)がそれまでの24円が40円+税と変更になり、なおかつ、20年間の買取が規定され、買い取り面でみると産業用(10kw以上)の方が優勢となりました。
2016年までの買取(売電)価格の推移表
年度 | 住宅用 | 産業用 |
2009年以前 | 系統電力と同程度(約24円)で電力会社が自主買取 | |
2009年(平成21年) | 48円・10年間 (11月より実施) |
系統電力と同程度(約24円)で電力会社が自主買取 |
2010年(平成22年) | 48円・10年間 | |
2011年(平成23年) | 42円・10年間 | |
2012年(平成24年) | 42円・10年間 | 40円+税・20年(7月より固定価格買取制度実施) |
2013年(平成25年) | 38円・10年間 | 36円+税・20年 |
2014年(平成26年) | 37円・10年間 | 32円+税・20年 |
2015年(平成27年) | 33円(出力抑制なし) 35円(出力抑制あり) 10年間 |
27円+税・20年(7月以降27円) |
2016年(平成28年) | 31円(出力抑制なし) 33円(出力抑制あり) 10年間 |
24円+税・20年 |
参考:http://standard-project.net/solar/baiden/history.html
最新情報!2017年(平成29年)以降に予想される売電金額推移
2009年の売電価格48円/kwが、2016年には31円/kwまで下がり、7年間で17円の下落となりましや。
さらに、2017年も2016年より3円/kw下がり28円で決定しています。
また2018年は、26円/kw、2019年は24円/kwまだ下がることが決まっています。
国の補助金の復活は見込まれませんし、地方自治体の補助金も低減化傾向にある中で、太陽光発電システムの普及に関しては、業界全体のさらなる努力が必要になることを示唆しているようです。
2017年以降3年間の決定された買取(売電)価格の推移
2017年(平成29年) | 28円(出力抑制なし) 30円(出力抑制あり) 10年間 |
21円+税・20年 (7月以降27円) |
2018年(平成30年) | 26円(出力抑制なし) 28円(出力抑制あり) 10年間 |
未定 |
2019年(平成31年) | 24円(出力抑制なし) 26円(出力抑制あり) 10年間 |
未定 |
(例)
2017年に4.4kwの太陽光発電システムを導入した場合、年間、5,000kwhの発電量で想定して、自家需要を35%とすると売電に回せる電力量は65%なりますので、それで10年でどれだけ売電収入があるかを見てみます。
5,000kwh(年間)×0.65×28円/kw=91,000円
となりますので、10年間では910,000円になります。
仮に、このまま売電価格が年に2円下がるとすると、4年後は20円。
同じ4.4kwの太陽光発電システムを導入し、条件を一緒にすると、
5,000kwh(年間)×0.65×20円/kw=65,000円
となり、10年間では650,000円となります。
差し引き、910,000-650,000=260,000円の減少が見込まれます。
つまり、売電価格が下がることで、当然売電収入が減ります。
この例では、260,000円減少しますので、その分は太陽光発電システムの導入金額でカバーすることになります。
その場合ですと、
260,000(減少分)÷4.4kw=59,000円
で、1kwあたりにすると59,000円となります。
したがって、350,000/kwの価格の導入システムが4年後の段階で、300,000円を割るぐらいの価格になっていれば、2017年の導入時の条件と同じになります。
こうして見ると、太陽光発電システムの業界、メーカーのより一層の努力が求められることになりますね。
家庭用太陽光発電システム導入のタイミングをしっかり計ろう!
太陽光発電システムの普及が進むにつれて、国の補助金制度は廃止され、地方自治体の補助金制度もどちらかというと、今すぐにはないですが廃止の方向に向かっていると考えられます。
それだけでなく、家庭用太陽光発電システムの価格も低廉化し、補助金がなくても買いやすくなっています。
それと並行するように、余剰電力の買取(売電)金額も減る傾向を見せています。
その見返りとして太陽光発電システムの導入価格の低廉化が、補助金制度の変革とあいまってダブルで進んでいるのです。
この余剰電力買取金額(売電金額)の行方はどうなるのでしょうか。
このままのスピードで普及が進むとしたら、20円/kwを切り10円台に突入することも十分に考えられます。
ということは、太陽光発電システムの導入価格の推移、自治体の補助金制度の推移、そして、売電金額の推移を勘案して、どのタイミングで導入を決断するかをシュミレーションしてみることが大切になります。
- 買取金額(売電金額)の将来性は、太陽光発電システムの普及のスピードに比例して低減化!
- 太陽光発電システムの価格は3kw前後で100万円を切る値段に!
- 太陽光発電システムの比較をする場合にはkwあたりの価格を参考に!
- 太陽光発電システムの導入の際には、パネルメーカーの研究と見積もりを検討する
- 買取金額(売電金額)と太陽光発電システムのkwあたりの価格とのバランスを考える
- 太陽光発電システムの導入に対しては、そろそろ価格志向からの脱却も必要