2017年3月11日、厚生労働省は日本人の平均寿命は男性80.75歳、女性86.99歳で過去最高を更新したことを発表しました。
平均寿命が過去最高を更新したからといっても、自分の寿命がそのまま発表どおり、延びていくという事ではありませんが、現在の平均寿命に対して、年金受給開始年齢は65歳からとなっています。
将来年金がどのように変化していくかはわかりません。
その為にも自分で老後の資金・生活を確保し、将来に対するリスクを軽減してゆったりとした老後にしたいと思う方は多いはずです。
そこで老後への貯え方法のひとつ、「個人年金保険」があります。
個人年金保険と一言でいっても様々なプランが存在します。
「老後の生活を確保する」、そのためにはまず自分や家族の将来の為に蓄えをしておかなければなりません。
今後、老後資金をいかにうまく貯めていくかが、明るい老後へのステップのひとつになるでしょう。
ここでは、そんな個人年金保険について紹介していきます。
個人年金保険とは?
はじめに、ここでは個人年金保険について説明していきます。
個人年金とは、公的年金(国民年金や厚生年金)を補填する目的で加入する私的年金のひとつです。
「契約時に定めた年齢から一定期間、一定の額が受け取れる貯蓄型の保険」と定義されています。
契約時に定めた年齢とは、受取を開始する年齢(例:60歳、65歳から等)のことです。
一定期間とは、契約時に定めた年齢から何年間年金を受け取れるか(例:5年、10年等)になります。
例えば、個人年金保険を60歳から10年間の期間で契約すれば、60歳から70歳までの10年間定期的に年金としてあなたに支払われます。
加入率は?
個人年金保険の加入率はいったいどのくらいのものなのでしょう。
年代別に加入率をまとめましたので、あなたの世代はどのぐらいの割合で加入しているのかチェックしてみてください。
以下、平成27年の世帯加入率です。
年代 | 加入率 |
29歳以下 | 8.8% |
30~34歳 | 13.9% |
35~39歳 | 16.6% |
40~44歳 | 21.2% |
45~49歳 | 26.3% |
50~54歳 | 25.8% |
55~59歳 | 28.8% |
60~64歳 | 28.8% |
65~69歳 | 25.0% |
70歳以上 | 13.9% |
全体平均 | 21.4% |
50代は約3人に1人、40代でも約4人に1人の割合で個人年金保険に加入しています。
50代になってからは、定年後の老後の準備ということで加入する方も多いようです。
20代では加入率が極端に少ないですが、30代に入り所帯を持つようになると色々な将来設計のひとつとして個人年金保険に加入される方もいます。
公的年金だけでは、老後の生活費が足りないことは間違いありません。
現在の30代・40代の方が年金を受け取る歳になる頃には、公的年金制度が大きく変わっている可能性も否めません。
将来のために、個人年金保険への検討・加入をおすすめします。
積立式の保険は、若いうちに加入すると月額保険料負担額が軽減されるので、早めの加入がお得です。
個人年金保険の種類について
ここでは個人年金保険の3つの種類についてご紹介・説明していきます。
確定年金とは?
個人年金の代表格。
特徴は、あらかじめ年金総額が確定していることです。
例えば、10年確定年金だと年金受け取り期間10年に対して、一定額を受け取る事が出来ます。
仮に、年金受取保障期間中に亡くなってしまっても、その後は代わりに遺族の方が受取人になります。
■ メリット
- 年金の受取総額が確定している。
- 仮に加入者(保険料負担者)が亡くなったとしても保険期間の残額は遺族に支払われる。
- 年金受取開始が60歳以上で年金支払期間が10年以上の場合、所得控除が受けられ、保険金の返戻率が高い。
■ デメリット
- 設定した確定受取期間しか年金を受け取れない。
終身年金とは?
生きている限り一生涯受け取ることのできる年金です。
もし10年保障期間つきの場合は、10年間は最低保障として年金が受け取れます。
ほとんどの終身年金には、最低保障期間が設定されています。
■ メリット
- 生きている間は生涯年金が受け取る事ができるため、長生きすることでかかる金銭のリスクに対応可能。
■ デメリット
- 確定年金に比べて同じ年金額に設定をすると割高になる。
- 年金支給が開始されて、早い段階で亡くなってしまうと、払い込み保険料総額よりも年金受取額が少なくなる可能性がある。
変額年金とは?
株式・債券を中心に資産を運用して、その運用の実績によって年金や解約払戻金などが増減する個人年金保険のことです。
投資リスクは、個人が負うことになってしまいます。
■ メリット
- 運用実績によっては年金額が増える可能性がある。
- インフレに対応できる。
■ デメリット
- 運用のリスクが存在し、将来の金利で年金額が変動する。
- 個人年金保険料控除ではなく一般生命保険料控除になる。
個人年金保険の選び方
ここまで個人年金保険3つを紹介しましたが、自分にはどのプランが合っているのか、まだイマイチ掴めない方もいるのではないでしょうか。
そこで、簡単な選択方法として、以下の3つを挙げてみます。
- 安定して将来の年金を受け取りたい人 → 確定年金
- 将来の長生きすることに備えたい人 → 終身年金
- 多少のリスクを承知で年金額を増やしたい人 → 変額年金
まだ見えぬ将来のことですから、自分のライフスタイルや性格、健康面のこと等を考慮して選択する事が大事になってきます。
各生命保険会社にて、保険相談サービスが設けられているので、該当担当者に相談するのも手段の一つです。
個人年金保険のメリット・デメリット
個人年金保険のメリットとデメリットについて調べてみましょう。
メリット
■ 老後の資金を確実に貯める事ができる
個人年金は銀行預金と違い、簡単に銀行から卸すことはできません。
すべての支払が終わる途中で解約をしてしまうと元本割れしてしまうリスクがありますが、しっかりと老後資金を貯めていくことができます。
保険料は、他の保険と同じようにクレジットカードや銀行の引き落としで月々支払っていきます。
学資保険と同じく、使えないようにしておくこともでき、自動引き落としでの払込になるので確実に貯めていく事ができます。
貯金が苦手な方におすすめです。
■ 個人年金保険料控除により所得控除が受けられる
個人年金保険料は個人年金保険料控除の対象となり、一定額が所得から控除されます。
年末調整をしている会社員の方は控除額から算出した還付を受け取る事ができます。
■ 銀行の普通預金よりも増える
近年の銀行の普通預金はほとんど利息がつきません。
銀行でお金を預けるよりも、個人年金保険で老後資金を貯めていくことは有利といえます。
デメリット
■ 確定型の場合だとインフレに対応できない
将来の受取年金額が決まっている場合、インフレにより現在のお金の価値と、将来受け取る年金の価値が変わってしまうリスクがあります。
■ 保険会社が破綻した場合、将来の年金額が減る可能性がある
保険会社が倒産する可能性もあるため、その場合は、受け取る年金額が減る可能性があります。
しかし、生命保険契約者保護機構という保険業法に基づき国内で事業をおこなうすべての保険会社が現在会員として加入しているので、保護機構によって払込保険料のうち一定額が保障されます。
支払保険料がまったく無駄になることはありませんが、年金が減額されるリスクはあります。
月払保険料・保険料払込期間満了時期の確認や、リスクをなるべく避けながら自分に合った個人年金保険に加入するには、保険会社や生命保険文化センターに相談してから自分にあったプランを決めてみましょう。
老後の個人年金は「太陽光発電」で安心!!
そして近年、注目を浴びてきているのが太陽光発電に投資して老後の不安を解消する安定資産運用(発電年金)というものも存在します。
ここでは太陽光発電投資についてご紹介します。
太陽光発電で老後をゆったりゆっくり生活しましょう!
夫婦二人でゆとりのある生活を送るための必要な資金は、1ヶ月約35万円というデータがあります。
年金を月に約22万円受給したとしても、月に約13万円は足りない計算になります。
年金支給開始後の、65歳から80歳までの15年間ゆとりのある生活をするとなると
35万円(月) × 12(ヶ月) × 15(年間) = 6300万円 |
つまり6300万円必要です。
同様に不足額を計算すると
13万円(月) × 12(ヶ月) × 15(年) = 2340万円 |
なんと不足額は2340万円にもなってしまうのです。
その不足額を埋めるために、太陽光発電投資の安定資産運用も是非選択肢のひとつとしてみましょう。
メリット
■ 利回りの高さ
電力会社の固定買取制度は20年間となっていますが、20年間利用していれば元もとれて、なおかつ収入もあるので20年以降に電気買取金額が下がってしまっても、他と比べても利回りは高くなっています。
■ 固定買取制度
太陽光発電を設置して電力調査を受けた段階で固定買取制度はスタートします。
そして、20年間同じ金額で電気を買い取ってもらう事が約束されます。
国が20年間、固定価格で電気の買取を約束するので、銀行等から融資を受けている場合も返済のめどが立てやすくなります。
■ 節税制度が利用できる
経済産業省が打ち出した制度である生産性向上設備投資促進税制により、生産性を特に向上させると認められた設備投資については節税ができます。
50%の特別償却や5%の税額控除の適用が可能となっています。
デメリット
■ 天候の影響を受ける
太陽光発電の発電量は、天候の影響に左右されてしまうことがありますし、太陽が昇っている時間以外の発電はできません。
しかし、最近の太陽光パネルは最大出力が上がったため、日の出・日の入りの少しの太陽の光しか受けない時間帯でも発電する事が可能になっています。
■ 10年後、20年後はどうなるのか不明
10年後、20年後の太陽光発電投資の制度がどうなるのかわからない、という不安はあります。
しかし、将来のことがわからないというのは、太陽光発電投資だけではなく世の中のすべてのことに対して言えることです。
これをデメリットとするかどうかは、人によって見解が異なるかもしれませんが、不安要素があるという意味ではデメリットといえるでしょう。
■ 出力抑制
需要に対して電力の供給が多すぎる場合に限り、電力会社が火力発電の発電量を抑えます。
それでもなお供給量が多すぎると判断した場合は、太陽光発電の売買が絞られます。
この出力抑制は九州の一部離島で実施されたこともありますが、現段階ではめったに起こる事がない事例です。
出力抑制に対しての出力抑制保険というものもあります。
太陽光発電投資を考えている方はぜひ、出力保険制度に加入することをお勧めします。
堅実な老後へ投資をしていきましょう!
ここまで、個人年金保険の3つと太陽光発電投資・安定資産運用をご紹介しました。
あなたに合ったプランは見つかりましたか?
当然ですが、どのプランにおいてもメリット・デメリットは存在します。
しかし、将来必ず訪れる「老後の生活」をより良いものにするためのプランを今から考えておくことに関してはメリットしかありません。
老後をゆったり、ゆっくりとした生活にするために、常日頃からアンテナをはり、視野を広げていきましょう。
そして、その中で様々なメリットを見つけ、デメリットの少ない、あなたに合った老後を考えていくことが大切なのです。
- 2017年厚生労働省発表平均寿命は男性80.75歳女性86.99歳と過去最高をマーク
- 個人年金保険には大きく分けて3つのタイプがある
- 太陽光発電投資は発電年金と呼ばれ近年注目を浴びている
- 年金受給開始からゆとりのある生活をするためには月35万円は必要
- 未来のことは誰にもわからないが老後の生活プランははやめに考えておく