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【徹底解説】太陽光発電における⑩のデメリットとその解決策とは

太陽光発電

電力の自由化・ガスの自由化は、正に既存のエネルギ―産業界がこれまで独占してきたビジネスのあり方を、根本的に変貌させるものです。

電気代とガス代を1企業が取り扱えるようになり、エネルギーに携わる全ての企業がライバルとなりました。
しかし、その背景の中で太陽光発電は、電気代や節電、さらには環境に対する意識が高まることもあり、企業だけなく個人の一般家庭も導入を検討している人がたくさんいます。

しかしながら、再生エネルギー「太陽光発電」は、デメリットもいくつか存在しています。そこで、注目を浴びている太陽光発電の現状のデメリットをご紹介いたします。

太陽光発電とは?

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生物が一番恩恵を受けている太陽光のエネルギーを、人類は、科学の力で電気エネルギーに変換して、化石燃料や原子力で作るエネルギーに対しての「アンチテーゼ」として世に送り出しました。火力発電所や原子力発電所、水力発電所のような巨大な設備ではなく、地球環境にやさしい個の対応力が可能な設備で、環境負荷を与えないクリーンなエネルギー
それが「太陽光エネルギー」です。

地球環境を根本的に再生する利益を生み出し、さらに、人の意識で作れる可能性があるとてつもなく大きい価値を持るエネルギーと言っても過言ではありません。
太陽光発電は、再生可能エネルギーの中で最も身近なものと言えます。

基本的には設置地域に関係なく、誰もが自分の意志で導入することが可能
発電した電力は自家用に使えますし、余った場合は売電することもできます。
多くの家庭で導入が進んでいますが、一方で、デメリットが話題に挙がっていることも確かなことです。

まずはどういったデメリットがあるのかを知って、導入の検討材料にすることをおすすめします。

知恵袋でも多くの質問が…

太陽光発電システムの導入について一番のポイントは、情報をどれだけ網羅して比較できるか、ということが挙げられます。

実際に、知恵袋を見てみると悪材料ばかりが目について、これを読んだ人は積極的に導入を考えるかどうか疑問に思えてしまいます。

投資対象で、飽くまでも利益を追求するのか、それとも、節電志向を持ちながら余剰電力を売電することで投資金額を回収するのか、さもなければ、化石燃料や原子力発電のような地球環境に負荷を与える電力エネルギーを削減するために導入するのか、によって、太陽光発電システムのポジショニングが変わってきます。

そこで、多くのデメリットと思われているところを解説し、そして、それに対する解決策を提示することにいたします。

デメリット①:設置費用の高さ

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太陽光発電システムが本格的に登場した際のkwあたりの費用(2000年当時)は80万円でしたが、それが、現在ではkwあたり30~40万円の間で設置できるようになり、5kw以下の太陽光発電システムであれば、初期費用180万円以下での設置が可能になっています。

そういう意味では、太陽光発電システムの設置費用も半額まで下がっており、この傾向は今年以降も続いて行くと予想されています。

その一方で、金利負担が下がっている現状からすると、低金利でローンを組むことも可能になっています。

これまでは、国からの公的補助金制度はがありましたが、現在では廃止されています。

しかしながら、地方自治体の補助金制度は継続していますので、お住まいの自治体に問い合わせすることをお勧めいたします。

そこで、太陽光発電システムの設置費用は高いのか、それとも、適正なのかを見て行くことにいたしますが、太陽光パネル生産メーカーや、実際に販売・施工する業者さんによっても変わるのは当然のこと。

そして、設置費用が高いか、安いかは節電マインドによる電気の使用量にもよりますし、売電による回収金額も影響を及ぼします。

いずれにしましても、設置費用は低減化することは間違いないので、次に挙げるようなチェックポイントをクリアすることが必要になります。

太陽光発電システムを設置するに際しての確認ポイント

もちろん、売電すれば導入費用の回収は出来ますが、少なくとも自動車一台分以上の投資をするわけですから事前にしっかりと準備をすることが大事になります。

では、太陽光発電システムを設置す時の確認ポイントを見ていきましょう。

・ まずは設置場所ですが、自宅の屋根を含めて太陽光発電システムの設置が可能かどうか  をチェック
・ 太陽光発電システムの導入に際して、メーカーの選択をチェック
・ 太陽光発電システムメーカーのチェックに関係しますが、どの程度の発電量を確保する  のかをチェック
・ 太陽光発電システムの設置費用と回収見込みスケジュールのチェック
・ 太陽光発電システムを設置する業者の信頼性などについてのチェック
・ 太陽光発電システム設置後の支払いについてのチェック

以上のポイントをしっかり抑えて、比較検討すると良いでしょう。

太陽光発電システム設置費用について

太陽光発電システム一式の設置費用の参考に、昨年の平均的な太陽光発電システムの導入費用は38.5万円/kw。

その内訳をブレークダウンしますと、

・太陽光パネル       17.0万円

・パワーコンディショナー  4.5万円

・架台            4.5万円

・工事費用          7.1万円

・その他          5.4万円

・合計           38.5万円

このようになっています。

この金額をベースにして、太陽光発電システムの導入時に各メーカー、販売店、施工業者さんに対して、複数の見積もりを取るようにして、比較・検討することがポイントになります。

その際に、上の金額のどの部分の値下げが可能になるのかを検討するわけですが、太陽光パネルは、約40%強を占めているので、常識的に言えば、この部分に手を付けることは当然なのですが、一方で、変換効率にも関係することがありえますので、そのバランスをとらなければなりません。

設置費用の回収について

どのような太陽光パネルを導入するのか、そして、新築、既築によって導入費用の回収期間は違ってきます。

どれだけ発電が見込め、売電にどれくらい回せるかで、回収できる金額に影響を及ぼします。

解決策は?

太陽光発電システムの導入費用が高いと感じて、それが導入のデメリットとした場合、どのように解決策を見出したらいいのでしょうか。

その解決策として1番大切なことは、導入費用を個々に分析し、その1つひとつに対して、ソーラーアドバイザーや販売店、施工業者さんと詰めることです。

比較検討して、メリットが大きく少しでも安い施工業者を探してください。

デメリット②:定期的なメンテナンスコスト

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どんなハードウエアでも使用している間に劣化していくことは当然のことです。
つまり、経年劣化ということが、太陽光発電システムにも見られることを示しています。

実際に、NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)の調査では、自然現象(雷、台風、雪害)による故障や、取り替え、システム機器同士の接続不良などの他に、経年劣化、寿命などが原因の故障を指摘しており、その割合は16.9%を示しています。

つまり、太陽光発電システムは中々故障するものではありませんが、先にも紹介したようにハードウエアを主体にした装置システムである限り、期待される寿命が20年以上と言われていますが、故障もしますし性能も低下することは必然的なことと言えます。

太陽光発電システムの点検は販売・施工した会社が行なうのですが、その際にはJPEA(一般社団法人太陽光発電協会)認定PV加工技術者か、メーカーサイドの認定技術者が実施します。

定期点検で行われるのは、以下です。

・製品点検―太陽光パネル、接続箱、パワーコンディショナー、昇圧ユニット

・運転点検―パワーコンディショナー、昇圧ユニットの駆動確認

・数値測定―太陽電池と電力系統、機器間の電圧測定や絶縁抵抗測定

定期的なメンテナンスコスト

定期点検に関する費用は無料サービスの場合が多く見られますが、4年に1回の点検は有料の場合が見られるようで、それに関する費用は1~2万円程度とされているようです。

その中で10年1回に以上はパワーコンディショナー、メーターなどの点検・修理の必要性が挙げられ、その場合、パワーコンディショナーでは20万円の費用が見込まれ、稼動中の20年間で20万円程度を挙げています。

また、自然災害の保証もあるのですが大部分は無償で対応するのですが、場合によっては有償のこともあります。

このように、必ず経年劣化があることと、自然からの侵襲を受けることでも劣化があるわけで、それに対してのポイントは、その経年劣化をいかに抑え込むかということで、定期的な点検だけでなく日常的な点検も必要になります。

というのも、自家用の需要もさることながら、やはり、売電を意識するからには、劣化は避けなければならない重要なポイントになります。となれば、販売・施工会社任せにせずに自分で点検やメンテナンスをすることがたいせつになります。

そこで、太陽光発電システム導入後にかかるメンテナンスコストとしては、パワーコンディショナー費用の20万円と4年に1回の点検費用2万円×5回分の10万円が必要となり、合計で30万円を計上する必要があります。

1年にすると30万円/20年で1.5万円。kwあたりにすると、仮に4.2kwの太陽光発電システムの場合ですと30万円/20年/4.2kwで、3,570円となります。

したがって、4.2kwの発電システムですと、年間ですと3,570円×4.2kwで、約1.5万円となります

解決策は?

さあ、年間のメンテナンスコスト1.5万円を確保しなければなりません。

当然、売電収入から確保したいのは当然ですが、家庭用の発電システムの売電期間は10年間と決まっています。

この期間で売電だけで確保しようとすると、残りの10年分を確保することになり、単純にいえば、10年間で30万円、つまり、1年間で3万円、月にすると2,500円となります。

仮に、今年太陽光発電システムを導入して、5,000kwhを発電し、そのうちの70%を売電に回したとすると、平成29年度の買取り金額を例にとると、1年間のメンテナンスコストは次のようになります。

5000kwh(発電量)/年×0.70(売電率)×28円(kwhの買取り金額)= 98,000円

これを10年間続けるとしたら98万円ということになります。

これを仮に、初期費用180万円として加えると、278万円が導入から10年間で回収費用となります。

つまり、1年に27.8万円、月に約2.4万円となりますが、10年目以降は自家用の電力量を太陽光発電システムで充当することを考えますと、十分回収できる費用となります。

デメリット③:設置時の環境負荷

太陽光発電システムの導入設置については、設置場所周辺にある程度の環境負荷を与えることがあります。

この場合は個人住宅よりも10kw以上の売電を目的とする、企業による規模の大きい太陽光発電システムの導入時に見られます。

場合によっては、農地や森林を切り開くことで用地を確保しようと、近隣の住民との間に環境問題でもめることがあります。

化石燃料や、炭酸ガスの削減、地球温暖化に貢献するとの大義があって、開発を進めようとするのですが、その姿勢は逆に、自然環境の自助力の大元である自然を破壊することに繋がり、環境に対して負荷を与えることになり兼ねません。

実際に、大義よりも営業行為が優先することで、環境への配慮をすることなしに開発を推進し自然・環境破壊に突き進む姿勢が目立つようになっています。売電による利益至上主義がまかり通ることがその背景にあるようです。

解決策は?

設置場所の選定にあたっては、地域住民との事前折衝が必要になります。

あくまでも双方が納得できるまで、拙速にならない交渉力が大切になります。

そして、その太陽光発電システムがその設置場所で稼働することによって、化石燃料や、炭酸ガスの削減、地球温暖化の対して、どの程度の環境負荷を削減しているかを、固有名詞と数値化されたデータで示すことが大切になります。

そこには、企業としての環境に対する姿勢を見せる絶好のチャンスになるだけに、取り組む姿勢をはっきりと示すことが求められます。

実際に、太陽光発電システム1kwあたりの原油の節約量は256リットル/年とされていることから、太陽光発電システムの導入が石油消費の削減に貢献していることを示すことがポイントになります。

デメリット④:設置時の面積の問題

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太陽光発電システムで大事なポイントの1つは設備を置く、いわゆる設置場所が挙げられます。そして、もう1つが発電効率です。

例えば、4.2kwの住宅用、10kw以上の産業用にしても、設備を置くだけのスペースがないことにはまったく意味を成しません

つまり、設置場所の面積いかんで太陽光発電システムが決まってしまうことになります。

NEDOが出しているガイドラインには、1kwの太陽光発電システムの導入に際しての必要とされる面積は10~15㎡としています。この数字は設置場所の形状、パネルの発電効率、設置場所の傾斜などを含んだ上での数字ですので、実際には、1kwの面積は10㎡とするのが妥当にようです。

最低でも、1kwあたり5㎡は確保するようにしたいですね。

例えば、4kwの発電量でしたら、250wのパネルが16枚必要になります。パネル1枚の㎡数が、仮に1.25㎡とした場合、1.25㎡×16枚=20㎡となります。となると設置面積は最低でも20㎡が必要になります。

これは、先の1kwの最低面積5㎡の数字に一致します。

解決策は?

設置面積の重要性、お分かりいただけたと思いますが、それを補うのが先に掲げたもう一つの発電効率ということになります。

つまり、面積が狭かったり、他の条件が悪かったりした場合では、パネルそのものの発電効率が高いものを選ぶ必然性が出てきます。そうすることで求める発電量を確保します。

もちろん、設置場所の条件に合わせなければなりませんが、視点をそこに集中することも必要になります。

産業用の場合では、事前に電柱などの売電に関桂するインフラを調べておかなければなりません。

折角、最適な土地に見えても、インフラが揃っていないとパネル工事だけでなく、新しいインフラ工事にも手をつけなくてなりません。

コスト削減のためにもインフラに工夫をすることが大切になります。

デメリット⑤:反射光のトラブル

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住宅の屋根に太陽光発電パネルの反射光の眩しさや熱に、クレームが発生する場合があります。
これは、太陽からの入射角と反射角の問題で、パネルへの光の入り方によっては、反射率に変化が生じ、角度次第で反射光が弱くなったり、強くなったりします。
これが問題の元凶になるわけです。
実際に被害を受けている人は、昼間から反射光を避けるためにカーテンを閉めることがあるそうです。

ここでの問題は、受ける側の受容限度の態度如何に関わってくるのですが、その限度を超えると取られた場合、クレームとして現れることになります。
どちらかというと住宅用は比較的少ないですが、それでも裁判沙汰になった場合があります。

一方の産業用の太陽光発電システムでは、設置場所の近隣が住宅地の場合に、裁判沙汰になるような事態も起きているようです。

解決策は?

住宅用の太陽光パネルは、日あたりの良い屋根に設置されるわけですが、そのほとんどは南面です。

そして、多くの場合は先程の入射角と反射角から、空に向かって反射されことから近隣との間でクレームになるようなことは発生しないと考えられます。

しかしながら、太陽光パネルを北面、東西面に設置した場合には、太陽光の反射角は空に向かわず地上の方に向かうことになるので、その場合にはクレームに繋がるようなことになることがあります。

したがって、太陽光パネルの反射光が近隣住宅に影響を及ぼすことがありそうな場合には、事前に反射光の問題を考慮して太陽光パネルの設置を行うようにします。

いずれにしても、販売・施工業者さんと反射光だけでなく、予想される問題点についてしっかりと対策を練っておくことが必要になります。

一方の産業向けについても、大規模太陽光発電システムになるため影響力もそれだけ大きくなりますので、同じように販売・施工業者さんに、事前に反射光調査を依頼するようにしましょう。

デメリット⑥:電磁波のリスク

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電流、磁気の方向、そして強弱の変化は電界と磁界に影響することで、遠方に波が伝播するような現象が生じます。

この波のことを電磁波、伝播する場所のことを電磁界と呼んでいます。電磁波は、波長(周波数)に違いがありますので、それによって多くの種類があります。

例えば、

・光の波長は約0.01mm

・波長が約0.1mmの赤外線は温熱効果がある

・料理に使われる電子レンジの波長は約10cm

・通信用の波長は1mm~100km

・テレビの波長は1~10m

・送電線、電化製品の波長は5,000~60,000km

となっています。

そこで、太陽光発電システムですが、設備要件は太陽光パネル、パワーコンディショナー、分電盤からなっており、太陽パネルで起電した直流をパワーコンディショナーで交流に変換、分電盤に接続しています。

実際に、太陽光発電システム(太陽光パネル、パワーコンディショナー)の磁界を測定した結果によると、測定対象から20cm離れた段階で、他の家庭電化製品と同程度の電磁波ということで、問題ないとされています。

しかしながら一方で、電磁波の影響での健康被害を訴える人がいるのも確かなことで、太陽光発電システムを導入してすぐに、頭痛やめまいの症状が現われたとういう人もいるのです。

この背景には、太陽光パネルが発電する直流を家庭や売電に向くように交流の変換するため、その時に低周波磁場の発生が関与していることが考えられているようです。

解決策は?

仮に、パワーコンディショナーガン電磁波の発生源だとした場合、そこから離れることで当然磁界は弱まるので、パワーコンディショナーの置き場所を見直すことで対応できます。つまり、部屋の中が設置場所でしたら、屋外に移すことで解決ができる可能性があります。
パワーコンディショナーの場所を変更できない場合は、電磁波吸収シートなどで被うことで電磁波の低減が可能。

全ての電化製品には多かれ少なかれ電磁波を発しており、これを避けることは出来ません。毎日愛用している携帯電話やスマ-トフォンだって電磁波を出しています。

極端な言い方をすると、電磁波を避けるにはすべての電化製品を止めるしかありません。
そうしても、自然界にも電磁波は存在することから、それほど神経質になる必要はないと考えられます。

デメリット⑦:天候に左右される

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太陽光発電システムの最大の欠点は、天候に左右されることです。

光エネルギーを電気エネルギーに変換するのですから、たっぷりとした光が必要であることは自明の理です。

例えば、晴れの日の発電量を10とした場合、曇りの日では3~5、雨の日ですと1ぐらいに低下することになります。
季節変動も激しく、1日あたりの発電量では2.5~3.5kwh/kw、1カ月では50~120kwh/kwの変動が見られます。
当然冬は日射量が減りますので、必然的に発電量も低減することになります。

それだけでなく、発電パネルが一定以上の熱を帯びると、発電効率が悪くなることから、夏季のカンカン照りの見られるように日射量が増えても、稼動効率が悪くなることから、必ずしも最高の状態にあるとは言えません。

曇天の日については、太陽から直達日射量がなくても大気中への拡散光が増加していますので、晴れた日の5割程度の発電量が期待できます。
雨天や降雪の場合では、当然発電量は減ります。

いずれにしても、太陽光発電システムの導入に際しては、このような発電量の変動があることは、売電量にも関係することをしっかりと認識して、どのような条件を整えればいいのか検討しておくことが大切になります。

解決策は?

これまで見てきた通り太陽光発電システムでは、日射量によって発電量が違ってくるわけですが、それでは、発電量を上げるための解決策ってあるのかということになります。

この場合の変数としては2つが考えられます。

1つは日射量を上げることで、発電用の光量が十分注がれることが必要です。

しかしながら、これは自然が相手なので、いかに私たちが頑張っても所詮コントロールするのは無理と言えます。となると、もう1つの方に目を向けることになります。
これは、太陽光発電システムのスケールと効率の問題ということになります。例えば、設備スケールを拡大することで発電量を増やすことの選択肢が出てきます。
とはいうものの、これには設置面積の広さやコストがついて回ります。
先の設置面積のところで指摘したように、1kwあたりの面積は最低でも5㎡が必要と算出しています。
したがって、発電設備の拡充をするには、それだけの設置面積を確保しなければなりません。
仮にできたとしても、発電システムのコストが余計にかかってきます。

また、もう1つの効率の問題は、偏に太陽光パネルのエネルギー変換率に頼るわけですが、これについても効率がいいものは、それだけコストがかかることになりますので、簡単には行かないことが予想されます。
となると、天候の左右によるデメリットの解決策を見出すのは簡単に行かないことになります。
そこで、発想を太陽光発電システムの導入の原点に戻って、環境問題や売電、節電意識の醸成などから、発電量の問題は半年単位、年間単位、3年、5年、10年、15年、20年単位で捉えるような視点に切り替えることがポイントになります。
そう考えれば、天候不順や日照の問題も長期的視点で見られるようになりますので、一喜一憂することはなくなるに違いありません。

デメリット⑧:発電効率の悪さ

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太陽光発電システムの発電効率を語る際に、何と比較して悪いのかが問題になります。

電力エネルギーの主力は化石燃料による火力発電、原子力発電、水力発電です。

これらと比較することになります。発電効率は次の通りです。

・LNG火力  ―55%

・火力蒸気  ―43%

・原子力 ―33%

・風力 ―25%

・太陽光 ―20%

・地熱 ―70%

・バイオマス ―20%

・水力 ―80%

この中で特徴的なのは、風力についても風がなければ機能しないことがありますが、一日中の稼動が可能になります。地熱についても同様で、天変地異がほとんど関係ないことと、一日中の稼動が可能なことが挙げられます。

この点が、太陽光発電システムにはないことです。

それから、エネルギーの産生について、太陽光発電は光エネルギーを電気エネルギーに変換していますが、他のエネルギーは機械的なエネルギーを電気エネルギーに変換している特徴があります。

そういう意味では、太陽光発電システムの効率性と、他のエネルギー源の効率性を同じテーブルには乗せられませんが、最終的なアウトプットである売電金額の円/kwhに置き換えると、うなずける部分もあります。

そこで次に、発電効率を反映するのが円/kw比較ということになります。例えば、2014年の国の試算では、

・ 太陽光発電    ―30円

・ 石油火力     ―30円

・ 天然ガス火力 ―13.7円

・ 石炭火力    ―12.3円

・ 原子力     ―10.1円

となっています。

一般家庭においての電気料金は平均すると、25円/kwh(東京電力の従量電灯B)との比較からすると、太陽光発電のポジションもそこそこあると考えられます。

解決策は?

太陽光発電システムでのエネルギーは、光エネルギーを電気エネルギーに変換することから、どうしても受光パネルの変換効率のアップを待たなければなりません。
実際には、30%を超えるパネル素材も開発されていることから、行く行くは40%を超えるパネルも出てくる可能性もあるかも知れません。

このように、発電効率は物理的特性を持った半導体の開発いかんにかかっていると言わざるを得ません。

そして、太陽光発電システムの導入時に、太陽光パネルを位置の問題をクリアすることがポイントになりそうです。例えば、南側に太陽光パネルを設置した場合の発電効率を100として、南東、南西に設置した場合は95、東、西では82としています。

さらに、太陽光パネル設置の傾斜角もポイントで、30%の角度が最も効率性があるとしています。

そう考えると、より良い太陽光パネルの選択と設置についての考察が、発電効率の問題解決に直結することになりそうです。

デメリット⑨:売電できなくなる場合も

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固定価格買取り制度(FIT制度)によると、太陽光発電システム導入後、一般家庭用でしたら向こう10年間は電力会社、もしくは新電力会社などのいわゆる電気事業者は、電力を買わなければいけない義務があります。

産業用では20年間の全量買取りの義務があります。

一部の電力会社で買取りを見送るなどありましたが、今では、それもなくなりました。

したがって、今後も続いていくようですが、問題はその買取り価格が年々下がっていることです。

今のところ、2017年から向こう3年間の数字が示されています。

http://standard-project.net/solar/baiden/kaitorikakaku_future.html

*2MW以上の事業体については入札制度が適用されます。

このように買取り価格は低減傾向にあり、国や自治体からの補助も少なくなる一方で、太陽光発電システムの導入金額は下がってはいますが、それでも、150~200万円ぐらいの金額を用意する必要があります。

問題は10年後、20年後のことです。

導入後買い取り期間を過ぎますと、電気事業者は個別の電力の買い取りをしなくてもよくなります。

ということは、売電先がなくなることを意味します。いずれにしても、買い取り期間が過ぎれば必ずこの時を迎えることになります。

出力制御ルール

ここで、もう一点触れておかなければならないことがあります。
それは出力制御ルールのことです。
これは、電力会社が太陽光発電設備に対して出力を制御・コントロールができる制度です。

買取り制度が進んでいる中で、季節要因の影響から需要・供給バランスの出力制御の必要性が生じた場合、発電事業者は出力制御をするために、パワーコンディショナーで出力調整をしたり、場合によっては出力を停止したりします。

この制度での出力制御ルールは、各電力会社で内用が異なっており、例えば、

・10kw未満

・10~50kw未満

・50~500kw未満

・500kw以上の

4段階に分かれています。
この4段階の各段階ごとと、10電力会社ごとに細分化されたルールがあります。

例を挙げると、東京電力、中部電力、関西電力では、10kw以下の発電設備対しての出力制御ルールはありませんが、その他の電力会社では、出力制御ルールが適用されるようになっています。

このような適用は、他の10kw、10~50kw、50~500kw、500kw以上でもそれぞれのクラスによって、

出力制御ルールがよういされていますので、詳細については、各電力会社の内容をチェックする必要があります。

 

解決策

買い取り期間が過ぎる10年後、あるいは20年後になっても、太陽光発電システムは発電を続けます。実際には、30年後だって稼動していることが考えられます。

そうなった場合、10年後、20年後は自家使用の発電で、全てを賄うようになる可能性があります。
そうなったらそれで、月々の電気代が浮くわけですから、必ずしも売電にこだわる必要はありません。

しかしながら、買取り制度についてはエコマインドをより一層広める観点と、将来のエネルギー政策の視点から、買い取り価格そのものは下がりますが、継続することも考えらます。

2012年7月1日固定価格買取り制度が始まって今年で5年目ですが、10年目の2022年までに固定価格買取り制度の価格を決定してきた調達価格等算定委員会が、11年目以降の買取り制度の継続について11円/kwhという価格が検討されているそうです。

そこで、単純計算で売電のシュミレーションをしてみますと、次にようになります。

前提条件は1年間、売電パーセンテージを65%とし、売電価格11円/kwh、年間の消費電力を5000kwhとします。

・5000kwh/年×0.65×11円=35.750円

となります。

したがって、11年目からは売電金額は減額となりますが、毎年35.750円の売電収入が見込めることになります。
これに、自家需要の金額が乗るわけですから、固定価格買取り制度の継続に期待が高まるというわけです。

デメリット⑩:未来への投資

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銀行預金の金利を見ると、誰でも貯金することにためらいが起こるのではないでしょうか。例えば、5年物の定期預金では、預ける金額にもよりますが1,000万円で最もいいもので0.2%ほど。

普通預金は、ここでは取り上げる意味がないので触れないことにしますが、気の遠くなる投資の一つです。

もちろん、銀行以外にも投資を意図した場合には、株や国債などいろいろ選択肢があると思いますが、太陽光発電システム導入の場合はどうなのでしょうか。

さっそく見て行きましょう。

先にも示したように家庭用の太陽光発電システムの導入費用は、150~200万円ぐらいの投資になりますが、これは電力発電の費用ですので株や国債、その他の投資とは性質が違いますので、一概に比較することは出来ません。

とはいっても、それだけの金額を通常の電気代に置き換えると、例えば、年間の電気代が80,000~100,000円とすると、単純計算で20年分の電気代ということになります。

もちろん、保守・点検のためにも30万円ほどかかりますので、その負担はもっと大きくなります。

ただ単に電気代ということではなく、投資という視点で見た場合、どの程度の見返りが期待できるかが気になる所です。

実際に太陽光発電システムを導入してうまく稼働しなければ、無駄な投資になってしまうかも知れません。そういう危険性もあるのです。

解決策は?

投資として考えた場合、そのエネルギーとしての成果物を実際に自家用に使用することは、他の投資案件にはみることは出来ません。

その上で余剰の電力を、買取り制度を通じて売電することで、投資資金の回収を図れることに繋がる可能性が拡がってきます。

そして、何よりも地球温暖化に影響を与えるとされている、二酸化炭素の排出を抑えるという環境負荷軽減に繋がる投資は、中々あるのものではありません。

このように、太陽光発電システムの未来への投資は実利的なものばかりだけでなく、これまでの科学文明が残した負の遺産の清算に、少しでもプラスに働く証になるものです。

やがては、電気エネルギーの占める化石燃料や原子力のシェアが減ることで、再生エネルギー、自然エネルギーの重要性が今以上に認識されるようになるでしょう。

太陽光発電システムの発展への礎

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自然エネルギーの中で、太陽光発電システムは動力を用いて発電する形態ではなく、物理的現象、それもエレクトロニクス技術の粋を集めたシステムで、これまでの製品化されたものは人間の日常生活を豊かにするものでした。

しかしながら、太陽光発電にはそれだけでなく、かけがえのない地球環境を守るために、まさに、21世紀の救世主のような存在です。

10のデメリットが挙げられるほどの問題点、そしてさまざまな課題が指摘されていますが、それぞれに、解決するポイントがあります。

 

太陽光発電システムの導入・浸透・定着について

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太陽光発電システムのデメリットが語られるのは、環境負荷に対する認識の甘さがあるが故に起こる一時の風かも知れません。

先に触れたように太陽光発電は、これまでの蒸気機関から生まれたものとは全く趣を違え、太陽という人類だけでなく自然界に燦然と輝くエネルギーを利用することで、自然環境に恩返しをするという大事なシステムなのです。

したがって、太陽光発電システムについては、技術的ベースは以前からあったにしても、本格的にデビューしてからは、まだ間もない時間の経過になっています。

これから先、どのような展開になるかを考えた場合、まずは、導入の時代を経て、浸透の時代に入ります。

そして、それが定着する時代になって、初めて太陽光発電システムが環境問題の解決に一石を投じつつ、一般家庭に普及している姿が見えるに違いありません。

プラス志向への架け橋

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太陽光発電システムの導入に際して、実に多くのチェックポイントがあります。もちろん、メリットもありますが、無視できないようなデメリットもあります。

しかしながら、そのデメリットもアプローチの仕方によっては解決策を見出すことができるのです。

ここでのデメリットはマイナス思考を促すものではなく、プラス志向への架け橋になるような発想力を提供するものです。

解決策をしっかり読み解くことで、太陽光発電システムの導入にチャレンジしてみてください

まとめ
  • 太陽光発電システムは数値化のチェックを行うことが重要
  • 太陽光発電システムの導入時は初期費用だけでなくメンテナンスコストも意識する
  • 太陽光発電システムの導入時は周囲に対する環境負荷問題をチェック
  • 太陽光発電システムの導入時は不可抗力のロスを出来るだけ少なくする
  • 太陽光発電システムの導入時は販売・施工業者さんの選び方に注力する
  • 太陽光発電システムの導入時は売電情報への感度を上げる

 

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