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資格取得の費用は?太陽光発電の点検はメンテナンス会社に任すべきか

太陽光発電

太陽光発電はメンテナンスフリーともいわれます。しかし、それは一度設置したら何の管理もしなくていいという意味ではありません。深刻な故障を引き起こしてからでは莫大な修理代がかかってしまいます。

 

太陽光発電で安定した収益を上げるためには、定期的なメンテナンスは欠かせません。メンテナンスの重要性と、その方法について解説します。

 

太陽光発電に点検が必要?

メンテナンスフリーといわれる太陽光発電ですが、まったく放置していていいわけではありません。ビジネス目的で導入されるメガソーラーはもちろん、住宅用の太陽光発電であっても、小さな不具合を早期に発見できれば修理費も安くすませることができます。

 

メンテナンス費用を一切かけないという方針もあるかもしれませんが、全取替になるまで故障を放置していては、かえって損をすることになります。

 

最近では電力自由化により誰でも売電できるようになりました。買取価格は経済産業省の調達価格等算定委員会によって毎年決められていますが、実はこの価格にもメンテナンス費用が想定されています。

同委員会の資料によれば、メンテナンスとは、定期点検とパワーコンディショナーの交換の2種類があります。それぞれどのようなものなのでしょうか。

 

・定期点検

太陽光発電は「何年に一度点検をしなければいけない」というような法的義務は課せられてはいません。しかし、長期的に発電量を一定に維持し、安全を確保するために定期点検が推奨されています。

 

いくらメンテナンスフリーといっても、ソーラーパネル(太陽電池パネル)は屋根などに設置され雨風にさらされ続けているものです。長期間運用しているうちに、気象条件や自然災害の影響を受けるため、注意しなければなりません。

 

定期点検ではソーラーパネル、接続箱、パワーコンディショナーについて、目視と電気的な測定を行うことで異常がないかどうか確認されます。資源エネルギー庁の資料によれば、4年に1回ほどの定期点検が望ましいということです。

 

・パワーコンディショナーディショナーの交換

パワーコンディショナーとはソーラーパネルで発電した直流電流を交流に変換する装置のことです。ソーラーパネルと異なり、通常運転をしていても摩耗する特性があります。

そのため、資源エネルギー庁では、20年に一度の交換をすすめています。

 

太陽電池モジュールの固定価格買取制度は契約から10年で終了してしまいますが、太陽電池モジュールの寿命は20年以上あるといわれています。10年経過した後にもし買取価格が下がっていたとしても、発電システムが正常に稼働できる状態をキープできていれば、売電によって収益を上げることは十分可能なのです。

 

定期点検費用はかかるものの、モニタリングシステムを利用して日々の発電量に異常がないかチェックしつつ、定期的に専門家に点検を依頼することをおすすめします。

 

太陽光発電メンテナンスの資格‎にはどんなものがある?

太陽光発電システムは、太陽光発電協会(以下JPEA)が発行する保守点検ガイドラインに沿って、自分で簡単な点検をすることが可能です。確かに発電量チェックなどは誰でも簡単にできるでしょう。

 

しかし、発電システムに関わっているパネル、パワーコンディショナーなどの部分は通電しています。間違えた取扱いをすると故障の原因にもなりかねませんし、感電事故のリスクもあります。定期点検はぜひ十分な経験や資格を持つ、設置工事業者や電気工事会社など、専門業者に依頼したいところです。

 

太陽光発電メンテナンスには以下のような資格が必要といわれています。メンテナンス業者を選択する際も、このような資格を持っているかどうかチェックするようにしましょう。

 

・メーカー施行ID

太陽光発電システムを販売する各メーカーが独自に発行しているものです。メーカーが実施した研修を受け、試験に合格した人だけが保持できます。

 

・PV施行技術者

JPEAが開設したPV施行技術者制度運営センターが認定する資格です。一般住宅の太陽光発電システムの施行に必要とされる知識と技術を持っていることを示します。PV施工技術者を名乗るには、決められたカリキュラムに沿って研修を受けた後、実技と筆記試験に合格することが認定基準です。

 

・PIAの技術認定

太陽光発電検査協会(以下PIA)では、太陽光発電技術者の育成とスキルアップを目標として講習会と研修を行い、修了者に技術認定を行っています。協会発行のテキストを用い、実習を交えながら太陽光発電システムのメンテナンスについて学びます。

 

この他、太陽光発電メンテナンス技師資格という、まさに太陽光発電システムのメンテナンスの専門家であることを証明する資格もあります。具体的にどのようなものか見てみましょう。

 

太陽光発電メンテナンス技士資格

太陽光発電のメンテナンスを専門に行う太陽光発電メンテナンス技士。その資格とはいったいどのようなものなのでしょうか?

 

資格の特徴

 

太陽光発電メンテナンス技士はJPMAによる認定資格です。太陽光発電設備の基礎知識からメンテナンスの基本を広く学び、技能講習会で測定器の使い方、洗浄、点検といったメンテナンスの実践を習得した人ならば、誰でも資格を得ることができます。

 

50kW未満の低圧設備はもちろんのこと、50kW以上の高圧設備、2,000kW以上の特別高圧設備のメンテナンスも行うことができる資格です。

 

取得要件と費用

 

資格認定講座、技能講習会を受講し、確認テストに合格することが取得要件となります。

取得費用はテキスト代、参考費用代、講座受講料、認定証、カード発行手数料などを含み65,000円です。資格の有効期間は3年間となり、更新には期間内の更新手続きおよび5,000円の費用が必要になります。

 

協会の基本情報

 

JPMAとは太陽光発電設備のメンテナンスについての研究、保安基準の策定などを行う社団法人です。

太陽光発電設備のメンテナンスができる技術者を育成し、社会の資源と環境の保全に寄与することを目的として2014年に設立されました。

 

太陽光発電メンテナンス技士補

太陽光発電メンテナンス技士補は太陽光発電のメンテナンスをする補佐役です。具体的に見ていきましょう。

 

資格の特徴

 

資格予備校の東京リーガルマインド(以下LEC)を指定教育機関としてJPMAが認定している資格です。太陽光発電メンテナンス技師よりも比較的簡単に取得できるという特徴があります。

太陽光発電メンテナンス技師補を取得した後に、特別価格で講習を受講して太陽光発電メンテナンス技師にステップアップすることも可能です。

 

取得要件と費用

 

資格認定講座、技能講習会を受講し、確認テストに合格することが取得要件となります。

受講料は29,800円になり、登録料や更新料はありません。

 

協会の基本情報

 

JPAMの認定資格ですが、LECを指定教育機関としているところが特徴です。

 

定期的な点検はメンテナンス業者に

以上のように太陽光発電のメンテナンスのための専門資格はさまざまです。いずれも一定期間の講習が必要とされています。それだけ、しっかりとした専門知識と技術が必要ということです。

 

通常の使用をしていたにもかかわらず起きた不具合や故障については、保証期間内ならばほぼ無償で修理してもらえます。

しかし、販売店の中には保証期間であっても無償修理を拒否しようというところもあるので要注意です。いずれにしても、保証期間を過ぎての修理となると、けっして安くはありません。

 

太陽光発電はその動作が外から明確に見えるものではありません。気がつかないうちに不具合が進行していたというケースもあります。

たとえば屋根の上のソーラーパネルは、一度設置されてしまえばそのまま何年も放置したままという状態がほとんどと考えられます。ガラスのキズがついたり、飛んできたゴミに覆われてエネルギー変換効率が低下してしまったりすることもあるので注意しなければいけません。

 

限りなくメンテナンスフリーといわれている太陽光発電ではありますが、チェックを怠っていてはせっかく高額で導入しても、宝の持ち腐れということになりかねません。最悪の場合は発熱や漏電から火災を引き起こしてしまうことさえあります。

メンテナンス業者による定期的な清掃と点検を必ず心がけるようにしましょう。

 

太陽光発電のメンテナンスで効率よく発電しよう

太陽光発電においてメンテナンスは非常に重要ということをご理解いただけましたでしょうか。メンテナンスにはお金や手間がかかっても、きちんと管理することで、より無駄のない発電が可能になります。太陽光発電を導入したいと考えている方や、現在導入中という方は、ポイントを押さえて、堅実な運用をしていくように心がけましょう。

まとめ
・太陽光発電は100%メンテナンスフリーではない
・太陽光発電のメンテナンスには専門的な知識が必要
・メンテナンスに費用はかかるが、長く安全に使うために必要不可欠
・太陽光発電の定期点検と清掃は必ずメンテナンス業者に依頼する

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